2月27

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Champions League
2月26日 20:45
SAN SIRO
INTER
vs
FC BARCELONA

 

0 - 0


貴重な1ポイント、
だが高くついた1ポイント

1位バルサ10ポイント、2位インテル7ポイント、3位ニューキャッスル6ポイント、4位レバクーゼン0ポイント。グループ戦2試合を残したとことろでバルサは1ポイントを獲得すれば決勝リーグへの進出が決定される。地元でのレバクーゼンとの試合、あるいはアウエーでのニューキャッスル戦で1ポイントをあげればいいだけとなった。したがって昨日のインテル戦での引き分けという結果は非常に価値があったものと言える。だが同時にとてつもなく高い代償を払って獲得した1ポイントでもある。コクーは2か月から3か月にわたってダウン、そしてプジョーのオサスナ戦への出場も微妙となった。

“インテリジェンス”のある試合展開と呼べばいいだろうか。バルサにとっては引き分けという結果でもじゅうぶんだったこの試合、だが決してゴール前に何台ものバスを置くようなマネはしなかった。バルサにゴールが訪れなかった結果となったとは言え、決して攻撃を放棄したことによって生まれたものではなかった。ひたすら試合のリズムをコントロールすることに務め、中盤を厚くしてのインテルのカウンターアタックを防ごうとするバルサ。少なくともアンティックバルサは目的を持って戦い、何をしようとしているのか各選手がそれぞれ認識し、90分にわたって目的を達成するための仕事に従事したと言える。

カンプノウはもちろんのこと多くのスタディアムは2週間に1度の試合に備えて整備されている。だがこのサン・シーロは毎週使用されるスタディアムだ。グランドはデコボコ、芝はあれ放題、ボールコントロールを武器とするクラブにとっては試合展開が難しいものとなるのはしょうがない。だがこの日のバルサの選手はそれぞれが労働着に着替え、泥んこになりながら肉体労働に精をだす。ディフェンスは強固なブロックが構成されている。デ・ボエルとプジョーの二枚岩は、インテルのディフェンスから送られてくるロングボールを叩きのめす。ビエリは20ゴール以上を決めているカルッチオの彼ではなく、1ゴールも決めていないユーロ・ビエリだった。

■ロッケンバックとモッタ、ガブリ
オーベルマルスは負傷中、ソリンはチャンピオンズには出場資格がない。したがって右サイドを切り裂くオーベルの代わりに入ったのがロッケンバック。左サイドコンビであるソリンとメンディエタの代わりに入ったのがレイジゲルとモッタとなった。右サイドの上がりに鋭さを見せる右ラテラルのガブリ。ロッケンバックは後半途中からリケルメに代わる。リケルメの登場により深みのある攻撃が可能となったバルサ。彼から3回にわたる絶妙のパスが出されるものの得点には至らなかった。この日の試合でバルサの選手として最高の活躍を見せたガブリが語る。
「試合開始1分から我々は勝利することのみを考えて戦った。でも残念ながら目的は達成できなかった。それでも重要なことは負けることもなかったし、得点を入れられることもなかったということだ。それにしてもここはひどいグランドだね。」

■サビオラとクルイベル
ロッケンバックやモッタがそれなりの仕事をしたとはいえ、オーベルマルスのようにインテルディフェンス陣を何人も引きつける仕事には至らない。したがって多くのディフェンス陣はサビオラとクルイベルを注目することになる。カンプノウでおこなわれた試合とは異なり自由の身となることがほとんどなかったサビオラにはボールが届かない。クルイベルは下がり気味に動いてボールを取りに行くものの、それが前線につながるものとなならない。だが彼らに決してゴールチャンスが訪れなかったということではなかった。特にクルイベルには3回ほどの決定的はチャンスが訪れている。だが、この日は彼の日ではなかったようだ。

■コクーとプジョー
90分にわたって“暴力的”なプレー一つ見られないフェアープレーが続く試合となった。だがそのことと怪我人がでないこととはまた別の話しだ。サン・シーロでの戦い、そう、かつてミランとの試合でコクーとペティが衝突してお互いが負傷するという、バルサにとっては不吉なスタディアムではある。コクーはインテルの選手にファールをしたわけではなく、またインテルの選手がコクーにファールをしたわけではない。だがアンラッキーな衝突がコクーの重大な負傷を生むことになってしまう。プジョーとデ・ボエルもボールを追って衝突。デ・ボエルは血を出し、プジョーは負傷してしまう。バルサにとって痛い二人の負傷選手、コクーとプジョー。コクーはほぼ今シーズン絶望となってもおかしくない。プジョーは週末のオサスナ戦への出場が危ぶまれている。

■アンティック、不満足
バルサにとって貴重な1ポイントを獲得したものの、アンティックは引き分けという結果に満足していない。後半途中からリケルメを投入したことからもわかるように彼は勝ちに行こうとしていた。だが結果はゴールなしの引き分け。そしてこの納得できない結果以上に心配のタネとなっているのはコクーやプジョーの負傷選手がでたことだ。
「彼らの負傷とは関係ないものの、チャンピオンズというヨーロッパの最大の大会をこのようなグランド状態のところで試合をしなければならないというのは納得できないことだ。UEFAはもっと参加クラブのことを考えるべきだと思う。もちろん我々が勝利できなかったこととグランド状態は関係ないこと。だが世界中の人々が注目する試合であるにも関わらず、グランド状態がひどすぎた。そして今もっとも心配しているのはコクーの負傷状態。バルセロナに戻ってから精密検査をおこなうことになるが、できるだけ軽傷であることを祈るばかりだ。」

イタリア記者の「バルサはカルッチオフットボールをしたのではないか?」という質問に答えるアンティック。
「カルッチオフットボールが我々みたいにディフェンスラインを上げて戦うかね?我々は中盤を制覇するためにディフェンスラインを高くし、試合そのものをコントロールすることに成功した。確かにオーベルマルスが出場できなかったのは否定的な要素。だが出場できない選手の名をあげて何かの理由とするのは私の主義ではない。今日出場した選手はそれぞれ目的を達成し、期待通りの仕事をしてくれた。だが我々の当初の目的であった勝利という結果にはつながらなかったのが残念だ。」