2月28日

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どうしましょうか、ドクトール・アンティックさん?

ドクトール・アンティックに再び問題が起き始めた。4週間前、まず精神科医としてバルサファミリーを訪れたドクトールはわずかな時間で彼らの精神的問題を解決していく。精神的な問題が徐々に解決されていくと同時に肉体的問題も徐々に解決していくことになった。それがこれまでの試合結果に如実に示されることになる。すべては順調に、そう、これまでのバルサとはまったく違ったイメージを持って、順調にことが運んでいる最中だった。だが呪われたサン・シーロのスタディアムでの試合をおこなわれることにより、再びドクトール・アンティックに問題が山積みされることとなる。コクーの2か月の負傷、プジョーの1か月にわたる負傷、そして今度はクルイベルまでが週末の試合に出場できるかどうか怪しくなってきている。さあ、どうする、ドクトール・アンティック。

■プジョー、手術すべきか否か
インテル戦でデ・ボエルと空中衝突したことで右頬骨が折れたカルラス・プジョー。痛みと吐き気で一睡もできなかったという彼は昨日の昼に精密検査を受けている。クラブドクター主任のジョセップ・ボレールやドクター・プルーナ立ち会いのもとにおこなわれた検査結果は右頬骨折。右目視力への問題が起きる前に手術をするべきだという意見でドクターたちは一致する。手術は今日の午前中におこなわれることになった。だが午後になってから様子が一変する。
プジョーは午後になって再びドクターたちとの話し合いを要求していた。それは手術を避ける方法を探して欲しいという要請を伝えるためだった。手術をすることは確実に1か月のダウンを意味する。それをどうしても避けたいプジョーは手術することなしに治療する方法を要求する。プジョーが考えていることはミエミエだ。薬で痛みをとりながら2週間程度かけて徐々に骨が固まってくるのを待つ方法を要求。そうすれば特別なプロテクターを顔につけて試合に出場できると考えるプジョー。だがドクターたちはなかなか顔を縦に振らない。彼が手術するかどうか、それは今日中に決定されることになるだろう。プジョーは語る。
「大丈夫さ、なんとかなる。」

■コクーはオランダ帰国
プジョーと同じようにニューバルサの“核”となっているコクー。彼もまたインテル戦で左足ヒザを負傷し2か月のリハビリ期間を予想されている。プジョーの負傷具合が試合翌日に明らかになったのに比べ、彼の場合は負傷交代した時点ですでに負傷の重さが伝えられていた。普段の試合中によく見られる選手同士の衝突シーン。彼の場合も一試合で必ず1回か2回は見られる選手同士の衝突シーンに過ぎなかった。
「あんなことはこれまでの選手経験で2000回は起きてきたこと。それでもああいう衝突で負傷することなんか一度もなかった。不運と言うしかないだろう。」
そう語るコクーだが、彼の場合は手術はおこなわれないことが決まっている。4週間にわたってギブスで固定し、その後2週間にわたってマッサージなどをおこなってリハビリに励むことになる。だがそれでもコクーは違う種類の検査も受けたい意向のようだ。彼自身が信頼するオランダの友人の医師に相談することを決めている。今日にもオランダに向かうコクーだ。

■クルイベル、オサスナ戦出場は疑問
インテル戦で傷ついたのはコクーやプジョーだけではなかった。クルイベルも試合中に負傷していた。試合が終わってから1日たっても右足の痛みがとれなかった彼は昨日の練習に参加することもできない状態だった。精密検査をおこなった結果、右足ももの筋肉に1センチ程度の亀裂があることが判明。もちろん今日の練習にも参加することはない彼は明日金曜日の最終テストでオサスナ戦のおこなわれるパンプローナに向かうかどうか決定されることになる。

■再びアンティックの処方箋
チームの“軸の中心”となって活躍していたコクーの抜けた大きな穴をどのように埋めていくか。再びドクトール・アンティックの登場を待たなければならない。At.マドリ時代といわずこれまで彼が監督を務めてきたすべてのチームに関して共通していること、それはチームブロックを形成するために犠牲的精神を誰よりも持つ選手の起用だった。その意味でガブリにチャンスが訪れたと考えていいだろう。これまで通りチャビが斜め前に位置し、コクーの場所にガブリが入ることが予想される。インテル戦でデ・ボエルと共に最高の活躍を見せたガブリにアンティックはより高い信頼感をおいている。彼が理想とする“4番”の選手、それは創造的な選手というよりは相手を破壊する傾向の選手であり、危険を犯してでも絶妙なパスをだす選手ではない。バレンシアで例えるならアルベルダのような選手、それが今までのコクーがしてきた仕事だった。そして今、ガブリにその仕事がバトンタッチされることになる。

コクーの代わりがガブリだとすればプジョーの代わりは誰になるのか。インテル戦での唯一明るい材料となったアンデルソンの復帰を忘れてはいけない。9か月ぶりに現場復帰してきたアンデルソン、彼こそプジョーの代わりに彼のポジションを務めることになるだろう。もともと経験は豊かであり修羅場を何回も通り過ぎてきている彼に一つだけ問題があるとすれば、それは長い負傷によるリズムの不足問題となる。クリスタンバールの練習復帰も明るい材料ではある。昨日は合同練習に参加したクリスタンバール、だがまだまだ時間が必要だ。万一のためにオレゲールもパンプローナに旅立つことになるだろう。

インテル戦には風邪のため出場できなかったルイス・エンリケの体調はもうほぼ完全に戻ってきている。クルイベルの出場が微妙になっている今、彼の復帰は大きな希望となってきている。だが誰の代わりにはいろうが、どこのポジションに配置されようが、グランド内にカピタンが戻ってくることがバルサにとって強い味方となる。

アンティックの登場によって、これまでモッタやメンディエタ、そしてロッケンバックなどが準主役的な位置に置かれている。モッタとメンディエタは交互に左インテリオールを務めることになっているし、ロッケンバックはオーベルマルスが負傷しているか疲労している時のみの出場となっている。だがコクー、プジョーの負傷という事態は彼らのこれまで置かれていた状況を変えることになりそうだ。特にメンディエタにしろモッタにしろ、今まで以上に仕事が増えることが予想される。コクーが不在となる今、彼の後を埋める選手の手助けをしなくてはならない。アンティックはインテル戦でコクーが負傷した後、メンディエタを彼のポジションに置いた。だがその間違いに気がついたのか、すぐに彼のポジション変更をしている。より前での攻撃的なポジションへの変更。スタイルとしてはロンボがおこなわれる菱形の陣形を形成した。ルイス・エンリケの復帰ととtもに、バルサに再びロンボスタイルが必要とされる可能性がある。