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2月10日
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変わらないもの、それは・・・
先週1週間の間に大きな変化があったバルサ。昨日、カンプノウの会長席に座っていたガスパーは3月1日までの期限付き会長となっていたし、ベンチにはバンガールの顔はない。わずか5日間の練習をもって明らかにチームのイメージを変えたアンティック、だが“運”までは変えることができなかった。 バンガールバルサとは明らかに違う顔を持ったアンティックバルサであった。これまでボールタッチが何よりも重要な問題とされてきた戦い方から、相手のゴールに向かって一直線に攻撃を展開するダイレクトフットボールへの変化。ソリンというラテラル選手一人だけの変化という、これまでとほぼ同じメンバーでの戦いでありながらバルサは確かに変化を見せた。だが昨日の、少なくても昨日のアンティックバルサは残念ながら二つの顔を持つチームだった。これまでになく希望を持たせる前半のバルサ、そして失望を感じさせる後半のバルサ。 希望にあふれた前半のバルサ、それはこれまでの難解な“発明”を捨て、自然な形で選手をグランドの中に配置することから始まった。ディフェンスはごく普通の4人ディフェンス。プジョーとデ・ボエルがしっかりと真ん中を守り、左右のラテラルどちらかが機を見て攻撃に参加していく。チャビとコクーの二人ピボッテは横一直線に並ぶことを避け、一人がディフェンス面を担当、もう一人が攻撃的にプレーを展開していく。右にオーベルマルス、左にメンディエタと配置されたインテリオールの選手たちは攻撃時にはエストレーモとなりセンターリングのチャンスを探る。そして相手ゴールにより近くクルイベルとサビオラが、この二人は決して横一線に並ぶことなくそれぞれがお互いを助けるポジショニングとなる。最初の1点は右のオーベルマルスからのセンターリングをサビオラが決め、2点目はオーベルマルス自らがゴラッソを決めた。 前半のバルサが光り輝いたものであったかと言えばそれは少し大げさな表現となるだろう。それでもこれまでのバルサの試合内容に比べれば明らかに希望が持てるものだった。各選手がそれぞれ目的を持ち、それぞれのポジションに配置され、ボールを持った瞬間に左右のサイドに開き、そしてダイレクトに、ひたすらダイレクトに攻撃がおこなわれていく。 アンティックが監督に就任した際に、現在のバルサが抱えている一つの大きな問題を提示したことを覚えているだろうか。これまでテレビ観戦ながらすべてのバルサの試合を見てきたアンティックにとって理解できないこと、それは後半に入ってからの選手の動きの悪さだった。 バンガールバルサに“幸運”がやって来なかったように、昨日のアンティックバルサにも“幸運”は訪れなかった。後半開始2分、マドリッド出身の審判はペナルティーエリア外のファールをペナルティーとして笛を吹いた。メヒア・ダビラ審判、これまで何回もバルサの試合に笛を吹いて問題となっていた審判の一人だ。そして今回も彼は決してバルサ有利の笛を吹くことなく90分の試合を終了している。だがビルバオがあげた同点ゴールは彼のせいではない。ペナルティーエリア内でまるでビリヤードのボールのように何回も“壁”に当たったボールが最終的にビルバオ選手の足下にたどり着き、運のない失点を許すことになる。 自信を失った選手たち、勝利者ではなく敗北者の精神を抱えてしまっている選手たち、頭脳を働かせるというよりは心だけでプレーし続ける選手たち、そういう彼らにとって同点にされてからの反撃を望むのは難しいことだ。メンディエタに代わってリケルメが登場しても状況に大きな変化は訪れない。オーベルマルスは右サイドから意味不明にも姿を消してしまっている。サイド攻撃が不可能となったバルサは中央攻撃を試みるが、ビルバオの厚いディフェンスの前にボールは通らない。アンティックバルサのスタートは、こうして二つの明らかに違う顔を見せ、そして“運”にも見放されて2ポイントを失う結果となった。 ■アンティックの総括 ■ソリンのデビュー |
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