2月21日

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LIGA 第23
2月22日 21:30
CAMP NOU
FC BARCELONA
vs
BETIS

 


目覚ましが鳴ってますよ!
 リケルメさ〜ん!

フアン・ロマン・リケルメ、多くのバルセロニスタの期待のもとにアルゼンチンからやって来たセントロ・カンピスタ。だが残念なことに彼はこれまで11試合しかスタメン選手として出場していない。バンガールが監督であろうとアンティックが監督であろうと、彼の状況は今のところ変化を見せていない。これまで彼がグランドで見せてきた以上のことを期待しているバルセロニスタ。だが彼はまだ眠ったままだ。だが彼の周辺は、多くのバルセロニスタやメディア、そしてアンティックまでが騒々しくも彼の目覚めを要求している。目を覚ませ!リケルメ!もう目覚まし時計は鳴りっぱなしだ!

ラドミール・アンティック、リケルメに多大なる期待を抱いている一人の監督。それは彼が監督に就任してからおこなってきた数々の記者会見場での発言や個人インタビューでも明らかにしている。昨日のラ・バンガルディアでのインタビューでも「決して焦ることなくプレーして欲しい」という希望を語っている。そして昨日の夜、ラジオ番組に出席したアンティックはさらに彼に関して語っている。
「私にとって彼を再生させるのは単なる目的ではなく、義務に等しいものだと思っている。なぜならリケルメは将来のバルサを背負って立つクラブの貴重な“財産”の一人だからだ。だが彼を目覚めさせるのは私一人でできることではないことも明らか。彼自身が目覚めることに努力しなければ話にならない。確かにこれまで外国にでたことのない選手がその国の水に合うようになるには時間がかかる。だがクラック選手がクラック選手としてしなければならないこと、それは己の責任を持って最大の努力を払うことだろう。我々は彼を目覚めさせる努力はできるが当人が目覚める努力をしない限りそれは可能とはならない。」

フアン・ロマン・リケルメ、彼はいつものように淡々と記者会見場にあらわれる。周りがどんなに騒ごうとリケルメに変化は訪れない。少なくても表面上は彼に変化はあらわれない。彼はボカ時代の彼と少しも変わっていないと思っているし、試合に出られれば自分の価値を示すことができるという絶対の自信を持っている。ヨーロッパの水に合うのは難しい?そんなことはないさ、水は世界中どこに行っても水だと信じて疑わない。
「体調は万全、毎日しっかり練習しているからね。誰にも負けないように練習している。水がどうのこうの言っているらしいけれど、そんなことは関係ないさ。もし15試合続けて試合に出場して全然ダメだったらそう言われても納得できる。でも俺は試合に出ていないんだ。フットボールは世界中どこでも同じものだと今でも思っている。違いがあるとすればここよりアルゼンチンの方が難しい試合が多いということぐらいだろう。だがそれでも根本的には同じフットボール。プレッシャーの違い?プレッシャーなんかフットボールの試合で感じたことがない。これまでの人生で一度だけ感じたプレッシャー、それは弟が誘拐されたときだけだ。」

ひたすらプレーする機会を待つリケルメだが、そういう個人的な問題は別としてバルサの一人の選手として何よりも2試合連続して勝利したことが嬉しいと語る。
「新しい監督が来て大変だっただろうけれど、彼は非常によくやっていると思う。チーム内の雰囲気も変わってきたし、それが勝利につながったのかも知れない。自分はほとんど出場機会がなかったけれど、グランドにいた選手たちはみんな良いプレーをしていたと思う。いずれにしてもそのうち自分の出番がやってくるだろうと信じている。自分の可能性に関してはなんの疑いもない。俺は契約が切れるまでバルサでプレーし、必ず成功するだろうと思っている。これまで出場機会を与えられた時には決して悪いプレーはしていないと思っている。大丈夫、俺は間違いなく成功するさ。それが俺を暖かく迎えてくれているバルセロニスタに対するお礼だし、自分を獲得するために大金を払ってくれたクラブに対するお礼ともなる。」


私たちは目覚めました!

アンティックが監督に就任して“らしさ”を取り戻してきた何人かの選手たち。ゴールの嗅覚を取り戻したサビオラ、固い守備を見せるようになったデ・ボエル、そしてコクーがかつてのコクーらしさを取り戻してきた。

あくまでも目立たず陰の仕事が多いフィリップ・コクー。だがフットボールに対して目の肥えた多くのバルセロニスタにとっては彼の重要性は疑いのないところだ。もちろんそれはこれまでの何人かの監督にとっても、そして選手たちにとっても同じ、彼に対する信頼感は厚い。バルサのカピタンマークをつけているのがその証拠となっている。だが周りのほとんどの選手と同じように、ここのところ“彼らしさ”が消えつつあったのも隠せない事実ではある。年齢的な問題なのか、あるいはマンネリ感を覚えるほどバルサに長くいすぎたせいなのか、いずれにしても衰えが見え始めたような雰囲気を感じさせていたコクー。

バルサの選手としてのコクーのスタートは、左サイドにいるリバルドがゴール前に走り込む際に彼がいたポジションを埋めることだった。そしていつの間にかグアルディオーラだとかチャビのポジション近くに位置することが多くなったかと思うと、必要に応じて左ラテラルに回されたりセントラルとして自陣ゴール前を守るコクーへと変身していく。常にチームの必要性に応じてポジションを変えてきたコクーだが、最近はほとんど相手ゴール近くに行くことよりも自陣ゴール近くにいることを要求されるようになっていた。だがアンティックの監督就任で彼は再び前へ出るコクーへと変身しつつある。しかもゴールを決めることも思い出したようだ。

4−4−2というクラシックなシステムの中で、コクーの位置はチャビより少し下がったところにある。だがアンティックシステムの中では、比較的後ろにいることが前線への攻撃参加をおこなわないということは意味しない。むしろ逆と言っていいだろう。あくまでも縦への攻撃を試みるアンティックバルサにとって、コクーとかチャビの後ろからの上がりが重要なキーポイントとなるからだ。ここ2試合で2ゴールを決めたことがそれを証明している。これまで通りダークな仕事がメインとなるコクーだが、それでもバルセロニスタにとっての彼の評価は変わらない。チームにとって欠かせない重要な選手の一人、それがフィリップ・コクーだ。