|
|
|
9月1日 月曜日
|
|
■1チャンネル(1.2MB) バルサにとって偉大なシーズンとなるはずの2003−04開幕戦。真剣な顔をしてコンセントレーションをはかるロナルディーニョは何を思う? ■2チャンネル(1.5MB) ■3チャンネル(1.3MB) (映像を見るにはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから) |
|
ラッキー!
「もし昨シーズンに昨日の試合のような感じで戦っていたら間違いなく引き分けに持ち込まれていただろう。そしてもし運の悪い試合だったら負けていてもおかしくない試合だった。そう、少なくても昨日の試合に限って言えば、昨シーズンとの違い、今シーズンはツキがあるということかも知れない」 まるで典型的なカルッチオのチームのように、幸運な得点をあげてリードした後はがっちりと守りに守りまくってひたすら審判の笛を待つような試合、それが昨日のバルサのおこなった試合だ。だがカルッチオの良いチームのようにボールを奪った瞬間に素速いカウンターアタックをしかけるわけでもなく、二部落ち間近のチームのようにボールを奪った後は瞬時にそのボールを奪われるという情けないバルサでもあった。10人の選手が目的もなしにアッチャコッチャと走り回り、ボールを奪えばすぐに相手に奪え返される状態が続く後半45分間。ボールが自分のところにやって来てからの仕事がすべてとなるデランテロ・サビオラには1回として満足なボールが回ってこない。そして不思議なことに、そのサビオラは後半に入りオーベルマルスと交代される。誰が“9番”となったのか、そう、もちろんオーベルマルスではない、今シーズン加入してきたメディア・プンタのロナルディーニョが“9番”となる。プレシーズンの最中に本当に“9番”はいらないのだろうか、このテーマで議論が続いたバルサ周辺だが、開幕戦でいきなりロナルディーニョが“9番”という驚くべき光景が現れることになる。 フラン・ライカーが語る“ディフェンスを高めにあげてのプレッシャー”は一度も見られなかったし、“ボールを常に所有してのゲーム支配”という光景も見られなかった。まして“左右にエストレーモを起用して幅広い攻撃”などというワクワクするようなシーンは一度足りとして実現しない。なぜならエストレーモなど存在しなかったからだ。いや、バルサにエストレーモが存在しなかったのはこの試合でけではない。プレステージでのアメリカ遠征の試合をのぞいて1試合として左右のエストレーモが存在した試合がなかった。 クアレスマは面白い選手だ。一対一だろうが一対二であろうが、あるいは一対三であろうが負けることがわかっている勝負にガムシャラと挑んでいく。敗北した後の総括も彼にはない。だから同じことを何回も繰り返し勝負を挑んでいく。そして、神のいたずらか、たまに勝ってしまうのだ。それに比べ、オーベルマルスは勝負そのものをすでに諦めている感じがする。後半45分のみの仕事であるにも関わらず、前半のサビオラ以上にボールに触らない左インテリオール選手。プレステージでも一試合として目立った活躍をしていないどころか、元気のなさだけが目立つ彼を使い続けるフラン・ライカーは何を彼に期待するのか。 ゲーム支配も可能にならず、ボールを所有することさえできず、ボールを奪ってからのカウンターアタックもおこなえず、なにゆえ勝利することができたのか。それはコクーの言葉を待たずとも明らかだ。ツキがあったから。ビルバオのデランテロは、まるでクルイベルの“簡単ゴール”みたいにバタバタとシュートを外していく。そして5人ディフェンスで守りきったバルサにはジェラールというヘディングに強い選手がいて、彼がすべての高いボールを処理したからだ。 宝くじに当たったようなとてつもなくツキのある勝利。メディア的クラックのロナルディーニョも、バルサ魂のガッツも、ボクの合い言葉はゴールのコネッホも、まるで誰一人として存在しなかった試合での貴重な勝利。試合コンセプトとして守り抜くことがあったわけではなく、状況的に守りきらなければならなくなったバルサが勝ち取った勝利は、それでも相手を踏みつぶしての圧勝と同じ3ポイント。とにかくスタートの試合で3ポイント勝ち取った、しかもこれ以上のツキは望めない3ポイントを獲得した。こりゃ、開幕試合から縁起がええぞ!と、そう考えよう! |
|