3月26

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カンプノウは閉鎖されない!

スペインスポーツ風紀委員会はすでにカンプノウ2試合閉鎖処置を昨日の午後に公式発表した。そしてカンプノウ閉鎖に関するプレッシャーはマドリッドから日増しに大きなものとなってきている。今さら驚くべきことではないが“平和を!”というラーシング戦前のセレモニーを一切無視することを決めたマドリメディア。試合翌日にコメントとしても映像としても一切放映しなかった国営放送であるTV1やマドリ民間局であるアンテナ3が、昨日はカンプノウ閉鎖に関して特集を組んでいた。だが彼らがいかにプレッシャーをかけてこようと、カンプノウは閉鎖されない。少なくても今シーズン中に閉鎖されることはあり得ない。それがバルサが出した結論だ。

我らがペリーメースン、ジョセップ・マリア・コローナス弁護士は腕を組んだまま状況を見守っているわけではない。クラシコでおこった“事件”がスタディアム閉鎖につながるものではないという強い信念と、そして何よりも法律家としての立場から閉鎖はあり得ないことだと信じているからだ。フットボール競技委員会やフットボール控訴委員会、そして昨日の午後に正式発表したスペインスポーツ風紀委員会の最終的な結論もそれなりに尊重するというコローナス。だがそれでも正論はバルサ側の主張にあると信じて疑わない。

スペインスポーツ風紀委員会が出した最終的な結論は、これまで各組織が要求してきたものと同じ2試合閉鎖処置というものだった。スペインのスポーツ関係の最高機関であるこのスペインスポーツ風紀委員会団体。だが、異例なことに“30日の異議申し立て期間”付きのものだった。したがってバルサは昨日の公式発表から30日間以内に再びスペインスポーツ風紀委員会に対して異議申し立てをおこなうことができる。そしてそれを受けてスペインスポーツ風紀委員会は3か月の審査期間を設けて申し立て内容を検討することになる。最高でも3か月かかる検討期間、それが意味するところはもし3か月後に彼らが何らかの結論を出した時にはすでに今シーズンはとっくに終了していることを意味する。

もし彼らが3か月という検討期間を必要とせず、1か月あるいは2か月以内に最終結論を発表する可能性ももちろん考えられるだろう。その場合、再びシーズン途中での閉鎖やシーズン最後のものとなるカンプノウでの試合が閉鎖されることが考えられる。その可能性は認めるものの、コローナスはそれでもカンプノウは今シーズン中に閉鎖されることはあり得ないと語る。なぜならバルサはいかなる場合でも、最後の手段として一般法廷への訴訟をおこなうつもりだからだ。

■ミケル・ロカの登場
フランコ独裁政権と戦いカタルーニャの自治権を勝ち取ったかつての老将であり、独裁政権崩壊後のスペイン国憲章を作成した一人であるミケル・ロカがバルサ弁護士として登場してきた。カタルーニャだけではなく、スペイン民主主義陣営にもっとも尊敬される人物の一人でもある。もしバルサが一般法廷での戦いにのぞまなければならなかった場合、彼がコローナスと共にクラブの弁護士として登場することになる。クラブスポークスマンは昨日の記者会見でこの事実を明らかにするものの、それはまだまだ先の話しだとも語る。
「我々はすべての手段に訴えてカンプノウ閉鎖処置が誤りであることを訴えていくだろう。最終的な手段となる一般法廷での戦いとなるのも致し方ない。これまでUEFAが一般法廷での争いは禁じてきたが、我々は自らを守るために最後の手段まで行使する用意がある。だが、それはあくまでも先の話しだ。そこにいく前に閉鎖措置が解除される可能性があると信じている。」

■閉鎖措置解除の可能性とは
その可能性に関して我らがコローナスは、すでに1月17日におこなわれた記者会見で次のように語っている。
「我々のクラブは現在二つの公的機関によって制裁が検討されている。スポーツ機関としての“フットボール控訴委員会”、そして一般行政機関である“カタルーニャ自治州内スペイン政府支局”による介入。この二つの異なる機関によってカンプノウ閉鎖が検討されようとしている。だがこの事実は我々を優位な立場に置く可能性がじゅうぶんあるだろう。なぜなら一つの事柄に関して二つの機関が裁くということは法律上あり得ないことなのだから。」
フットボール競技委員会、フットボール控訴委員会、そしてスペインスポーツ風紀委員会というスポーツ機関の組織はカンプノウ2試合閉鎖という結論をだした。だがもう一方の行政機関であるカタルーニャ自治州内スペイン政府支局はクラブに対して7万ユーロの罰金、閉鎖はなし、という結論をすでにクラブに伝えてある。マドリッド政府やマドリッドメディアからのプレッシャーにより複雑な形で制裁をくわえられようとしている事実が、逆にバルサにとって最大の防御の一つとなる可能性もある。


●バルサ、まるでミニステージ
リーグ戦は2週間にわたってストップするものの、アンティックバルサに休みはないようだ。それどころかこの期間を利用しての普段より激しい練習メニューが組まれている。それはまるでミニステージのよううだ。昨日の1時間半にわたる練習は最後の15分を除いてボールをいっさい使わない体力増強メニュー。トレーナーのパコ・セイルーロとアンティック自ら組んだ練習メニューだ。だがそれは昨日だけの練習にとどまらない。今日水曜日、明日木曜日、明後日金曜日、そして週末は休みとなるものの、来週の月曜日から水曜日にかけてすべての練習がら体力増強メニューが基本となっておこなわれることになる。昨日の普段よりキツイ練習で最後までメニューをこなせなかった何人かの選手、もちろんその中にはオーベルとロマンがいたことは不思議でも何でもない。

●どうするフィーゴ
アジア進出作戦を開始していたレアル・マドリだが、どうやらこれまで思い通りの結果がでていないようだ。ロナルド、ジダーン、フィーゴ、ロベルト・カルロス、そしてラウルというスター選手を擁しユニフォームを主体としたマドリグッズの販売を狙っていたマドリだが、今のところそれほど目立った販売数を獲得していない。やはりアジアではベッカムが最大の人気選手であり人気クラブはマンチェスターという厚い壁を破れないマドリ。今のところ、ロナルドのユニフォームがかろうじて売れているに過ぎないようだ。ラウルの知名度はアジアでは低いし、フィーゴやロベルト・カルロスも大したことはない。
フロレンティーノの来シーズンに賭ける目玉商品はやはりベッカム。ベッカムのユニフォーム販売数はロナルドのそれを大きく離して1位だ。アジア進出作戦にはやはりベッカムが必要と考えても不思議ではない。もしフロレンティーノの希望通りベッカムが獲得できたら、そう、フィーゴはもう過去の選手となる。もちろん彼の高額な移籍料を支払うクラブもなければ、同じように高額な年俸を用意するクラブを見つけるのは大変なこと。トレードの駒の一つとて、アッチャコッチャの市場に商品見本としてもちまわることになる。