8月9日 土曜日

■1チャンネル(0.9MB)
「これが我々が抱えている借金です」
そう報告するのは副会長のフェラン・ソリアーノ。ラポルタを筆頭とする理事会メンバーには多くのコンピュータ関係の仕事をしている人が多くいることから彼らのことを“ラポルタ・ドット・コム・チーム”と呼んだりする。また記者会見場でプレゼンテーション用ソフトのパワーポイントを使用して説明することが多いので“パワーポイントチーム”と呼ばれたりしている。

■2チャンネル(1.1MB)
選手たちが移動する時や、練習にかけつけたり練習から帰る時は“公式タイム”とされており、クラブ職員としてそれなりの行動が要求される。ファンに対するサインや写真撮影はプロ選手として当然のことであり、それを拒否されることはほとんどない。というわけでイングランドに向かうバルサ御一行様と遭遇した人々は大手を振って“権利発動”し、目的を達成することができる。

■3チャンネル(1.0MB)
ダニは、まあ、どうでもいいとして、久しぶりに登場の選手がマシアで練習している。ババンジーダだ。昨シーズンまでレンタル移籍していたテラッサとの延長契約は未だに未解決。バルサBに戻ることはあり得ないし、フラン・ライカーチームに参加することも今のところあり得ない。したがってテラッサで働けない場合は他のクラブを探すことが必要となってくるババンジーダ。いずれにしても、今のところバルサの選手ではあります。

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悲しい風景・イン・カンプノウ

そう、それは確かに悲しい風景だ。アメリカ遠征から帰ってきた選手たちが1日の完全休暇を終えてカンプノウでの練習に入っている。雰囲気はこれまでになく楽しそうな選手たちの顔が見える。特にボールを使っての練習ともなれば、グループごとに騒々しいほどの歓声が聞こえてくる。

だがもう一つのグループがいる。それはアルフォンソとリケルメだ。彼らはイングランド遠征にももちろん呼ばれてはいないし、したがって合同練習にも呼ばれていない。軽い負傷という表向けの言い訳はあるものの、合同練習をしている選手たちの周りを“義務的”に走り回っている二人の姿はやはり寂しいものがある。だがこの風景は彼らが新たなクラブに移っていくまで続くことになる。

リケルメは相変わらず記者会見への出席を拒否しているし、インタビューにも応じない覚悟だ。彼の思いは一つ、バルサに残るかボカに帰るか、二つに一つだ。
「ロマンみたいな選手がフットボールの現場にいないということはフットボール界の損失となる。」
そう語るチキ・ベギリスタインはリケルメのヨーロッパクラブでのプレーを望んでいる。実際、いくつかのスペインリーグに所属するクラブからのお伺いは来ているし、フランスやギリシャのクラブからのオファーも来ている。だがリケルメはそれを受け入れない。今のところ受け入れない。

サビオラも彼のことを心配する一人だ。
「ロマンが置かれている状況は我々すべての選手にとって辛いことだ。彼は我々の同僚であり仲間なんだからね。でも彼は強い人間だしインテリジェンスを持った人だからきっとこの状況から抜け出ることができると思う。もし我々に何かできることがあるのならもちろん手助けしたい。」

アルフォンソのケースはリケルメのそれとは若干違う。彼はクラブとの契約は1年しか残っていないから、来シーズンが終了すれば自由契約の身となり好きなクラブへと自由にいくことができる。したがって彼が次のように語るとき、彼の置かれているこのような状況を理解しないと不可解な発言と聞こえてしまう。
「年俸が低くなるのなら他のチームに行こうとは思わない。背番号ももらえず合同練習にも参加できないとしても、そして選手登録もされないとしてもバルサに1年間残るつもりだ。」

ミニエスタディで練習していたバルサBにも厳しい状況に置かれている選手がいる。もうすでに放出候補としてされているトラショーラスやレンタルされる可能性が高いトルトレーロにはそれほど厳しい表情はない。ナノのように新たな環境のもとで新たな出発を夢みることもできるからだ。だがその経験をすでに済ませて、その夢がしぼんでしまっている選手もいる。その代表がサンタマリアだろう。バンガールの手によって一部チームでデビューしたこともある彼は昨シーズンはオビエドにレンタルされていた。そのオビエドは三部リーグに降格、そして彼は再びバルサBの選手として戻ってきている。今のところ彼に届いているオファーは一つもない。そして彼の隣には同じような状況に置かれているババンジーダもいる。