3月7日

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メレンゲを粉砕します!

来週は再びチャンピオンズの試合が各地でおこなわれる。カンプノウではバルサ・リバクーゼン戦、そして600キロ離れたマドリッドではマドリ・ミラン戦がおこなわれる。ミランの選手の中には去年までバルサに在籍したリバルドももちろんいる。昨年おこなわれたクラシコでは負傷中だったためバルサの選手として出場できなかったリバルド。今回はミランの選手としてベルナベウのグランドに立つが、メレンゲ粉砕をバルセロニスタに誓う。

まず、ミランでの生活はどうですか?

もう7か月たったからね、だいぶ慣れてきたし幸せな日々を送ることができている。最初は言葉の問題だとか初めての街ということもあって戸惑ったけれど、今はイタリア語がほとんどわかるようになったし街にも慣れたからだいじょうぶ。非常に快適に過ごしている。ただフットボール的にいうならば、100%のリバルドをミラニスタにまだ見せていないのが残念だ。カルッチオのフットボールに慣れるまでまだ時間がかかりそうだと思う。ここのフットボールはスペインのそれとまったく関係ないスタイル。だからまだ時間が必要だ。

あなたがバルサを出るとき多くのメディアが“事実”とも“たんなる噂”ともつかないことを発表していました。その中にマドリへの移籍の可能性も語られていましたが。

当時のバルサ理事会の人物が“マドリには移籍しない”という書類にサインしてくれと頼んできたけれど、それはもちろん断った。クラブから一方的に解雇される自分は言ってみれば無職の立場になるわけで、職をどこに求めようとそれは自由というものだ。しかもクラブ側が自分を解雇したわけだから、もしマドリに行ってもバルセロニスタへの裏切りにはならないと信じていた。もっともマドリ行きなんてことを真剣に考えたこともなかったけれど。

その噂の中に、莫大な額の解雇料をもらったからクラブをでていったというのもありましたが。

解雇料なんて1ユーロももらっていないさ。確かに自由契約書類にサインするときの条件として、これまでクラブが自分に対して未払いの分を支払うという条件を要求したのは事実。それは何もガスパー時代の分だけでなくヌニェス時代からの未払い分を要求しただけさ。もしそのことで、誰かと同じようにペセテロ扱いされているのだとしたらそれは迷惑というものだ。

自由契約という書類にサインしたときの気持ちは?

それはもちろん悲しかったさ。バルセロナの街を家族全員が気に入っていたし、何よりもバルサには長い間いたんだから。5年間、そう5年間あの街に親しみ、バルサでプレーを楽しんだんだ。でも正直言うと、バンガールがバルサの監督に就任する噂がでた瞬間からある程度は予想していたことでもあるんだ。もし彼が来て自分がチームの中にいたら、それはそれできっと問題になっていただろう。もうクラブを去った人物に関して触れるつもりはないけれど、彼ほどバルサを傷つけた人物もいないだろうと今でも思っている。

バンガールの話はやめましょう、きりがないでしょうから。さてミランの選手としてマドリ戦を戦うことになりますね。

そう、マドリ戦ね、マドリ戦で思い出すのはレシャックの時代のことだな。チャンピオンズでの試合で負傷中ででられなかったマドリ戦。あの時もいろいろ悪口を言われたのを覚えている。ワールドカップに備えての不出場だとかいろいろね。あの時も真実は語られなかった。自分は負傷をできるだけ早く治そうと自費でブラジルに渡り専門家の指示のもとに治療にあたっていた。クラシコが近づいてきてバルセロナに戻りレシャックに自分を召集メンバーに入れてくれと頼んだんだ。でも彼は100%の体調でないのならメンバーには加えないと言う。だからあの試合にはでられなかったんだ。いずれにしてもその監督の判断を聞いたガスパーが自腹をきって自分をマドリッドに連れて行ってくれた。試合を観戦するためにね。

そして来週はマドリ戦となります。

自分でお金を払ってでも出場したい試合の一つだ。あのスタディアムにはまだ貸しがあると思っている。例の3点目のゴールを無効にされた件さ。あの貸しを返してもらわなくては。しかも相手は現ヨーロッパチャンピオン。我々がすでに決勝リーグ進出を決めているなんてこととは関係なく勝ちに行かなくてはいけない試合さ。決勝での相手を一つ消し去ることを意味するからね。

今のバルサをどう見ますか?

バルサはいつでも偉大な選手たちがいるクラブ。ルイス・エンリケ、クルイベル、リケルメ、サビオラ、そう、多くのスター選手がいる。でも正直言うと、本当に“違い”を見せる選手がいないよね。この瞬間に必要とされる、これといった選手がいないような気がする。つまるところフットボールファンというのはクラック選手を見るためにお金を払ってスタディアムにいくわけだ。子供たちにしても大人たちにしても、やはり最終的には彼らのアイドルを見にスタディアムに駆けつけるんだと思う。そういう意味で言うと、今のバルサにはそのアイドル的な選手が少ないような気がする。

なぜそうなってしまったのか?

触れたくはない話題だけれど、どうしても一人の人物を登場させないといけない。それはもちろんバンガールだ。さっきも言ったけれど彼ほどバルサというクラブを傷つけた監督はいないだろうと思う。なんたって二人の会長を辞任させた監督だからね。そういう意味では歴史に残る監督と言ってもいいかも知れない。彼の最大の罪は“違い”を見せる選手を嫌ったことだと思う。すべて同じような選手でなければならなかったんだ。今でも思い出すのはクラシコの試合でのことさ。3−1で我々が勝った試合なんだけれど、3点目は自分が入れたんだ。そしてその翌日、選手控え室でのミーティングの席で彼は何て言ったと思う?
「リバルド、君は確かにゴールを決めた。だが私には納得いかないことがある。なぜなら君は自分の与えられたポジションから離れてしまっていたからだ。」
彼の、いわゆるバンガールノートというのはまったく信じられないものだよ。

もし、という話になりますが、もしバンガールが再びバルサに戻ってくることがなかったらあなたはまだバルサにいたと思いますか?

それほど確かなことはない。