1月26日

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日

LIGA 第19
1月26日 20:30
BALAIDOS
CELTA
vs
FC BARCELONA

 

●召集選手(スタメン予想選手
ボナノ、レイジゲル、デ・ボエル、プジョー、コクー、チャビ、メンディエタ、イニエスタ、サビオラ、オーベルマルス、クルイベル、エンケ、クリスタンバール、ロッケンバック、リケルメ、ダニ、ダビ・サンチェス

●負傷中
ガブリ、アンデルソン、ルイス・エンリケ、ナバーロ、トルトレーロ、ジェラール

●カード制裁
モッタ


今日はどのバンガールシステム?

多くのバルセロニスタにとって、そして多くのメディアにとって、バルサの試合結果そのものよりもその結果から生まれる“異変”に興味を抱くようになっている今シーズン。マジョルカ戦と同じように、今日のセルタ戦も同じような興味対象の試合となった。勝利、敗北、引き分けという3つの結果しかないフットボールの試合で、果たして今日はどのような結果がでて、明日には何が起きるのだろうか。そして今日のバンガールシステムは、システムAか、システムBか、システムCか、あるいはシステムDとなるのか。

3−4−2−1、3−4−1−2、4−2−3−1、4−4−2、4−3−2−1、頭の中で数字がくるくると踊ってしまいそうなこれまでのバンガールシステムを表す数字の列。今週は多くのカタルーニャメディアが新たなシステムとして3−4−3システムの可能性をうたってきた。だが現実的なものとしてはバレンシア戦と同じような4−4−2という選手配列に攻撃的な内容を加えたシステムとなりそうだ。

バレンシア戦での敗北により首まで水に浸かっている状態となったバンガール。それでもシステムそのものはバレンシア戦と同じもの、つまり4−4−2というスタイルで戦おうとしている。違いはバレンシア戦よりはさらに攻撃に比重を置いたスタメン選手の採用でセルタ戦を戦おうとしていることだ。そしてマジョルカ戦前の状況と同じようにこの試合が最後の試合となるかも知れないバンガールは、彼の最も信頼する選手のみを起用して勝負に挑むことになる。彼の最も信頼する選手、それは5人のオランダ人選手(デ・ボエル、レイジゲル、コクー、オーベルマルス、クルイベル)と3人のカンテラ育ち選手(プジョー、チャビ、イニエスタ)たちだ。これに今シーズンバンガールの要請で獲得したメンディエタと2人のアルゼンチン人選手(ボナノ、サビオラ)が加わり11人のメンバーが完成する。

■4−4−2、そして3−4−2−1
これまでバンガールが、4−4−2というスタイルを採用した試合では決して良い成績を残しているわけではない。レクレアティーボ戦での勝利、そしてラージョ戦とバレンシア戦での敗北という結果となっている。だがこの3試合の内容はそれぞれ中盤のスタイルが微妙に違ってきてもいる。まずラージョ戦では3人のセントロカンピスタ(コクー、チャビ、ロッケンバック)を置き、その前にリケルメを配置、レクレアティーボ戦ではチャビを“4番”としてロンボの形で右にロッケンバック、左にモッタ、そして“6番”としてイニエスタを配置している。またバレンシア戦では2人の守備的なセントロカンピスタとしてロッケンバックとチャビを、攻撃的なものとしてモッタとイニエスタを起用している。そして今日の試合では二人のピボッテとしてチャビとイニエスタ、その両脇にメンディエタとオーベルマルスが置かれることが予想される。

そして試合中に見られるだろうもう一つのシステム、それが3−4−2−1というスタイルだ。攻撃的なこのシステムはバンガールがシーズン開始当初に採用していたもの。だが期待通りの結果がでなかったことと、このシステムで重要な役割を担っていたルイス・エンリケが負傷したことにより、他の戦法へと気持ちが移っていくバンガールだった。3−4−1−2、4−2−3−1、あるいは4−3−2−1という多種多様なシステムを展開してきた。だが今日のセルタ戦には再びこのシーズン開始当初のシステムが復活することが予想される。

■リケルメはベンチ
今週おこなわれた練習の中で、バンガールの目立った行動は各選手との個人的は話し合いだ。毎日の練習前に必ず誰かをピックアップしてその選手との個人的な会話時間を持っている。もちろんリケルメも例外ではなかった。
「今日の試合に出場する選手、出場しない選手、つまり可能な限りの選手と話し合いを持っただけで特別な意味はない。ただ、どんなポジションが一番楽にプレーできるか、それを個人的に聞いてみただけ。」
そう語るバンガール。

「選手が監督を信頼するように、監督も選手を信頼しなければならない。」
そう語るリケルメだが、バンガールの彼に対する信頼感は限りなくゼロに近いと言っていい。それは昨日の彼の記者会見での発言を聞けば一目瞭然となる。
「シーズン開始当初、我々は比較的良い結果を残すことができた。それは私バンガールが適用したシステムがうまく機能したからだと信じている。だがルイス・エンリケの負傷を起点に、我々は徐々に下降線をたどっていくことになる。彼の代わりに起用したリケルメが期待通りの活躍をしてくれなかったことが大きい。そしてその後、我々コーチングスタッフは彼の代わりにイニエスタを同じポジションに起用した。それ以来、我々は1敗しかしていない。」

1敗しかしていないと言うものの、勝利した試合は9人相手のマジョルカ戦であり、最下位をひた走るレクレアティーボ戦だけであることには触れないバンガール。いずれにしてもこの発言を待つまでもなく、バンガールはリケルメをまったくと言っていいほど評価していない。リケルメの獲得に消極的だったことは今では誰もが知っていることでもある。リバルド放出という条件のもとにリケルメの入団を許可したバンガールにとって、リケルメへの期待が大きかったわけではない。そして彼らの関係をさらに悪化したのがマジョルカ戦前の出来事だった。練習中に負傷したと言ってマジョルカ戦を欠場したリケルメをバンガールは今でも許していない。大事な試合ということで、同じく負傷したいたプジョーはマジョルカに同行したにも関わらず、リケルメはバルセロナに居残りした。
「許すことはできる。だが私はそのことを忘れることはできない。」
これがバンガールの口癖でもある。

■もちろん“普通”の試合ではない
バンガールがビーゴに到着してからおこなった記者会見では、普段のように冷静さを装って次のように語っている。
「このセルタ戦はこれまでと同じように、我々が戦ってきた大事な一つの試合に過ぎない。」
だが残念ながら、そうは問屋がおろさない。首位との差が17ポイントから20ポイントになること、来シーズンのチャンピオンズ参加圏内まで二桁のポイント差が生じること、そして下を見ればカテゴリー降格圏内までわずか2ポイント差と接近するバルサなのだ。

この試合の結果を予想するキニエラが難しければ、試合後のバルサ内部に起きるであろう出来事を予想するキニエラも果てしなく難しい。もちろん“普通”の試合でないことだけは確かだ。その証拠にこれまで一度たりともアウエーの試合に同行したことのないガスパーが今日ビーゴに向かおうとしている。90分間、彼にとっては地獄のようなビジタークラブ会長席に座り、目は試合を追いかけながらも頭の中では明日しなければならないことへの模索作業にかかる。決断という、ガスパーにとって最も苦手な作業が果たして現実化するかどうか。この試合もまた、試合結果の興味と共に明日のバルサの動きにも興味がはしる試合となった。