4月25日

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明日のために・・・
模索を義務づけられるバルサ

サンジョルディの日はカタルーニャにとって大事な日だ。そして今年は例年よりもずっと多くの人々が街にくり出してこの日を祝った。そしてバルサにとっても去年に続いて特別なサンジョルディの日となった。なぜなら、この日を境として二つのことが明らかになったからだ。一つ、それは今シーズンもまた何のタイトルを獲得することができないことが決定してしまったこと。そしてもう一つ、それは来シーズンに向けて新たなバルサを築き上げていくための模索を開始しなければならないことだ。

■クルイベルの契約問題
バルサの選手の中にあって最高の年俸をとり、チームのリーダとならなければならないパトリック・クルイベル。そのクルイベルはこれまでリーグ戦29試合で8ゴール、チャンピオンズでは15試合出場し5ゴールという結果で終わっている。バルサの“9番”としてのゴール数の少なさ以上に問題にされるのは大事な試合での決定力のなさだ。今週の火曜日はそのようなイメージを拭い去る絶好のチャンスであったにも関わらず、カンプノウ観客席からはブーイングを生む対象の選手となった。

元クラブ会長のガスパーとの間に結ばれた“不可思議な契約”により、彼の将来は5月15日を境として変化を見る可能性がある。クラブ側はこの日までにクルイベルに対して年俸引き下げを言いわたす権利がある。だがこの権利は同時にクルイベル側に(もし年俸引き下げに応じない場合は)まるでタダのような違約金を支払えばクラブをあとにすることができる権利を生むことも意味する。彼に定められた現在の違約金は3600万ユーロ、だが値下げに応じない場合の違約金はわずか180万ユーロとなる。

彼とバルサとの契約は2005年をもって終了する。年俸は600万ユーロと、バルサ選手としては最高額だ。そして現在、バルサ側が用意している新たなオファーは次のようなものだ。年俸600万ユーロを380万ユーロに値下げする。そのかわりに契約期間を2年延長して2007年6月までというものだ。

■デ・ボエル、コクー、メンディエタ、ソリンの将来
今シーズンの終了と共に、最も将来が不安な選手が4人いる。今シーズンをもって契約が切れるデ・ボエルとコクー、そしてやはりレンタル契約が切れるメンディエタとソリンの4人。6月30日にそれぞれ契約が切れる彼らにとって、そしてもちろんクラブ側にとって大きな問題が存在する。それは彼らの将来を決定するのは現在の理事会なのか、あるいは新会長のもとに作られる理事会なのか、ということだ。すでに32歳となっているデ・ボエルにしてもコクーにしても、将来に関してはできるだけ早く決める必要がある。もし会長選挙が6月22日におこなわれるようだったら、彼らは新理事会誕生を待つまでもなく将来を決めておかなければならないだろう。

レンタルという立場でバルサでプレーしているメンディエタとソリンの場合はまた別となる。なぜなら彼らから動くことはできないからだ。ひたすらバルサ側の判断を待つ立場となるレンタル選手。メンディエタの場合、バルサはいずれにしても最低額として400万ユーロというレンタル料を支払わなければならない。もし全面的に買い取ると決定した場合は違約金として2400万ユーロが必要となる。またソリンの買い取りは600万ユーロと決められている。

バルサが他のクラブにレンタルしている選手も忘れてはならないだろう。今シーズンが終了すると共にレンタル契約が切れる選手、ジェオバンニとアルフォンソ。彼らの将来はいったい誰が決めることになるのだろうか。

■補強選手と放出選手
オーベルマルスやルイス・エンリケ、そしてプジョーなどの発言を待つまでもなく、今のバルサには新たな選手の加入による新たな空気の注入が必要だ。だがその加入選手の選択はこれまでのガスパー政権時代の誤りを深く反省したところで始めなければならない。ここ3年間でバルサが獲得した新たな選手の多くはベンチ生活、あるいはベンチにも呼ばれない状態におかれている。

今シーズン加入してきたエンケは3試合にしか出場していない。最近ではビクトルが控えキーパーとして呼ばれることが多いため、招集メンバーにも入らない。クリスタンバール(1670万ユーロ)は7試合出場、ダニ(1500万ユーロ)は2シーズンを通じて14試合というわずかなもの。ロッケンバック(1460万ユーロ)、アンデルソンはベンチ生活、ジェオバンニ、アルフォンソはベンフィカ、ベティスにそれぞれへレンタル、ガスパーの最初の契約選手であるジェラールや、鳴り物入りでバルサに加入してきたリケルメも期待通りの活躍を見せるまでには至っていない。

■ベースとなるカンテラ選手
新しい選手の登場に関して、決して否定的な話題だけではないバルサでもある。今シーズンを通じてもっとも安定したプレーを見せている一人の若きカンテラ選手がいる。ティアゴ・モッタがその選手だ。最近では特にマドリ戦とユベントス戦においてほぼ完璧な仕事をこなしたモッタだ。まだ20歳という若い彼にイタリアのチームが注目したとしても不思議ではない。すでにインテル、ミラン、そしてローマのスカウトマンが彼を見るためにカンプノウに訪れている。1200万ユーロという安い違約金もまた魅力の一つとなっている。だがバルサが彼を放出することはないだろう。なぜなら来シーズンからの重要な選手の一人として考えられているからだ。

モッタはカンテラ出身の選手。チャビ、ガブリ、プジョー、ビクトル、ナバーロ、イニエスタなど、今シーズン話題となったカンテラ出身の選手は多い。ここ3年間の多くの補強ミスを考えた場合、カンテラ出身選手を基盤としてチーム作りをしていくことは決して間違った道ではないだろう。そしてさらにバルサには“買い戻しオプション付き”のカンテラ選手が何人かいることも忘れてはならない。At.マドリに在籍中のルイス・ガルシア。彼は今回のスペイン代表に呼ばれるほど成長を見せている選手だ。彼の買い戻し金額は480万ユーロと定められている。そしてまだ20歳のレイナもまたビジャレアルで活躍を見せている。彼はわずか120万ユーロという買い戻し金でバルサに戻れる選手。彼と同い年のアルテッタの場合は少し微妙だ。なぜなら彼のポジションにはチャビとイニエスタが控えているからだ。だが検討の対象となる選手ではあるだろう。