1月5日

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LIGA 第16
1月5日 17:00
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
RECREATIVO

 

●召集選手(スタメン予想選手
ボナノ、デ・ボエル、ガブリ、プジョー、コクー、チャビ、ロッケンバック、モッタ、イニエスタ、オーベルマルス、クルイベル、エンケ、ジェラール、クリスタンバール、メンディエタ、サビオラ、リケルメ、ダニ

●負傷中
アンデルソン、ルイス・エンリケ、レイジゲル、ナバーロ


今シーズン最も大事な試合

2003年カンプノウでの最初の試合となるレクレアティーボ戦。今シーズン2部から上がってきたレクレだがシーズン前の予想通り最下位を走っているチームだ。そして今日そのようなチームと対戦するバルサにとって「今シーズン最も大事な試合」と言い切るバンガール。バルサが置かれている現状を良い意味でも悪い意味でも象徴する言葉だ。

最下位をひたすら走っているチームとの対戦が、バンガールの言葉をかりれば「今シーズン最も大事な試合」となっているバルサ。マジョルカ戦での奇跡的な勝利があったとはいえ、バルサの置かれている厳しい現実を象徴している。相手はコルーニャでもなければバレンシアでもなく、まして宿敵マドリでもない。今日の相手は最下位のレクレアティーボとの試合だ。

すべてのバルセロニスタがそう思うように、バンガールもまた昨シーズンの“悪いバルサ”のイメージを一掃することができる快調なスタートを切りたいと願う。そのためには今日の試合に勝ち、連勝街道を突っ走る以外にない。
「今日の試合は絶対と言っていいぐらい勝利が必要な試合。それもできるなら圧倒的な勝利が必要だ。」
地元カンプノウでの試合でありながら、相手はまだ2勝しかあげておらず最も失点が多い最下位を走っているチームでありながら、それでも、それでも難しい試合だと言うバンガール。
「彼らはベルナベウで前半に2点入れてマドリをリードしていたチーム。最終的に4−2というスコアで負けたが、彼らの実力は決して順位通りのチームではないと思っている。これまでバルサの歴史の中で、例えばクライフの時代にしてもロブソンの時代にしても、最下位のチームに負けることよくがあった。だが我々はその歴史を繰り返してはならない。なぜならもうポイントを失う余裕などないからだ。」

そして今のような状況にあるバルサでありながら、選手たちに対する信頼感を少しも失っていないと語るバンガール。それはこれまで5勝しかしていないバルサでありながら、バルサより良い試合をしたチームはほとんんど見あたらなかったから、と恐ろしいことを言いだすバンガールだ。
「我々はこれまで15試合を戦ってきて、試合内容で我々を優っていたチームはわずか2つだった。レアル・ソシエダーとビジャレアル、この2チームだけが我々より良い内容の試合展開をしたことを認めよう。だがその他のチーム、例えばベティスだとかコルーニャだとかラージョだとかは我々より内容的には劣っている試合をしていた。それにも関わらず我々が敗北した理由は簡単にして明瞭なことだ。個人的なミス、とてつもない不運、集中力の突然の欠如、これらのマイナス的な要素が重なって我々は試合に負けただけで、試合内容で負けていたわけではない。」

アイヤッヤッヤヤ〜、バンバンバンバンッガール!!!!!!


サビオラ、ロマン、ノーグラシアス

将来性豊かな才能ある二人のアルゼンチン人選手、サビオラとリケルメ。彼らにとって2003年はとてつもなく厳しい年になりそうだ。マジョルカ戦は負傷していたため出場できなかったリケルメだが、サビオラは完全な体調であるにも関わらずベンチスタートとなっていた。そして今日の試合でも、バルセロニスタのアイドルとなっている二人のアルゼンチン・クラックは再びベンチスタートとなる。

バンガールにとってこの二人のベンチスタートの理由は明らかであるようだ。リケルメは負傷あがりであること(ちなみにオーベルマルスもイニエスタもプジョーも負傷あがりではある)、そしてサビオラは快勝となったマジョルカ戦にもスタメンで出場していなかったのだから今さらバランスを崩す必要はないため。明快にしてわかりやすい理由だ。マジョルカ戦がバルサの圧勝という形で終了し、9人相手の試合であっても快勝であったとするバンガールにしてみればそれほど複雑な理由が存在するわけでもない。

リケルメはこれでリーグ戦では7回目のベンチスタート、サビオラにとっては5回目のベンチスタートとなる。またカンプノウの試合で二人一緒にベンチスタートとなるうのは今日が初めてでもある。

バルセロニスタが望むものはチームの成功と試合の勝利であるとはいえ、決して単純に受け入れることのできない二人のベンチスタート。ましてアウエーではなく地元カンプノウの試合である。だが監督が彼らを必要としないというのであれば、“12番”の選手たちはそれを受け入れるしかない。だがもし“結果”がでない時、あるいは“結果”がでたとしても納得できない試合展開を目の前にした時、カンプノウで起きることも簡単に想像できる。バンガールは危険な賭けをおこなおうとしていることだけは間違いない。


イニエスタの登場

これまで何試合もミニ・エスタディに登場してきたアンドレス・イニエスタ。だが今日の彼がプレーする場所はその慣れしたんだミニ・エスタディではない。彼にとって長い間の夢だったカンプノウでのプレーが実現する。

昨年末におこなわれたカナル+主催のフットボール7で一躍脚光を浴びたヤゴ、アンデレス・イニエスタもまたそのような少年だった。1996年のフットボール7の大会でバルサスカウトのオリオル・トルトとマルティネス・ビジャセカの目にとまった“光り輝く少年”、それがイニエスタだ。それ以来バルサファミリーの一員となって将来を期待されてきたイニエスタが今日のレクレ戦でカンプノウデビューとなる。

12歳で両親のもとを離れマシア入りしたイニエスタ少年にとって、ここまでの道のりは決して穏やかなものではなかったはずだ。マシア入りした多くの少年たちがそうであるように、例外なく襲ってくる“故郷に対する想い”がイニエスタにもあっただろう。わずか12歳で住み慣れた故郷を離れなければならなかった少年たちが唯一の心の支えとしてきたもの、それはいつか果たすことができるかも知れない一部デビューの夢だ。それも憧れのカンプノウでのデビュー、多くのバルセロニスタを前にしてのカンプノウデビューだ。これまで誰にも訪れてくる負傷や一時的なスランプに落ち込むこともあったイニエスタだが、彼の夢が実現する日がやって来た。マシア入りを経験してきた多くの少年にとって、何百人、あるいは何千人に一人の確率で実現する夢だ。


●エスポーツ紙●
●ムンド・デポルティボ紙●