3月12

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Champions League
3月11日 20:45
CAMP NOU 62,228人
FC BARCELONA
vs
LEVERKUSEN

 

2 - 0


ユーロバルサ、決勝リーグへ!

リーグ戦での順位表を見た経験のある人々、あるいは昨日カンプノウへ応援に駆けつけた人々やテレビの前で試合を観戦した人々、彼らにとってはまるで嘘のような、あるいは冗談のような話しだが、ユーロバルサはチャンピオンズ決勝リーグへと進出を決めた。それもグループ戦での試合をまだ1試合残した段階で、グループ首位を決めての堂々とした決勝リーグ進出だ。

まるで嘘のようでも冗談のようでもあるけれど、あと4試合の結果次第ではオールド・トラッフォードでのチャンピオンズ決勝戦を戦うチャンスが訪れることになるユーロバルサ。これまでリーグ戦ではわずか3回でも続けて勝利したことがない国内バルサだが、チャンピオンズでの戦いでは何と12勝1分けという驚異的な結果を残しているユーロバルサだ。もちろんリーグ戦での成績を見なければ、バルサとしては当然の決勝リーグ参加とも言える。

昨日の相手となったレバクーゼンはこれまでグループ戦で1勝もしたことのないチームだ。いや1勝どころか1ポイントも獲得していない。そしてバルセロナへ乗り込んできた彼らは、国内リーグ戦を重視しているために多くの控え選手によって構成されていた。彼らにとって、すでにチャンピオンズリーグでの戦いは過去のものとなっていた。オサスナ戦、バジャドリ戦で不甲斐ない戦いを展開してきているバルサにとって、これ以上はないアスピリン効果を持ったチームとの戦い。だが試合は蓋を開けてみると15分間はレバクーゼンのペースとなって展開されていった。

■ユーロ・サビオラゴール
もしレバクーゼンに幸運の女神が側にいたのなら、0−2という結果になってもおかしくなかった最初の15分間。多くの控え選手たちはスタメンを勝ち取るために必死のプレーを繰り広げていた。それに対してバルサの選手がおこなった戦法、それはディフェンスラインから前線にいるクルイベルに対するハイボールを送ること。これに対する反応が、早くも観客席からブーイングとなってバルサの選手に送られることになる。11分、アンデルソンのペナルティーエリア内でのハンドを見逃してくれる審判。この日の幸運の女神は明らかにバルサ寄りにいた。それを証明するかのようにバルサは最初のカウンターアタック攻撃で最初のゴールチャンスをものにしてしまう。オーベルマルスが右サイドを走り抜けてのゴール前へのセンターリングをサビオラが、この日初めてボールを触ったサビオラがゴールを決める。

■リケルメのスタメン
バジャドリ戦で交代されたときにアンティックがさしだした握手を無視したとしてメディアに批判されたリケルメ。その行為により多くのメディアがリケルメのスタメンを予想しなかった。だがアンティックはこの日もリケルメをスタメンで起用する。3試合続けてのスタメンとなるリケルメ。モチベーションは非常に高いのがプレー態度からもわかる。90分間、あらゆることを試みるリケルメだがそれに対する具体的な報償、例えばアシスト、例えばゴール、それらの報償は訪れなかった。前半は左インテリオール、後半の大部分はクルイベルの下というポジションを務めたリケルメ、彼に対する報償はなかったとは言え、決して隠れることなく常に自己主張を繰り返し90分間プレー。才能の片鱗をのぞかせるリケルメだった。

■アンデルソンの復帰
ここ何年間かのバルサにとって最大の敵は選手の肉体面の問題といっていいだろう。多くの負傷選手を生み出し、その度に“状況”が要求する11人のスタメン選手となる。だが負傷の暗い話題があれば負傷から戻ってくる明るい話題も当然ながら出現してくる。アンデルソンの復帰、それは彼にとってもバルサにとっても限りなく明るい話題となっている。公式試合では1年3か月ぶりのスタメン出場となった彼は90分間にわたって何の問題もなくプレーし終わっている。特にデ・ボエルが軽い負傷で交代した後は彼がディフェンスラインのリーダーとなり、各選手を引っ張っていく存在となった。プロ中のプロであり、これ以上は望めないほどの経験を積んできているアンデルソンの復帰。彼にとって忘れられない試合となったことは間違いないだろう。

■カンテラの登場
チームが抱える“状況”が招いたこととはいえ、この日のバルサベンチには多くのカンテラ選手が召集されていた。ガブリ、チャビはグランドに、ベンチにはモッタ、イニエスタ、オレゲール、セルヒオ、ビクトルが待機する。この中で出場チャンスをつかんだのはモッタとイニエスタとオレゲールの三人。モッタは左インテリオールに、オレゲールは左ラテラルに、イニエスタはオーベルマルスの変わりに右インテリオールに、それぞれ後半に入り配置された。モッタはともかくイニエスタにとっては未知のポジション。だがアンティックバルサとなってから初めての出場チャンスをそつなくこなした。
「右インテリオールというのは自分にとって初めてのポジション。でもそんなことは気にならなかった。グランドに出る前に監督に指示された通りにプレーすることを心がけただけ。決して試合内容が素晴らしいものとは言えない90分間だったけれど、とにかく決勝リーグ進出を決めた大事な試合。個人的にもバルサの一員としても非常に満足です。」

■デ・ボエルの負傷
と言ってもほんの軽い筋肉負傷。彼が交代を要求したのはすでに試合が決まっており、軽い負傷状態ではあるものの危険を犯してでもプレー続けることを回避したためだ。もし緊迫した試合状況であったなら90分間続けてグランドに立っていたであろうデ・ボエルの負傷は週末の試合出場には何の問題もないようだ。
「非常に“緩い”試合ではあったね。もちろんファンの人々はもっと面白い試合を期待していたんだろうけれど。でも彼らもわかっているようにこの試合でもっとも重要なことは決勝リーグ参加を決めるための勝利。そして我々は目的を達成したんだ。負傷はぜんぜん大したことないんだ。でも安全のために交代を要求したに過ぎない。もう2−0で勝っている状況だったからね。」