10月4日 土曜日

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カンプノウでおこなわれる試合前にはフィエスタがつきものとなった今シーズンのバルサ。真夜中のセビージャ戦に始まり土曜日の変な時間におこなわれたオサスナ戦では試合前に各種の催し物がおこなわれた。そう、フィエスタは悪くない、決して悪くはないが、本当のスペクタクルな試合、ゴールが入りまくる試合、それが本当のフィエスタにならなくっちゃ!

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練習に10分遅れてきたロナルディーニョ。もちろん罰金刑に処されました。嬉しいことに、色白となったナバーロの練習風景が見られるようになった。

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アステカでの収穫

アステカでの収穫、それは親善試合の売り上げとしては驚異的な150万ユーロという資金を獲得したことだけではない。もっともアステカにいかなくてもすでに多くのバルセロニスタには認識されているイニエスタの価値、それがアステカで再認識されたと言った方が正しいかも知れない。この試合にスタメンとして出場したアンドレ・イニエスタはこれまでのバルサに欠けていたボールのスピード、奥行きのある攻撃、そして相手ゴールに一直線に向かう攻撃スタイルを復活させることに成功した。

メキシコでの親善試合では今シーズンのバルサの典型的な姿があったことも確かだ。ゴールを奪う運に欠けているデランテロ陣、そして相手ゴールをいとも簡単に許してしまうディフェンス陣。これまでの試合と違うことは、ゴールこそ奪えなかったもののゴールチャンスには事欠かなかったことだろう。20回近くあったゴールチャンスをものにできなかったバルサだが、このゴールチャンスはどのようにやってきたか。多くのチャンスがイニエスタがらみのものだった。

アンドレ・イニエスタはフラン・ライカーが好む身長の高い選手ではない。またフラン・ライカーが好むフィジカル的に強い選手でもない。グランド狭しと走り回る選手でも決してない。歩いている風景が多く見られるイニエスタにとって、走ることはあまり必要ないのだ。なぜなら彼の頭の中の回転は100mを10秒で走り抜く選手のスピードを超えるからだ。ボールが彼の足下に来る3秒前には同僚の選手がどこにいるかすべてを把握し、ボールが足下に来る1秒前にはどこにボールをだすべきかをすでに認識している。だから彼にはドリブル技術は必要ないし、ワンタッチあるいはツータッチでボールを処理すればいい。しかも的確なスピードで的確な場所へのパス技術は人一倍もっているイニエスタだ。

そしてこのイニエスタのプレーに誰よりも理解を示して動きまわったのがルイス・ガルシアだ。右のクアレスマのような驚くべきテクニックを持つわけでもないルイス・ガルシアだが、クアレスマには欠けている“効率の良さ”が彼の特徴と言える。もちろん彼にボールテクニックが欠けているわけではない。クアレスマがこれまでバルサの選手としてプレーし、得意のボールテクニックを披露してくれているがそのうち90%が無駄なフェイントであったりドリブルであったりしているのに比べ、ルイス・ガルシアが親善試合で見せたのはあくまでもゴールに向かう“効率的”なテクニックだった。オーベルマルスのようなスピードには欠けるものの、奥行きある試合展開を心がけたプレーには今後の期待がもてるだろう。

このアステカでの試合で多くの収穫を得ようとしたフラン・ライカーは、一つのテストをしている。モッタ、コクーが出場できない明日のバレンシア戦を想定した一つのテスト、それは左ラテラルにオスカー・ロペスを起用し、左インテリオールの位置にジオを配置したことだ。4人ディフェンス、3人の中盤選手、つまり右からジェラール、チャビ、そして左にジオ、さらに彼らの前にロナルディーニョ、ルイス・エンリケ、そしてクルイベル。この配置を模索したフラン・ライカーだが、残念ながら好結果がでたとは言えない。これらのテストをする前に登場していたイニエスタがあまりにも目立つ活躍をしたからだ。このアステカで勝利した唯一のバルサ選手、それはイニエスタをおいて他にいない。