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3月3日
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1ポイント、たった1ポイント
多くの負傷者や病人を抱えながらもいっさいの言い訳は許されぬと試合前に語っていたアンティック。しかも相手はサダール・スタディアムでのオサスナという、歴史的に見ても非常に難しいところでの試合だ。ミランでおこなわれたインテル戦と同じように、バルサの選手たちは“労働着”に着替え90分の戦いに挑む。2回にわたって3ポイントを手にしたかに見えたバルサ、だが試合終了の笛が鳴ったときに獲得したポイントはわずか1ポイント、たった1ポイントだった。 アンティックは自らを“幸運の男”と呼ぶ。確かに彼がバルサの監督に就任してからその“幸運”さが実証されてきていた。試合結果や多くの選手の変化を見るまでもなく、ルイス・エンリケやアンデルソンなどの長い間のリハビリ生活を送っていた選手が戻ってきたことからも、その“幸運”さが感じられることになる。だがこの1週間に起きたことは彼の“幸運”さを一時的に抹消させたのか、あるいはすべてのものに永遠さがないことを証明したかのようだ。プジョー、コクーは何週間にもわたってリハビリ生活に入らなければならない。大事な試合を前にしてクルイベル、アンデルソン、ガブリはインフルエンザに倒れ飛行機にも乗れる状態とはならなかった。そして昨日の試合で再び二人の選手が試合中に倒れることになる。ダニは靱帯に傷がつき5週間の安静、ボナノは試合中に何が起きたかさえ覚えていない。 だが少し物事を楽観的に見る必要性もあるかも知れない。1ポイント、たった1ポイントの獲得という事実は同時にアンティックバルサは依然として敗北を知らないということも意味する。これまでホームで3試合、アウエーで3試合、合計6試合の公式試合を指揮してきたアンティックは3勝3分けの成績を残している。決して悪い数字ではない。そして数字以上に大事なもの、それはすべての選手のメンタル面を変えたことだ。バンガールバルサが抱えていた“敗北者”の精神から“勝利者”の精神を持った選手たちへと。 2ポイントを失った試合とはいえ、バンガールバルサであれば1ポイントも獲得できなかった試合ではあった。78分に同点とされたバルサだが、昨日のバルサはそれでも勝利に対する信念を見せる。“敗北者”精神を捨てた11人のバルサ選手は、諦めるということを知らずにひたすら勝利を目指して戦う。それがルイス・エンリケの勝ち越しゴールとなってあらわれたのが89分。そしてその後、オーベルマルスが決定的なチャンスを決めていれば1−3という結果となってのバルサ大勝利となるはずだった。だが、そこはそれ、フットボールはフットボールだ。審判の笛が吹かれるまでは何がおきても不思議ではないフットボールの世界。ロスタイムに同点とされるバルサとなる。 ■アンティックバルサに変化はなし カディスとの親善試合で右ラテラルでの仕事をほぼ完璧にこなしたオレゲールはこの試合にも同じポジションに起用される。そしてプジョーの穴を埋めるのは右ラテラルを本業とするレイジゲル。モッタはコクーと変身しての登場だ。これまでモッタあるいはメンディエタによって占められていた左インテリオールにはリケルメが入る。体調が完璧でないと自己申告したオーベルマルスの位置にはメンディエタが入った。考えつく限りの有効性を信じて新たな選手配置をしなければならなかったアンティック、勝利こそ逃したものの後悔はいっさいない。 ■カピタン・ルイス・エンリケ ■目を覚ませリケルメ! ■エンケ、リーグ戦デビュー |
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