2月25

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Champions League
2月26日 20:45
SAN SIRO
INTER
vs
FC BARCELONA

 


“報復”の嵐が吹き荒れるミラン

“誇り”と“報復”、ここ何日間かミランメディアやティフォッシによって叫ばれている二つの言葉。インテリスタとしての“誇り”に傷がつく結果となったカンプノウでの試合の痛手はいまだ癒されていない。傷ついたティフォッシは悲惨な結果となったカンプノウでの試合に対する復讐を誓う。サン・シーロでのバルサに対する圧勝のみがこの傷ついた“誇り”を癒してくれる。アンティックにとって監督就任以来もっとも難しい試合が待っている。

このところ零下の日が続いているとてつもなく寒いミラン、だがインテリスタの復讐にかける心意気は熱い。傷ついた“誇り”を取り戻すためにバルサに対する復讐の心意気はとてつもなく熱い。3−0という悲惨な結果だけではなく、カンプノウでインテルらしさを見せられなかったことに傷ついているインテリスタ。世界中のフットボールファンにインテルがバルサに劣っていることを示したことが悔しい。明日は地元サン・シーロでの戦いだ、地元有利を活かしてバルサを沈めることを誓い合うインテリスタ。だが、地元での戦いとはいえ、インテルの監督であるクーペルにとっては苦しい戦いになることも確かだ。

バティストゥータはチャンピオンズの試合には出場できない。クレスポはすでに負傷中で計算できない選手となっている。そしてレコバはカンプノウで退場になったことにより3試合出場停止の処分を受けている。期待を一身に背負うビエリ、だがカルッチオでは21ゴールも決めながらチャンピオンズではまだ1回もゴールを決めていない。否定的な条件が重なっているインテル、だがセントロカンピスタのドメニコ・モルフェオはインテリスタの声を代弁して次のように語る。
「確かにバルサは先週のカンプノウでの試合で世界中にインテルのイメージを悪いものとしてくれた。だが我々にほんの少しの“誇り”があるのなら、明日の試合でインテルのイメージを変える試合を展開しなければならない。カンプノウでの出来事は単なるアクシデントだったことを世界中に示さなければならない。」

彼の発言はインテルの選手の声を代表するものであり、同時に“報復”を誓うインテリスタに対するメッセージでもあった。彼の発言は続く。
「決してバルサをなめてかかろうなんて思ってはいけないだろう。いかに地元での試合とはいえ、彼らを甘く見て試合をしたらとんでもないことになる。カンプノウではサビオラが絶好のポジションにいて我々のディフェンスを痛めつけてくれた。明日の試合は慎重に彼をマークしていかなければならない。何といっても相手はバルサなんだ、そんなに簡単に勝てる相手ではないだろう。だが我々は“誇り”を示さなければならない。」

インテルにとって難しい試合であると同時にバルサにとってももっとも難しい試合の一つと言っていいだろう。ソリンがチャンピオンズの試合に起用できないことは前からわかっていたこと。だがここに来てオーベルマルスも負傷によって出場できない状態となっている。カンプノウのインテル戦ではそれほど活躍しなかった彼だが、ディフェンスの選手を二人相手にしたことによりサビオラやクルイベルのマークを甘くすることに貢献した。だが明日の試合は彼のようにスピードのある選手は出場しない。したがってサビオラやクルイベルに対するマークがより厳しい試合となる。

いくつかのローテーションを考えているアンティック。プジョーは風邪をひいて体調を壊しているが彼のことだから出場は可能だろう。セントラルは彼とデ・ボエルをこれまで通り起用できるとしても左右のラテラルには若干の変更を加えなければならない。右にガブリ、左にレイジゲルが入ることが予想される。コクーとチャビのピボッテに変化はない。だが問題は左右のインテリオールの選手だ。左サイドに二人の右利きの選手を配置することを避けたいと思うアンティック。左ラテラルにレイジゲルを置いたら、左インテリオールはメンディエタではなくモッタが有力となる。右サイドはどうだろうか。メンディエタが入ることも考えられるしロッケンバックが配置されることも考えられる。いずれにしても前の二人はサビオラとクルイベルで決まりだ。

バルサにとって難しい試合、それは誰しもが認めるところだ。サン・シーロでのインテル戦。しかも相手は傷ついた“誇り”を取り戻すために120%の力で戦いを挑んでくる。だが、それでも、バルサにとってこれほどプレッシャーのない試合は今シーズン初めてといっていいかも知れない。チャンピオンズ12連勝という前人未踏の記録達成を別とすれば、もし負けたとしてもそれほど痛くない試合でもある。カンプノウでのレバクーゼン戦に勝利さえすれば決勝リーグが決まるバルサだからだ。したがってインテルとの試合での引き分けでも勝利に近い感じとなるバルサ。この“余裕ある”試合を利用してアンティックが試したい二人の選手がサン・シーロに登場する可能性がある。それはアンデルソンとイニエスタだ。

なんとか少しだけでも出場チャンスを与えたかったアンデルソンだが、これまでついに出場機会が与えられなかった。だがインテル戦は彼のデビューチャンスとなりそうだ。スタメン出場はもちろんないだろうが、後半途中からの出場チャンスを与えられる可能性が大きい。そしてもう一人の期待される選手、それはイニエスタ。アンティックバルサとなってから出場機会がほとんどなくなった彼だがアンティックは彼のことを忘れたわけではない。いや、それどころか徐々に出場機会を与えて、それもプレッシャーがない試合での出場機会を与えて一部チームの水に合わせていこうと考えるアンティック。もしイニエスタが召集されることになれば、それは同時に出場チャンスがかなりの割合であるということを示すことになる。

■クルイベル・サビオラコンビ
個人的にもあるいは一人の選手としても、バルサ前監督をもっとも知っている人物と言っていいパトリック・クルイベル。彼はアンティックの監督就任に関してどのような印象を持っているのだろうか、それは非常に興味深いところだ。
「アンティックという監督のもとで働くのは新しい経験。選手一人一人が違うように監督もそれぞれタイプが違うのは当然だ。まだ4試合しか消化していない段階だからどうこう言うことはできないけれど、彼は非常に落ち着いた人物だし穏やかな監督。それがチーム内に良い雰囲気を作り出しているのだと思う。それが前監督との違いと言えば違いだな。」
サビオラとのコンビの関しても当然ながら質問が飛ぶ。今シーズンは二人でプレーするチャンスがあまりなかったクルイベル・サビオラコンビだが、ここに来て非常にいい感じになってきていることを認める。
「彼は小さいけれど偉大な選手さ。それはインテル戦一試合を見ればわかることだ。今シーズンは前監督の方針で一緒にプレーするチャンスがあまりなかったけれど、新監督の登場で再び一緒にやれるようになった。彼とは非常にフィーリングがあったプレーができていると思う。」

■コクー、デ・ボエルの将来
今シーズン限りでバルサとの契約が切れる二人のオランダ人選手。この季節になるといつものことながら“外部”からのプレッシャーをかけ、将来の契約をより有利に進めようとしてくるのは当然だ。彼らのマネージャーであるロブ・ジャンセンもオランダメディアを使っての常套手段に訴えてきた。バルサクラブ首脳陣に対して延長契約をより有利に進めるためのプレッシャーをかけることはマネージャーとして当然の仕事だ。
「我々は3月いっぱいまでに将来のクラブを決定しようと思っている。それがバルサとなるのかオランダやイングランドのクラブとなるのか、いずれにしても3月中に決めてしまいたいと思う。」
もちろん二人とも来シーズンもバルサに残ってプレーする可能性はじゅうぶんある。だが問題はオファー次第だ。具体的なオファーが彼らにやって来るかどうか、とりあえずセールス中のアドバルーンを上げてみないことにはオファーはやって来ない。