1月7

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ボナノの助言

リケルメとサビオラが置かれている状況に無関心ではいられないボナノ。それはかつて同じアルゼンチンリーグでプレーした同僚であるということもさることながら、彼もまたバルサで彼らと同じような状況に置かれていたからだ。ベンチ待機、ひたすらベンチでの待機、これまであまり体験したことのない状況に置かれている二人に励ましの言葉をおくるボナノ。

“スペインフットボールに慣れることが大事”、これが昨シーズンのサビオラに言われた言葉だった。レシャックは地元カンプノウではスタメン起用しながらもアウエーの試合ではベンチスタートとすることが多かった。だが彼はそれでも1年目に多くの試合に出場し、スペインのフットボールスタイルに慣れてきたように思えた。今シーズン8試合続けてスタメン出場を果たしたことがそれを証明しているようだった。だが突然のように彼はベンチに置かれるようになる。オーベルマルスというバンガールにとっては絶対の選手の復帰と共に、サビオラはベンチに追いやられることになる。

リケルメにとってはスペインリーグ1年目となるシーズン。彼もまた昨シーズンのサビオラにかけられた同じ言葉が用意されていた。“スペインフットボールに慣れることが大事”、そう、彼もまたこの試練を通過しなければならない。だが彼にとってさらに厳しいのは“バンガールフットボールに慣れることが大事”ということが付け加えられるからだ。レシャックがバルセロニスタの要求に応える“柔軟さ”というか“ポリシーのなさ”というか、とにかく彼はバルセロニスタの要求に応え、サビオラを少なくても地元では起用してきた。そしてその期待に見事に応えたサビオラだった。だがバンガールはバルセロニスタの声など聞く耳は持っていない。良い意味でも悪い意味でもバンガールはバンガールの道を行く。

リーベルで過ごした最後のシーズンはベンチに座っていることが多かったボナノ。彼もまた今シーズンのはじめはリケルメやサビオラと同じような状況を与えられていた。いや彼らよりさらにひどい状況に置かれていたといっていいだろう。なぜなら試合に召集さえされないことが多かったボナノなのだから。最近はスタメン出場となっているボナノは、ベンチを見るたびに今でも愕然とするという。リケルメ、サビオラという将来のアルゼンチンを背負っていく二人の若者がベンチに座っているのを見るたびに愕然とすると言う。なぜならアルゼンチンでは考えられないことだからだ。

彼らの置かれている状況を誰よりも理解しようと務め、そして彼らを励ましたいと考えるボナノ。
「これまでスタメン出場が当然という感じでプロ生活を送ってきた彼らが今のような状況に置かれているのは辛いことだと思う。だがこの世界の先輩として、そして何よりも同じような状況を経験してきた選手として、彼らに今は“挑戦の時期”というように考えて欲しいと思う。監督との個人的な問題などいっさい考えず、ひたすら練習に励み決して自分の可能性を疑ってはいけない。アルゼンチンでの栄光はいっさい忘れて初心に帰って始めなければならない。ヨーロッパフットボールはアルゼンチンのそれとは何の関係もないというところからスタートしなければならない。」

いずれにしても彼らの状況が急変する可能性は今のところ見られないだろう。バンガールは過去の選手の過ちを「許すことはできても忘れることはできない」とはっきりと明言している監督だ。サビオラはともかくリケルメの試合出場は厳しい状況が続くことが考えられる。かつてリバルドと問題を起こし、ロナルドを必要ないと言いきったバンガール。多くのバルセロニスタに期待をかけられているリケルメのベンチ生活は当分続くことになるだろう。


ジェラール・セントラル

1996−97シーズン、バルサBの監督フアンデ・ラモス(元エスパニョール監督)はジェラールをセントラルに起用した。それまで“4番”の選手としてグアルディオラの再来として期待されていたジェラールは新たなポジションでも期待に応え活躍、このシーズン10ゴールを獲得しバルサBの得点王にもなっている。

ジェラール個人としては中盤の選手として自らを規定しているようだ。だがこれまで彼が在籍したいくつかのクラブでそれぞれの監督の指揮のもとに多くのポジションをこなしてきている。フアンデ・ラモスだけではなく、その翌年バレンシア、アラベスでも何回かセントラルのポジションをこなしてきたジェラール。したがって先日のレクレアティーボの試合でのポジションも決して初めての経験ではなかった。
「レクレ戦での仕事には非常に満足している。結果的にうまくいく日もあるし、思うように試合運びができない日もある。でもそんなことより、監督の要請通りにプレーができたかどうかか評価される問題だと思う。その意味であの試合はほぼパーフェクトにことが運んだ気がする。」

多くの人々にとっては驚きのポジションであったかも知れない。だがセントラルのポジションは彼にとって初めての経験ではない。バルサBでもバルダーノ時代のバレンシアでも何回か経験し、今シーズンの始まる前のプレステージでもすでに経験済みだ。
「バルサの公式試合としては初めてのポジション。でもシーズン前から監督からはあのポジションでの起用があると言われていた。だからベンチに座っているときもデ・ボエルやクリスタンバールなどの動きをよく研究していたんだ。それが役にたったかどうかは別として、心の準備はいつもできていた。」

新しいポジションでの可能性が期待されるジェラールだが、彼はポジションなんかどこでもいいと言いきる。重要なのは試合に出場できてチームの役に立つ活躍をすること。それだけだ。
「レクレの試合で出場できたのは同僚の望まない負傷というアクシデントがあったから。でも次のマラガ戦もデ・ボエルがカード制裁で出場できないことから自分のセントラルということもあるかも知れない。個人的にはどこのポジションであれ継続性が与えられれば嬉しい。そのことによって自信が沸いてくるだろうからね。とにかくチームが必要とするポジションで一生懸命プレーするだけさ。」


イニエスタ、18歳の青春

チャンピオンズのブルッハス戦でバルサ一部チームデビューを果たしたイニエスタ。リーグでは年末のマジョルカ戦でデビュー、そしてカンプノウデビューはレクレアティーボ戦で果たした。子供の頃からの夢が確実に実現していくイニエスタ、彼はいま18歳。

カンプノウでデビューする直前はどんな感じでしたか?

ブルッハス戦にデビューしたときと同じような感じだった。チョット神経質になっていながら、1分でも早く試合が始まらないかという期待感。そしていざ審判の笛が吹かれたらいつも通りの気分になっていた。普通の試合、そう、そんな感じ。

でもカンプノウではあなたの登場を期待するバルセロニスタの前でのプレーとなったでしょ?

そう、どでかいカンプノウでのプレー。そして多くのバルセロニスタの前でのプレー。夢にまで見たカンプノウでのプレー。イムノがなってグランドに走って行ったときには何か、そう、何か説明できないような感情だった。

バンガールは試合前に何か言いましたか?

ブルッハス戦とマジョルカ戦と同じこと。『試合を楽しんでこい!』そういう内容だった。そしてその通り楽しむようにプレーできた。

同僚の選手たちはどうでしたか?

すべての選手が励ましてくれた。彼らにしてもデビューという経験は誰しもがもっているものだから、あの日のボクの精神状態を理解してくれたんだろうと思う。非常に感謝している。

リケルメをベンチに追いやったという意識はあったかな?

まさか、そんなものあるわけがない。グランドに出る選手は監督が決めることで一人の個人の選手が決めることではない。リケルメは偉大な選手だから出場チャンスはこれからも必ずあると思う。

お父さんと妹さんが来てましたね。

非常に満足してくれたみたいだ。普通の家族が子供の成長を喜ぶという意味でね。あの日は自分にとって重要な1日になったと思う。

前半にくらべて後半が良くなかったような印象がありましたが。やはり二部と一部では色々な意味で違いがあるのでしょうか?

確かに後半より前半の方がよかったと自分でも思っている。でもそういうことは二部でも一部でもあることだと思う。フットボール自体がそういうもんなんだから。そのこととは別として、確かに二部と一部の違いは大きいと感じた。ボールの早さ、リズムの早さ、どれをとっても二部とは比べものにならない。でもどちらでプレーするにしても自分が100%の状態であることが大事だと思う。そうでなければ二部でも一部でも同じように良いプレーができない。

どのポジションがやりやすい?

ピボッテかメディアプンタ。でも重要なことはどこのポジションでも試合にでられること。そして与えられたポジションで可能な限り監督の要請に応えられること。

やはりペップやチャビのことを意識しますか?

同じポジションということもあるからやはり意識はしていた。特にペップには大きな影響を受けたし、チャビも好きな選手。そしてなんといってもラウドゥルップを尊敬している。