3月25

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なぜ、突然、今?

マドリッドから伝わってくるニュースによれば、カンプノウ閉鎖処置を審議していた“スペインスポーツ風紀委員会”が先週の金曜日に最終的な決断を下したようだ。それはこれまで事実経過を審議してきた“フットボール競技委員会”、そして“フットボール控訴委員会”がすでに発表していたカンプノウ2試合閉鎖処置をそのまま認めるというもの。この“スペインスポーツ風紀委員会”が下した処置内容につてはすでにバルサへ書留書類として送ったというものの、クラブ側は受領を否定している。もしその書類が今日か明日にでもクラブに到着し、バルサが一般法廷での裁判闘争を放棄する方針をだした場合、カンプノウ2試合閉鎖措置は目前の事となる。

クラシコがおこなわれたカンプノウでの“事件”に関し異常な出来事としてカンプノウ閉鎖処置を最初にとったのはフットボール競技委員会だった。そしてその処置を不服として我らがペリーメースン、ジョセップ・マリア・コローナス弁護士がフットボール控訴委員会に控訴を申し立てた。結局この控訴委員会でも同じ結論を得ることになるバルサはスポーツ最高審議会であるスペインスポーツ風紀委員会に控訴を申し立てることになる。あれはいつのことだったか、もうその記憶さえ定かではないかなり昔のことではある。そして昨日、突如としてマドリッドメディアが伝えてきたところによれば、その風紀委員会が最終結論を出し、バルサにその旨を伝える処置をすでにとったということだった。その処置とはカンプノウ2試合閉鎖措置。

昨日の段階ではクラブ側は書留書類の受け取り事実を否定している。金曜日、あるいは土曜日に送られたとする書類はクラブ側の伝えることを信用するとすればまだ到着していない。だがいずれにしてもその到着は時間の問題だ。スポーツ関係のすべての審議会への控訴が終了したことにより、もしバルサがこの制裁を受け止めることになるとすればカンプノウ閉鎖処置は次の試合からさっそく実行に移されることになる。次のカンプノウでの試合、それはコルーニャとソシエダとの試合。バルサは他のスタディアムを借用しての試合となる。

だがそうはならないと考える多くの関係者がいる。その理由の一つとして、まずコローナス弁護士は一般法廷への裁判闘争を準備していること。もし一般法廷での争いとなると、もちろん今シーズン中はおろか年内に結論がでることも怪しい。そしてもう一つ、これは少々ややっこしい話しだ。それはカタルーニャ自治州内スペイン政府支局がカンプノウ閉鎖処置にかなり前から興味を示し、彼ら独自の措置を下していることだ。その処置とは7万ユーロの罰金、カンプノウ閉鎖はなしというもの。ここで問題となるのは“一つの容疑に関して二つの機関が介入してきている”ということだ。例えは悪いが、ある殺人犯に対し国家警察が死刑判決を、地方裁判所が懲役15年の刑を下していることと同じようなものとなる。一つの容疑に関しては一つの裁判しかおこなえないという法律の原則に触れることになることを忘れてはならない。

いずれにしてもカンプノウ閉鎖処置は今のところ終わりを見ないとするのが関係者の一般的な考え。書留書類がバルサに到着してからクラブ側の正式発表を待たなければならないが、まだまだコローナス弁護士はギブアップしない。


最大の正念場となる4月

二週間の休みが終わりバルサを待っているのは厳しいスケジュール。カード制裁によりガブリ、モッタが出場できないアウエーでのビジャレアル戦を皮切りとして、ユベントス戦、コルーニャ戦、マドリ戦、そして再びユベントスとの戦いを経てソシエダとの試合が控えている。

アンティックが監督となってからすでに11試合を消化している。2月9日のビルバオ戦で正式にバルサ監督としてデビュー。この試合は2−2の引き分けという結果になったものの、次のアウエーでの試合となったエスパニョール戦では初めての勝利監督となった。そして2月18日、インテルを迎えてのチャンピオンズの試合でもユーロバルサとして初の勝利監督となり、4日後におこなわれたベティス戦でも4−0という結果を残して勝利に至るバルサ。その後、アウエーでのインテル戦、オサスナ戦、バジャドリ戦と引き分けが続き、チャンピオンズ二次リーグのカンプノウでの最終戦となったレバクーゼンには2−0と勝利。アウエーでのアラベス戦には再び引き分けという結果に終わるものの、ニューキャッスルを0−2で、ラーシングを6−1で粉砕。気持ちの良い二週間の休みに突入するバルサだ。

その休みがあけたら、とりあえず、そう、とりあえずバルサはUEFAカップ参加圏内を狙っていかなければならない。セルタ、At.マドリ、セビージャ、ベティス、この4つのクラブが今のところバルサと共にUEFAカップ圏内を狙っている。そしてバルサにとっては次の4試合が最大の正念場としてのものとなる。つまりビジャレアル戦、コルーニャ戦、レアル・マドリ戦、レアル・ソシエダ戦と続く大事な4試合。これまでラドミール・アンティックが監督となってから11試合を消化し依然として敗北を知らないバルサだが、正念場となる4月をこれまで通りの勢いで突っ走ることが要求される。


●約束を守る男、クルイベル
ラーシング戦では二人のトッポジージョがグランドを走り回った。リケルメ本トッポジージョとクルービー偽トッポジージョ。だがリケルメの娘フロッピーは偽トッポジージョにも大喜びだったという。クルービーがトッポジージョをしたのは試合前のリケルメとの約束があったからだ。
「もしお前がゴールチャンスのパスをよこして俺がゴールを決めたら、その時は俺がトッポジージョをやるかんな」
それがクルービーとロマンの間で約束されたこと。だがロマンは本気にしていなかったようだ。
「まさか本当にやるとはね。試合に入ったら忘れているかと思っていた。良いヤツだな彼は」

クルービーが試合前に一つの約束をしたのはこれが初めてではない。1999−00シーズンでのバルサ・バレンシア戦。彼は試合前にペップと一つの約束をしていた。
「もし俺に絶好のパスをくれれば、頬にキスしてやるよ」
当時のカピタンからだされた絶妙のパスを受けてクルービーはバルサ2点目を決めた。そしてペップに近づき約束のキスを贈る。

そして昨シーズン、当時の副会長であったアンヘル・フェルナンデスと交わした怪しげな約束。それはゴールを決めたらダンスしちゃう、そういう怪しげな約束がバルサ・コルーニャ戦の前に交わされた。この試合でもゴールを決めたクルービー、彼はコーナーフラッグのところまで走っていき、怪しげな約束、怪しげなダンスをを実行に移す。パトリック・クルイベル、彼は必ず約束を守る男だ。

●コクー、延長契約近づく
2001年1月に更新をしたコクーの契約は今年の6月30日をもって終了することになる。だがすべての選手の契約書が複雑にできているように、彼の場合も6月30日が来れば消滅するというものでもないようだ。なぜならこの契約書にある特記事項の中に“クラブ側の判断で自動的に1年延長する権利を有す”というのがあるからだ。したがって問題はバルサ首脳陣がその権利を行使するかどうかにかかっている。

最終的な決断は“新会長”がおこなわなければならないものの、臨時会長レイナやアンティックの方針としては少なくてもその権利を行使し、できれば複数年契約を提案するもののようだ。現在は負傷中とはいえ、アンティックにとってキーポイントとなる選手の一人がコクーであることは誰もが疑わない。来シーズンもアンティックがバルサの監督を続けるかどうか、その問題があるとはいえ、バルサの基本的な方針としてはコクーの延長契約という方向で動いている。