9月30日 火曜日

■1チャンネル(1.6MB)
モッタがやっと復帰してきたと思ったら見事に散ってバレンシア戦はサヨウナラ。

■2チャンネル(1.0MB)
こんなに怒ったチャビを見るのは初めてだ。
「バカ野郎、俺が蹴ることになっているのに何でお前が蹴るんだ!バカ野郎、バカ野郎、俺は15年もバルサにいるんだぞ!ついこの間きたばっかのお前が何で俺のボールを横取りしたんだ、バカ野郎、バカ野郎!」

■3チャンネル(1.1MB)
このドスのきいた声は20歳の青年の声ではありません。そんなことはともかく、バルサのゴールを10年間守るポルテロがようやく誕生しました。

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なぜかベタホメのカタランメディア

エスポーツ紙が“闘争心のたまものによる貴重な1ポイント”“9人のヒーローたちによる引き分け”とぶちかませば、ムンド・デポルティーボ紙も負けじと“ブラボー・バルサ!”“引き分け以上の価値がある1ポイント”ときた。終わってみれば確かに9人のバルサではあったけれど、このカタランメディアのばかばかしくも大げさな評価の仕方はシロウトにはわからない。

チキ・ベギリスタインが新しいメンバーによる新しいバルサを構築したいと考えるならば、現場の監督であるフラン・ライカーには彼なりの違う構想があるようだ。それは同じメンバー、つまりここ4年間なんのタイトルも獲得していないことの張本人たちである相変わらずの同じメンバーによるチーム構成、だが彼らのポジションを変えたチーム構成によるバルサだ。これまでの試合では昨シーズンまで中盤の選手だったコクーがセントラルに、右ラテラルだったレイジゲルもセントラルに、そしてセントラルであったプジョーが右ラテラルへ、ルイス・エンリケやサビオラに関しては試合ごとに違うポジションとなる。そして昨日のフラン・ライカー・バルサは再び新たな編成のもとにAt.マドリ相手に戦うとことになった。

これまでなにゆえ干されていたのか誰もが理解できなかった本職セントラルのマルケスがようやく登場、そしてコクーはピボッテとなりモッタ、ジェラールと共に中盤を厚くする役目を言いわたされた。ルイス・エンリケはもちろんエストレーモではないし、昨日もポジション的には右サイドに入ったがサイド選手でもなかった。彼はラテラルのプジョーと共に右サイドの守備的な役割を果たすことになる。象徴的な出来事は、どこがどのようにオスカー・ロペスより良いのかわからないジオはそのまま、そしてオスカー・ロペスとイニエスタはベンチに入れれず観客席からの観戦となった。そしてサビオラ、彼はベンチにこそ座る権利を与えられたものの、試合に出場する権利まではついに与えられなかった。ゴール不足のバルサに唯一ゴールを約束してくれるサビオラはベンチ、90分間ベンチに座り続けたサビオラ。彼らの将来はフラン・ライカーが監督でいる限り、とてつもなく厳しいものとなる。

トリデンテもエストレーモも放棄したフラン・ライカー・バルサは、中盤をひたすら厚くすることにより中盤での試合展開を圧倒しようとするアイデアだ。ラテラルのプジョーやジオは滅多に攻撃に参加することなく、ひたすら守備に専念。がっちりと守備を固め、何かの拍子にゴールを決めればひたすらそれを守りにいくというこれまで通りのフラン・ライカー・フットボール。いや、これから彼のことはフランシスコ・ライカーノと呼ぼう。彼の頭の中にはミラン時代のフットボール理念がつまっていることは誰もが否定できない事実。だがアリゴ・サッキ・ミランが完成したのは1年や2年のことではない。したがって今年限りか来年限りのフランシスコ・ライカーノにはミランバルサを完成することは不可能だ。

だが、試合内容だけではなく結果に関してもしっかりとカルッチオになっている。これまで5戦して2勝3分け負け知らずのバルサ。試合内容が変わることは決してないだろうが、この結果が途切れることもないかも知れない。ひたすらポイントを稼いで優勝戦に食い込む可能性だってあるだろう。だが得点能力だけは変化がない。これまでわずか5点(そのうち2点は相手選手に当たって入ったゴール)しか獲得していないバルサにとって、急激な得点能力は望めない。イニエスタ、オスカー・ロペスがベンチにも入れず、サビオラやチャビ、セルヒオ・ガルシアには信頼感を持っていないフランシスコ・ライカーノ。彼のお好みは身長が高いことにある。At.マドリ戦に出場したバルサの選手の平均身長は1.82m、これまでのバルサでは考えられない平均身長だ。

一人一人のソシオやバルセロニスタに好みの選手がいるわけだから、すべての人々を満足させる“11人のスタメン”を作るのはは不可能だ。したがって誰が出場しようがバルサが勝利すればそれはそれで満足すること。これまでのフランシスコ・ライカーノ・バルサは試合内容がどうであれ結果的にはかろうじて首位戦線にくい込もうというところまできている。何らかのタイトル獲得の可能性もなきにしもあらず。だが、カンプノウで試合観戦を楽しもうなんてことは考えない方が良い。ハラハラドキドキ試合は数限りなくあろうとも、胸のすくようなスッキリ試合はないと覚悟しよう。