2月14日

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日

気がつけばダービー戦

時はアッという間に過ぎていく。ガスパーの会長職即時辞任に始まり、臨時会長としてエンリック・レイナが会長席につき、そして新会長選挙をいつにするかでいまだに揺れているバルサファミリー。アンティックバルサには代表戦出場で練習に参加できない選手が9人もいる今週だった。だが、気がつけば明日はダービー戦が待っている。間違っても“準備万端”とは言えないバルサだが、言い訳などしている状況ではないことも確か。これまでになく緊張した雰囲気の中でむかえるダービー戦。お互いに“二部降格ライン拒否”をかけての壮絶なダービー戦だ。さみしいっ!

この果てしもなく寂しくも、お互いのチームにとってこれまでの試合とは比べものにならないほど重要な試合となっている明日のダービー戦。地元モンジュイクで戦うエスパニョールはもし負けることがあれば二部降格ライン残留となるし、もしバルサが負けることがあるようなら彼らがエスパニョールの代わりとなってそのラインに参加することになる可能性を残している。そしてこの寂しい大事な試合を前にして、アンティックバルサは試合まで48時間というところですべての選手が揃っての初の練習が可能となった。

昨日が初の合同練習となったものの、多くの選手が前日の代表試合に出場しているため疲れをとるだけの軽いランニングを中心に練習がおこなわれた。したがって明日の試合を前にして今日だけが本格的な練習日となる。だが今日のバルセロナは朝から雨が降り続く天気。強い雨が時々落ちてくる状態だけに満足できる練習は不可能だ。今日の練習プログラムは午前の部と午後のそれに分かれている。午前中は各選手に対するマッサージのみ、そして午後に再び集まって最初にして最後の練習がおこなわれる。はっきり言って明日の試合に関するバルサニュースはほとんどないと言っていいだろう。

一方、エスパニョールは今週1週間をかけてじゅうぶんにダービー戦に備えての練習をおこなっている。代表には誰も呼ばれていないエスパニョールだ、普段通りの練習が可能となった毎日。そしてその毎日の練習に汗を流した選手の中にかつてバルサに在籍した6人の選手がいる。

■トニ・ベラマサン(1シーズン・1995−96)
1995年、バルサBから一部にいきなりあがってきて15試合をプレー、4ゴールを決めている。当時まだ18歳になったばかりのベラマサンだがクライフが思い切って上に上げた選手の一人。1999−00シーズンからエスパニョールの選手となっている。

■デ・ラ・ペーニャ(4シーズン・1995−98、2000−01)
19歳でバルサBから一部に上がり通算4シーズン、120試合に出場して15ゴールを決めている。スペクタクルなデビューを飾りながらもプレッシャーにつぶされてしまった典型的な選手の一人だ。エスパニョールの選手としてバルサとのダービー戦は初めての経験となる。

■オスカー(6シーズン・1992−94、1995−99)
彼もまたクライフの手により19歳で一部デビューを果たしている。6シーズンを通して97試合に出場、27ゴールを記録した。カンテラ上がりからは久しぶりのゴールを決める選手とされながらも、ロブソン、バンガール時代に冷や飯を食わされることになった。2000−01シーズンからエスパニョールに入団。

■ルジェール(5シーズン・1994−99)
クライフが最も信頼したカンテラ上がりの二人の選手、それはセラーデスとこのルジェールだった。18歳でデビューした彼はバルサで108試合に出場、黄金の左足とクライフが呼んだその左足から11ゴールを決めている。彼は兄のオスカーよりも1年早く、1999−00シーズンにエスパニョールに入団している。どうでもいいことだが、チキートHPのカピタンが一番好きな選手。

■チャビ・ロカ(1シーズン・1995−96)
当時二部AカテゴリーにいたバルサBのカピタンを長い間務めたが、ついにクライフ時代には一部デビューを果たすことなく終わっている。だがレシャックが臨時監督をつとめたときにデビューを果たしている。22歳で一部デビューを果たし、そしてそれが最初で最後の試合となった。エスパニョールの選手としては今年が最初の年となる。

■トニー
バルサの少年部に在籍しながらもついにバルサBに上がることができず、フィゲーラス、ラージョなどのチームを転々とした彼は、バルセロナオリンピックではカニサーレスを控えにし正キーパーとして活躍した。1993−94シーズンに当時二部にいたエスパニョールに入団、そして今年再び戻ってきた。


●ガッツ、復帰間近
今のところルイス・エンリケの“管理人”は監督のアンティックではなくバルサ医師のドクター・プルーナだ。ここのところ毎日の練習に参加しているルイス・エンリケだが肝心のドクター許可はまだおりていない。だが我らがドクター・プルーナの話は明るいものだ。ついに長いトンネルから脱出する日が近づいてきたガッツ。
「彼はすでに80%の力で練習に参加することができるようになっている。残るは20%、だがそれも近いうちにやって来るだろう。長い負傷生活をしていると、どうしても100%の力を出すのに恐怖が生まれてしまう。だが彼の場合は問題ないだろうと思う。具体的な復帰の日を決めるのは私の役目ではない。私の役目は医学的な意味での“完治”かどうかを決めるだけ。そして私が彼に出す許可は、実を言うと、もういつ出してもおかしくはない状況なんだ。」
一方、アンデルソンの関してはすでにドクター許可を出したというドクター・プルーナ。だが彼もまた長い負傷からの復帰となるだけに、監督と選手が慎重に話し合い、プレー時間を決めていかなければならないという。

●モンジュイク、2番目の入りを期待
明日のバルサ戦に多くのファンが集まってくることを期待しているエスパニョール首脳陣。だが先日のマドリ戦には及ばないことは明らかだ。エスパニョール・マドリ戦には今シーズン最高の5万1千人によってモンジュイクスタディアムが埋め尽くされていた。だがそのうち2万人はマドリファン。カタルーニャに住む多くのマドリディスタが第二のベルナベウスタディアムと呼ぶモンジュイクに集まって来る日だった。だが明日の試合にバルセロニスタはほとんど足を向けないだろう。毎年の例を見るならばよくて千人、あるいは2千人というところか。だがそれでも多くのエスパニョリスタが集まって来ることは間違いない。今シーズン2番目の入りが期待される。