ロナルディーニョは思う
“フランス・フットボール”誌のインタビューに答えるロナルディーニョ。もちろんバルサやスペインリーグに関する質問がほとんどだ。意地の悪いフランス人は何でマドリに行かなかったのかというバカな質問からインタビューをはじめる。
「マドリ?うん、確かに良いチームだは思うよ。でも彼らに恐怖を覚えるなんてことはないさ。バルサだって良いチームだからね。自分もプロのフットボール選手だから多くの優れた選手に囲まれてプレーしたいと思っていたんだ。バルサというクラブにはそういう環境があったから来たんだよ。ルイス・エンリケ、クルイベル、サビオラ、言いだしたらきりがないほど良い選手がいる。」
まずは我らがバルサ選手ロナルディーニョとして、快調な滑り出しのインタビュー。
もちろん歯の浮いたことばかりチャラチャラと語るロナルディーニョではない。真面目に現状分析も怠らない。
「すべてがうまくいっているわけではないが、まったくひどいという状況ではない。我々はまだのぼっていく段階であって、これから多くの試合を通してお互いの理解を生んでいかなければならないと思う。しかもバルサの置かれている現状は、ここ4年間にわたってタイトルをとっていないという切羽詰まったものだ。だから今シーズンは何がなんでもタイトルを取りに行く。」
そうそう、そのいき。
選手やクラブだけではなく、フラン・ライカー監督やジョアン・ラポルタ会長に関する質問までしつっこくするフランス人記者。
「フラン・ライカーは元選手であったこと、それもすべての可能な限りのタイトルを獲得した素晴らしい選手であったこと、そういうことが彼の強みとなっていると思う。。例え言葉が通じなくても同じ“共通語”で話しあうことができる。ラポルタ会長は、もちろん自分よりは年上だけれど、何か同じようなジェネレーションの感じがする人だ。クラブの会長と二人きりになった時に、ボールで遊んだり、フットボールに関する会話をしたのは生まれて初めてのことさ。」
彼が言っているのはプレゼンテーションがおこなわれる数分前の控え室でのこと。ラポルタと彼がパスの出し合いをしてプレゼンテーションが始まるのを待っていたことを言う。
彼は今までのブラジル選手たちよりは、例えばロマリオやロナルドやリバルドたちよりも、バルサというクラブやバルセロナという街に溶け込むのに時間が必要なかった選手。そこら辺をフランス人記者は見逃さない。
「それは自分でも驚いていることさ。新しいクラブ、新しい街、そして新しい人々、すべてが新しいものだらけなんだけれど、もう今では何年もいる感じがするね。地中海に面した街ということもあって気候は温暖だし、人々もラテン人そのものだから自分にあっているんだろう。」
まあ、そういうことは今まで来たすべてのブラジル人が言っていましたけれど、溶け込むのに時間がかからなかったのは彼の性格でしょう。
すべての人々とうまくいっていると語るロナルディーニョだが、もちろん“普通”の人よりは“特別”にうまくいく人がいてもおかしくない。人間、肌に合う人と合わない人がいるんだから。
「そういう意味でいえば、パトリック・クルイベルとは非常に馬が合う仲だ。彼はオランダ人と言うよりはブラジル人に近い感じさ。もちろん同じ言語をしゃべる人々、例えばモッタだとかクアレスマなんかとも特別うまくいっていると思う。」
パトリックがブラジル選手9番だったら、もう少しゴールが決まる感じがしますが。
これはフランスメディアによるインタビューであるからして、当然ながらロナルディーニョが以前在籍していたPSGとバルサの比較についての質問が飛ぶ。
「それは比べものにならないよ。ここには10万のソシオがいて、その人たちだけでカンプノウが埋まってしまうようなところなんだから。カンプノウでプレーしていると時々マラカナを思い出す。それだけでどかいスタディアムなんだ。しかもバルサに関することでバルセロニスタが毎日毎日喜んだり悲しがったりするところなんだぜ、すげえだろ!」
オッレッ、オッレッ、オッレー、ロナルディーニョ!
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