3月18

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Champions League
3月19日 20:45
ST. JAMES' PARK
NEWCASTLE
vs
FC BARCELONA

 


“臨時”指導者たちによる、
  来シーズンのプランニング

クラブ“臨時”会長エンリック・レイナと“臨時”監督ラドミール・アンティック、そして何人かのクラブ理事会メンバーが加わり来シーズンに向けたプランニングが開始された。

クラブ会長を決定する会長選挙にまつわる噂はあとを絶たない。選挙日を6月下旬に想定する人がいれば、7月中旬説を語る人もいる。レイナ会長が必ず会長選挙をおこなうと何回もコメントを繰り返しているが、それを信用できないと語る人々もいる。つまり、なし崩し的に彼が来シーズンも会長として残る可能性があると信じる人々もいるのだ。だがいずれにしてもレイナは現在のバルサの最高責任者であることには間違いない。選挙がおこなわれようとおこなわれまいと、“正式”な会長が誕生するまでに決めておかなければならないことがいくつかある。契約が今シーズンで切れるコクー、デ・ボエルの延長契約問題、来シーズンに向けた放出・加入選手問題、そしてもちろん来シーズンからの監督就任問題。これらの問題を基本的な部分だけでも解決しておこうとするクラブ首脳陣だ。

昨日の“クラブ首脳陣”たちによる昼食会はレイナのオフィスの近くにあるビア・ベネントでおこなわれた。出席したのは以下のメンバー。会長のエンリック・レイナ、統合ディレクターのペレス・ファルゲール、副会長のシスタ・カンブラとフランセスク・クロッサ、そして監督のラドミール・アンティック。象徴的なことにスポーツ・ディレクターのカルラス・レシャックは呼ばれていない。今シーズン限りでバルサを離れることがすでに決定されている彼は、レイナが会長になってからはそのディレクターとしての仕事からも事実上離れている。したがって来シーズンのプランニングには欠かせないスポーツ・ディレクターは不在となる昨日の昼食会だった。

エンリック・レイナのアイデアは現在のバルサが抱える重要な選手、例えばコクー、デ・ボエル、ソリン、プジョー、クルイベルなどをそのまま残すことだ。それはアンティックのアイデアとも一致している。だが当然ながら現在の選手たちがすべてクラブに残ることはあり得ない。必要とするポジションの補強も当然ながらしなければならないし、そのためには現在の選手を何人か放出しなければならない。来シーズンに放出されるであろう最大候補に上がっている選手、それはロッケンバックとクリスタンバールの二人と見られる。

アンティックはあくまでも“協力”という、補助的な立場としてこの昼食会に参加している。現在のバルサの監督としての立場から“協力”して欲しいという、レイナの要請を受けてのものだ。彼はこの席で三つのことを提案している。一つ、それはベテラン選手しかいないポジションと若手しかいないポジションがあるアンバランスさをどうにかしなければならないこと。二つ、これまでチームの核となっているコクーとデ・ボエルは来シーズンも残留させるべきだということ。そして三つ、それは提案ではないが、これまで練習でも試合でも100%の力を出し切らない選手がいることに不満を感じていることだ。アンティックが不満に思う100%の力を出し切らない選手、それは誰だか明らかにされていない。一人だけではなく複数という可能性もある。

水曜日のニューキャッスル戦に備えての昨日の練習中、リケルメはアキレス腱の痛みを訴えて練習を途中で終了。ドクター・プルーナによって診断されたが、負傷は幸いにも大したものではなかったようだ。一時は招集メンバーから外れる可能性があると思われたリケルメだが、アンティックは試合に出られようが出られまいが招集メンバーに加えるつもりのようだ。


一言いわせろ

バルサの現状と将来に関してかつてバルサで活躍した人たちも心配している。会長がかわり、監督がかわり、かわっていないのは選手だけという状態の現在のバルサに果たして変化が訪れたのだろうか。試合での成績を見る限り、これまでアンティックバルサの成績が6試合2勝4引き分けという結果を見る限り、大きな変化は訪れていない。果たして不振の責任は選手たちにあるのか、元バルサ選手だった何人かの人々が感想を述べている。

■フリオ・サリーナス
特異なデランテロであったフリオ・サリーナス。彼もまたクルイベルと同じように簡単なゴールを外し、難しいゴールをいとも簡単に決めるキャラクターの選手だった。バルセロニスタには絶大の人気を持っていたバスク人選手。彼の人気の一つは、その歯に衣きせぬ単刀直入の発言にもあった。
「それは誰の目から見ても明らかなように、レベルが低すぎるポジションが多すぎるよ。少なくてもタイトルを獲得するための選手内容でないことは確かだと思う。それは他のチームの選手内容を見れば一目瞭然だ。バルサより数段優っている選手たちを抱えているチームがいくつかある。しかも残念なことにただでさえレベルが低いというのに、可能性以下のプレーをしている選手がいることだ。もし彼らが彼らなりの活躍をすればバルサはチャンピオンズ圏内に入れる内容だと思う。クルイベル?彼は世界最高のデランテロの一人だ。彼に疑問を持つのはおかしい。」

■アンドニ・ゴイコエチェア
アラベス戦をテレビ解説者として中継したアンドニ・ゴイコエチェア。左ラテラル、左エストレーモ、右エストレーモと幅広い活躍を見せた彼にも、現在のバルサの選手の“主張にかける”プレー態度が気にかかる。
「リケルメはもっともっと自己主張すべきだ。チャビにしても新たなポジションになってから彼本来の特徴をもったプレーができないような印象だ。ポジションが高すぎるんだろう。でも彼らだけではなくて多くの選手が“隠れている”ような気がする。アラベス戦で一番多くの時間ボールを持っていたのがレイジゲルとクリスタンバールじゃあどうしようもない。ベテラン選手たち、特にデ・ボエルとかクルイベルが周りの選手を引っ張っていくのが理想的だけれど、彼らはそういうキャラクターではないよね。コクーとかガッツ、プジョーが抜けているのが痛い。」

■エウセビオ・サクリスタン
華麗なるテクニックでバルセロニスタを沸かしたエウセビオ。彼もまた強烈なキャラクターを持った選手が不足していることを残念がる。
「プジョーとかルイス・エンリケの存在はなにもグランドの中だけではないんだ。彼らみたいなリーダーシップをとれる選手がベンチの中にいるだけでも選手間の雰囲気はかわってくるものさ。でも個人的には選手たちの反撃を期待している。バンガール、ガスパーがいた頃は、彼ら選手は批判の的とはならず保護されてきていた。でも今はその二人がいない。したがって選手全員が責任を引き受けてチームを引っ張って行かなければならない状況だと思う。もう彼らには言い訳は残されていないんだし、きっと反撃を開始してくれると信じているさ。」

■ピッチ・アロンソ
元バルサの選手にして現在はカタルーニャ代表監督に収まるピッチ・アロンソ。彼にとって現在のバルサの諸悪の根元はシーズン前に予想されたことだとする。
「例えばバルサはスビサレッタが抜けて以来、本格的なポルテロが存在しない。シーズン前になるといつもブフォンだ、トルドだ、誰々だと獲得の噂があったにも関わらず、実際に来たのはボナノとエンケ。彼らが決して悪いポルテロというつもりはないが、バルサに必要な将来を見つめた本格的なポルテロではないことは明らかだ。個人的にはビクトルが将来のバルサのポルテロとして成長していかなければならないと思う。ポルテロ不足だけではなくディフェンスラインを見ても同じような印象だ。特にセントラル。ガブリやレイジゲル、そしてオレゲールあたりを起用しなければならないところに苦しさが見られる。そしてバルサにもっとも必要なのはシーズンを通して最低25ゴールを決めるデランテロだと思う。」