2月5

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ほっと一息アンティック

監督就任3日目にしての親善試合とはいえ“違い”を見せることを要求されたアンティックバルサ。幸いにも最終戦よりは遙かに良いできでの試合となった。冬のマーケットで唯一の獲得選手となったソリンが、バルサでの初試合とは思えないほどの活躍を見せたこと、そして二部チームであるカディスとの戦いとはいえ勝利したこと、この二つがカディス遠征のご褒美となる。

親善試合とはいえアンティックにとってテストマッチではない。本番を想定したメンバーでの真剣試合となった昨日のカディス戦。したがって若手を試すという意味合いはまったくなく、11人の選ばれた選手たちによるチーム作りを基本にメンバーが構成された。それはもちろん日曜日のビルバオ戦を想定してのものだ。そして同時に前半後半を通じていくつかのテストもおこなったアンティックバルサ。総勢19人という出場選手の数がそれを示している。

アンティックが意図しようとしていることは明らかだ。システム自体はバンガールのそれと大して変化を見せなかった昨日の試合。とりあえず急激な変化を与えて選手たちに戸惑いを与えないためだろう。だが確実に違いを見せようとしていること、それはラテラル選手の攻撃への参加であり、左右のサイドを使った奥行きのある攻撃をおこなおうとしていることだろう。そして忘れてならないのが中盤でのプレッシャー。このプレッシャーから生まれるボールの奪取によりラテラル選手や左右のエストレーモの位置に入る選手たちによるサイド攻撃を試みようとしたことが目立った違いとなっている。もちろん相手は二部のカディスというチームだということもあるが、アンティックの意図は読みとることができた試合となった。

■ディフェンス
アンデルソンの復帰が実現しそうなものの彼は長い間にわたってリハビリ生活を送ってきた選手。したがって早急なデビューは望めそうもない。昨日の試合ではプジョーとデ・ボエルがセントラルとして配置された。そして右ラテラルにレイジゲル、左ラテラルにソリン。多分、このスタイルの4人ディフェンスが当分続くことになりそうだ。後半に入って試されたもう一つの4人ディフェンス、それは右ラテラルにロッケンバック、左にレイジゲル、そしてアンデルソンとオレゲールがセントラルとして入った。

■セントロカンピスタ
アンティックは前半と後半で選手を変えるだけではなく、システム自体も変えての試みをしている。前半はチャビとコクーの二人ピボッテを試している。だが後半に入り彼の好きな一人ピボッテとしてコクーを配置している。ピボッテの前にいるセントロカンピスタの人数はいずれにしても変わらない。3人のメディアプンタ。変わるのはデランテロが一人か二人になるかということだ。前半のメディアプンタとして、左にメンディエタ、右にロッケンバック、そして真ん中にリケルメ、そして後半は右にオーベルマルス、左にモッタ、そして真ん中にはイニエスタが起用されている。

■デランテロ
二人ピボッテというシステムを採用した前半は一人のプンタとしてクルイベルが相手ゴール前に控える。そして後半の一人ピボッテの状況では二人のプンタ、それにはサビオラとダニが選出された。いずれのシステムにおいてもプンタとセントロカンピスタとの連係を前監督以上に狙うアンティックの意図が見て取とれる90分の試合。


アンティックを信頼

20節が終了した段階でのバルサの順位を見ると、誰もが信じられない位置にいることがわかる。これまでAt.マドリやバレンシアなどが二部降格してきたのを見てきたバルセロニスタ。彼らにもその不安があるかどうかと聞かれれば、それは、このような順位表を飾っているバルサでありながら答えはノーだ。新監督となったアンティックをはじめ、バルサ選手たちを未だに信頼している多くのバルセロニスタの反応がうかがえる。

バルサソシオ、バルサシンパ、つまりバルセロニスタと呼ばれる人々はバルサの反撃を信じている。これまでの監督であったバンガールのもと、悲惨と言えるまでの惨めな結果を出してきているバルサでありながら、新監督として就任したアンティック、そしてなによりも現在のバルサが抱える選手たちを未だに信頼するバルセロニスタ。落ちるところまで落ちたバルサに残されたものは、これからの反撃のみだと信じる多くのバルセロニスタだ。

エスポーツ紙がおこなったアンケートがある。質問とそれに対する回答は次のようなものだ。
■アンティックはバルサの危機を救える思うか?
思う・・・・77%
思わない・・23%

■チャンピオンズ優勝が可能だと思うか?
思う・・・・64%
思わない・・36%

■チャンピオンズに優勝したらアンティックは来シーズンの続けるべきだと思うか?
思う・・・・91%
思わない・・ 9%

多くのバルセロニスタにとって、アンティックの監督就任がバルサに新鮮な空気を注ぎ込むものとなる期待感があるようだ。だがいかに楽観的なバルセロニスタであろうと、リーグ優勝が可能と考える人はいない。リーグでの狙いはあくまでも4位圏内に入ること、そして唯一の希望となっているのがチャンピオンズでの戦いだ。これまで3年間にわたって一つのタイトルも獲得することなしにシーズンを終了しているバルサ。そしてバルセロニスタにとってチャンピオンズの戦いは唯一の希望となっている。だがいずれにしてもチームが今の状況を突破し、上昇気流に乗っていかない限りそれは可能とはならない。アンティックバルサがスタートする日曜日のビルバオ戦でどのような選手のリアクションが見られるか、まずそれにかかっている。