1月10日

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俺はパトリック・クルイベル

世の中に得てしてあること、それは失ってから初めて失った物の重大さに気がつくこと。そう、大きな価値があるにも関わらず、それに気がつかずに失って初めてその価値を知らされることがよくある。もしクルービーがマドリの選手であったなら、スペイン全国放送のニュースを通じて毎試合毎試合彼の華麗なプレーが世界中に流れることになっているだろう。ジダーンの何ということのないゴールでさえ、クルービーのスペクタクルなゴールを無視して一番に取り上げられている国なのだから。パトリック・クルイベルはバルサの選手として205試合に出場し、何と103ゴールも決めている選手だということを誰も気がつかない。いまだに“9番”を探し続けていると言われるあのバンガールでさえ気がついていないのかも知れない。

“9番”を探し続けているという噂は不愉快かな?

ぜ〜んぜん。俺はパトリック・クルイベルだからね。俺はどこのクラブでプレーし、そして俺は誰だか自分で認識しているつもりだ。人々が考えているより、そんな噂を気にしている俺じゃない。新聞やテレビやラジオを通じて確かにその手の話しは俺のところにも入ってくるけれど、そんなことをイチイチ気にしててはこの世界では生きていけない。もし監督やクラブが“9番”を必要と考えているなら誰かを連れてくればいいだけの話しさ。高い金を払わなければならないだろうけれどね。そんなことは俺の問題じゃない。いずれにしても、まあ誰が来ようが俺にとっては同じ。だって俺がスタメンででることになるんだろうから。

それにしても、あなたのことを正当に評価していないと思いませんか?

そんなことは考えたこともない。なぜならこれまでの自分が積み上げてきた実績を誰よりもよく知っている人物は俺だからさ。そう、人々が言うように確かに俺はゴールを外すことも多い。そんなことは俺が一番よく知っているさ。それでも多くのゴールを決めてきている。スペインリーグいう、非常に難しいリーグで俺は多くのゴールを決めてきている。それを俺はじゅうぶん自分に対して評価しているのさ。

ゴールを奪ったことより、外したことの方がニュースになりますね、あなたの場合。

うん、でもそれは俺だけじゃないと思うよ。すべてのゴールプレイヤーがそういう宿命を背負っているんだと思う。でも個人的に言わせてもらえば、そんなことは俺のプレーを評価する人物たちに任せておけばいいことさ。つまり監督だとかクラブ首脳陣の連中にね。もし彼らが俺の仕事に満足していないなら俺にそのことを言えばいい。でも繰り返すことになるが、俺は俺の仕事に満足している。決してスペインリーグで100ゴールを決めるのは簡単なことじゃない。ゴールを失敗するのも成功するのもそれはゴールプレイヤーの宿命。俺は自分の良いところを知っているし、また悪いところも知っている。そしてその両方がパトリック・クルイベルなんだ。そして俺はそのパトリック・クルイベルを誇りに思っている。

マドリのラウルはあなたを非常に高く評価している一人のようです。いつだったか、あなたと一緒にプレーしたいと語っていたことがありますからね。

内側から評価されることと外側から評価されることは、時として違うことがあるよね。ラウルみたいな選手に高く評価されることは非常に嬉しいことではあるけれど、まあそんなことはどうでもいい。俺は自分を正当に評価しているし、それが間違っているとも思ってはいない。でも満足しているからといって、更なる進歩を望んでいないということでは決してない。毎試合でハットトリックを決められたらいいと思うし、毎日の練習でも誰よりも多くのゴールを決められたらいいと思って努力している。自分に満足することと、それで満足しちゃうことの違いぐらい俺でもわかるからね。

“9番”を探しているバンガールに何か言うことがありあますか?

俺の練習態度を見て、そして俺をスタメンに選びさえすれば俺は何にも言うことはない。その事実だけでじゅうぶんさ。

でも彼はクラブ首脳陣に“9番”の獲得を要請している人物ですよ。

俺が自分のことを知っているのと同じぐらいにバルサのこともよく知っているつもりだ。今のバルサの選手のレベルは非常に高いものがあると思っている。俺だけじゃなくて他にもゴールを決められる選手がいるとも思っている。確かにこれまで“ゴール運”に欠けていることは事実さ。でもそんな状況なんていつの間にかガラッと変わるんだ。だからそんなことより今の俺にとって大事なことは次の試合でゴールを決めること。そして勝利すること、それだけだ。


●もう一人のパトリック、今度こそ!
ひたすら長く、とてつもなく暗いトンネルの中でのたった一人でおこなうリハビリ。その苦しみは経験したもののみが知ることになる。パトリック・アンデルソンはバルサに入団にしてから何回となくそのトンネルを経験してきた選手だ。そして今、そのトンネルの先にやっと明るい光りを見つけたアンデルソン。来週のはじめからトレーナーのパコ・セイルーロと組んで走り込みの練習を始めることになる。
あと2週間たてば久しぶりに同僚たちと一緒に練習することが可能となるアンデルソン。あとはリズムを取り戻すための努力を毎日の練習を通じておこなっていくだけだ。長い、暗いトンネルを走り続けてきた彼にはそれはまさに天国みたいなもの。体力の増強を図り、そして失ったリズム感を取り戻す、それはグランドの中で生きるプロの選手にとって辛いことでも何でもない。ようやく“明日”が見えてきたアンデルソン、彼の復帰は誰もが予想したものより早くなりそうだ。

●ハッセルバイン、1200万ユーロ
1200万ユーロ、これがチェルシーが付けたハッセルバインのお値段。これを安いと見るか、あるいは高いと見るか、それは見る人の考え次第だろう。彼をどうしても必要な選手と考えるバンガールにとっては安いとうつるかもしれないし、ハッセルバインの30歳という年齢を考えればクラブ首脳陣には非常に高いと思えるかも知れない。
いずれにしてもバルサ首脳陣は急ぐことはない。冬のマーケットは1月31日まで開かれている。この期間を有効に使えばさらに値段は下がるだろうと読んでいるクラブ首脳陣だ。彼以外にも何人かの獲得候補選手リストを持つバルサにとって、今すぐのハッセルバイン獲得はあり得ないだろう。とりあえず彼の値段はチェルシーが示してきた。あとは多くの資料を基に検討を繰り返すことになる。もちろんこれからの重要な3試合、つまりマラガ、バレンシア、そしてセルタとの試合がどのような結果を生み出すかということが最大のキーポイントとなる。

●ココの将来は?
今月の8日に26歳の誕生日をむかえたフランシスコ・ココ。マイアミで10日間のバカンスを楽しみ、ミランに戻って来たココは毎日の練習に明け暮れている最中だ。イタリアにいながらも決してバルサの現状に無関心ではいられないというココだが、この冬のマーケットでバルサに戻ることは否定している。まだイタリアに戻って4か月しか経過していない彼にとって、そしてインテルの中で重要な選手となっている彼にとって、この時期にイタリアを離れることは当然ながら考えられないことだ。それでも、そう、それでもシーズン終了後にインテルを離れることになるなら、それはバルサに行くときだと言う。
「バルセロニスタには今でも感謝している。バルセロナに着いた初日から暖かい歓迎を受けたことは決して忘れないだろう。わずか1年だけのバルサ選手という経験だったけれど、多くのことを学ぶことができた。マドリとの異常なまでのライバル意識や、バルサというクラブがカタルーニャでどれほどの重要さを持っているかということなんかをね。バルサのイムノも大好きさ。いずれにしてもバルサに1年いただけで、もし将来スペインリーグでプレーすることになったとしたら、マドリには絶対入団できないと思う。戻るとすればバルサ以外には考えられない。そしてそれが実現すれば楽しいことでもあるさ。もしバルサから誘いがあれば、イギリスのどんなクラブから誘いがあろうと、フランスのどんなクラブから誘いがあろうと、イタリアのどんなクラブから誘いがあろうと、間違いなくバルサを選ぶね。そう、それとナバーロにあったらヨロシク言っておいてくれ。彼にとって非常に辛い時期だろうけれど、頑張るんだ、そう俺が言っていたと伝えてくれ。彼は良いヤツなんだ。」