11月11日 火曜日

■1チャンネル(1.3MB)
お初二人。リーグ戦最初のゴールを決めたクルービーとマルケス。

■2チャンネル(1.0MB)
笑顔が消えたロナルディーニョ。だいじょうぶ、クラシコには間に合うさ。

■3チャンネル(1.1MB)
「ファンからの拍手が気持ちよくプレーできる環境を作ってくれる。それはプロ選手として最高の気分。もう俺はバルサを出ていかない。」

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5分でいいからチャンスを!

「続けさせて、だいじょうぶ、プレーできるから、本当に。5分だけでいいから、ほんの5分だけでいいから続けさせて!」
たぶん、右足に痛みを感じた瞬間から筋肉裂傷の可能性まで予想していたであろうロナルディーニョ。だが彼はそれを認めたくないかのようだった。
「まだだいじょうぶ」
それはフラン・ライカーに語っているというよりは自分自身に語りかけている励ましの言葉だった。あるいは真実を認めたくなかったのかも知れない。いずれにしても彼はプレーを続けたかったのだろう。バルサに、そしてこの試合に、彼の存在が必要だということをわかっていたという以上に、彼は負傷なんかで途中交代させられることが耐えられなかったのだ。
「テープを巻いてくれ、お願いだからアンヘル!急いでテープを腿に巻いてくれ!すぐにグランドに出なければならないから。」
マッサージ師のアンヘル・ムールに懇願するロナルディーニョ。アンヘルは右足太股に何重にもきつくテープを巻きはじめた。彼の隣にはバルサドクターのルイス・ティルが心配そうに立っている。
「アンヘル、もうじゅうぶんだ。テーピングは何の役にもたたない。これ以上危険を犯す必要はない。」

フラン・ライカーはロナルディーニョを即時に交代させるためにクルイベルに体を温めるように命令している。だがテーピングが終了したロナルディーニョはすでにグランドに走りだしてしまった。もちろんビッコを引いて。監督の言葉も、バルサドクターの言葉も、彼は聞く耳をもたなかった。
「ロナルディーニョ、1分だけだ!いいか、1分だけだぞ!」
フラン・ライカーの声がロナルディーニョに向かって投げかけられる。その声が彼に届いていたかどうか、それはロナルディーニョしかしらない。だが彼の右足はその1分というチャンスにも耐えられないほど痛みつけられていた。彼がグランドに戻ってから30秒もたたないうちに彼の方からベンチに向かって交代要求のしぐさが送られた。

試合後に右足負傷部分を診察したバルサドクターのルイス・ティル。翌日におこなう精密検査で正確な負傷具合がわかるものの、彼の長年の経験で筋肉裂傷の可能性が大であることがわかっていた。
「3センチ程度の裂傷か?」
痛みを覚える箇所を診察しながら彼は想像する。だがこればかりは実際に精密検査をしてみないと何センチの裂傷かは知ることができない。筋肉の裂傷は1センチにつき1週間のリハビリが必要となる。3センチだったら3週間、4センチだったら4週間。試合後の記者会見に呼ばれた彼は、あくまでも精密検査の結果をまたないと確かなことは言えないとしながら
「3〜4週間程度の負傷ではないか」
そう語っている。だが器械を通しての精密検査の結果は予想を2センチ上回るものだった。筋肉裂傷5センチ、したがって5週間のリハビリが必要と発表された。

5センチの裂傷でも4週間で完治する場合もあれば、人によっては6週間かかる場合もある。唯一の明るい材料、それはロナルディーニョは負傷から立ち直る期間がこれまで一般の人よりも早いことだ。特に筋肉関係の負傷は精神的な問題も関係してくると言われている。あと4週間後に控えた世紀の一戦に向けて、ロナルディーニョの必死の戦いが開始された。
バモス、ロナルディーニョ、バモス!