4月7日

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ユーベ・バルサ(残り48時間)

リーグ戦におけるバルサの“現実の姿”を映しだした一昨日のビジャレアル戦。アンティックバルサとなってからも3連勝することすら可能とならないどころか、連勝することすら難しいというのが現実のバルサだ。だがそれでも、そう、それでも明後日の試合は“ユーロバルサ”へとチップを変えてすべてをかけて戦わなければならない。ビジャレアル戦で惨めな敗北をしたバルサだがアンティックに怒りはなかった。いや、少なくても怒りを選手に向ける行為は見られなかった。すべてをユーベ戦へ、選手たちの精神的なチップをユーベ戦へと集中させていかなかればならない。

試合翌日の練習はいつも通りマシアでおこなわれた。練習前のミーティングもまったく普段と同じような雰囲気だ。そこにはアンティックの選手に対する怒鳴り声は聞こえなかったし、ビジャレアル戦のビデオを見るようなこともおこなわれなかった。なぜならビジャレアル戦はすでに過去のことであり、選手たちが考えていかなければならないのは一番近い将来の試合、つまりユベントス戦だからだ。したがってアンティックが練習前に唯一要求したこと、それは頭の中のチップを変えて欲しいということであった。リーグ戦からチャンピオンズへのチップの交換、そのことだけを選手たちに要求するアンティック。だが多くの選手たちには何の問題もなかっただろう。ビジャレアル戦を戦ったときでさえ頭の中のチップはユーベ戦のものとなっていた選手さえいたのだから。

アンティックがバルサの監督に就任してからの初の敗北の試合だった。試合翌日にどのような“怒り”が選手たちに向けられてもおかしくはない状況ではあった。だがアンティックは普段の彼であり、普段の監督であった。次の重要な試合に向けて選手たちのモラルを高めていこうとする普段のアンティックだった。
「バンガールとの共通点は何もないよ」
練習に向かう途中そう語る一人のベテラン選手。もしバンガールであったなら、昨日の練習前の朝は長いものとなっていただろう。なぜならビジャレアル戦での“ミスした箇所”のビデオを何回も何回も見せられることになっていただろうから。

リーグ戦でのバルサとユーロバルサの違いはどこから来ているのだろうか。誰もが持つこの疑問に正確に答えられる人はいない。それはバンガールでさえ、ガスパーでさえ、アンティックにもレイナにも不可能なことだ。だが答えが見つからなくても現実に起きている現象であることは間違いない。そしてその答えなど見つからずともこの“勢い”さえ続けばいいと考えるアンティックにとって、選手たちの頭の中のチップをすべてユベントス戦とすることが最も大事なことであるはずだ。そして明後日に控えたトリノでの試合は今シーズン最も大事な試合の一つとなることも確かなことだ。

■トレセゲ、ネドベ
先週末のトリノとのダービー戦で負傷退場したトレセゲはバルサ戦には出場できないことが決定した。全治8日間から10日間。首筋から肩にかけての負傷というやっかいなものであることから、カンプノウでの試合にさえ間に合わない可能性もあるようだ。手術の可能性さえ訴える関係はもあらわれてきているぐらいの負傷状況だ。マルチェロ・リッピーにとって非常に大きな問題であることは間違いない。だが彼は表情一つ変えずこの事実を報道陣の前で語るのみだ。この段階に来ていかに重要な選手が出場できないという事態をむかえようが残念がっていてもしょうがない。代わりの選手をいかに有効に起用していくか、それだけが彼にとって問題なのだ。サライエッタ、あるいはディ・バイオ、この二人の中からトレセゲの“代用品”として起用されることになる。

もしこの負傷状態がネドベのものであったら、いかにマルチェロ・リッピーといえでもこれほど冷静ではいられなかっただろう。同じくダービー戦で負傷したネドベだが、筋肉の打撲だけですんでいるようなのでバルサ戦には出場の可能性は非常に高くなっている。彼の場合、トレセゲと違い“代用品”となる選手がいない。ネドベに代わる選手はネドベしかいないのがユベントスの現状だ。だがそのネドベが試合に出場できたとしても完璧な体調でないことは明らかだ。昨日の練習にはもちろん参加していない彼は今日の練習にも参加できる状態ではない。したがってバルサ戦に出場できたとしても、ぶっつけ本番状態となることは避けられない。

■デ・ボエル、クルイベル
選手の負傷問題で頭を抱えているのはユベントスだけではない。デ・ボエルも先週末の試合で負傷した一人だ。高いボールを争ってジャンプした際の着地に失敗したデ・ボエルは右足首の捻挫をして途中交代。負傷した足を引きずりながらの交代だった。だが昨日の精密検査の結果によれば単なる捻挫だけですんでいるようで、骨には以上がないようだ。もちろん昨日の練習には参加できる状態ではなかった。痛みも消えていない。だがそれでもバルサドクターの予想はそれほど否定的なものではないようだ。痛み止めさえ打てば出場できると考えている。

試合中には途中交代しなかったものの、パトリック・クルイベルも故障をしていた。右足筋肉の痛みを試合中に覚えたクルイベルだが試合そのものは続行することができた。だが昨日の練習には彼もまた参加してきていない。痛みがまだとれない状態だったからだ。だが彼に関してもドクター陣の予想は明るいものとなっている。今日はマッサージとジムでの筋肉運動というメニューが組まれているクルイベルだが、調子次第で合同練習に参加してくる可能性もあると見られている。