3月17日 水曜日

■1チャンネル(1.2MB)
Futbol per la pau !!!

■2チャンネル(1.5MB)
オーベルが何かの拍子に本気になって走り、真剣に一対一の勝負に挑めば今でも世界最優秀エストレーモ。問題は、そのやる気がシーズンを通して2、3回しか見られないということだ。素質だけをとれば・・・まったくもったいない選手です。

■3チャンネル(1.2MB)
「マーク!やる気あるのか!」
毎度お馴染みの風景となっているプジョーのオーベルに対する叱咤風景。

(映像を見るにはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから)


クラック・テヌキ・オーベル

ムルシア戦で負傷したルイス・ガルシアに代わり前半途中から登場したマーク・オーベルマルス。前半は右インテリオール選手として、後半は彼の好きな左インテリオール選手としてプレー、バルサ2点目につながる彼ならではのスピードをいかした素晴らしい活躍を示した。自陣内でチャビのパスを受けて左ライン際を走り抜ける彼を誰も止めることは出来ず、最終的にロナルディーニョへのセンターリングがゴールの元となっている。スピードをいかしてのこういうプレーがオーベルの持ち味であり、この点だけをとれば現在のフットボール界における最高のエストレーモ選手の一人と言える。そう、こういうプレーだけを見れば。

クラブ歴代の最高の移籍料を支払って獲得したアヤックス、アーセナルのスター選手マーク・オーベルマルス。本格的エストレーモ選手が少なくなってきた現在、彼はその誰にも負けないスピードをいかしたプレーさえ心がければいまだに優秀なエストレーモ選手であることは間違いない。それだからこそバルサは彼を多額の移籍金を投入して獲得したのだ。だがバルサに入団してきて4年目となる彼は、残念ながら期待した多くの人々の納得いくところとはなっていない。不運、それは確かにあるだろう。毎シーズン、何かの故障を訴えシーズン通してプレーすることが可能とならなかった彼にとって、現場復帰のたびにリズムを取り戻すことは容易なことではなかっただろう。だが、その不運以上に彼の成功を不可能としている一つの要素、それは多くの人々が見る限り、そして少なくてもバルサの選手になってからの彼を見る限り、フットボールに対する集中力や持続力がとてつもなく欠如していることだ。

それが彼のキャラクター、そう言ってしまうとそれまでだ。だが多くのバルセロニスタが彼に期待したのはムルシア戦での2点目のようなプレーであることも確かなことであり、そういうプレーがシーズンを通して2回あるいは3回しかないことに不満を感じているのもまた確かなことだ。もしムルシア戦での、前半の手抜きプレーはナシとして、後半のようなキレのあるプレーが毎試合と言わず、3試合か4試合に1回でもいいから見られることができるのなら、そう、多くのバルセロニスタはそれで満足するかも知れない。だが、そうは問屋が下ろしてくれないオーベル。

クラブは負傷期間中の選手に対してカンプノウでの試合には観客席での観戦を義務づけている。だがオーベルマルスがオーベルマルスらしいのは、この負傷期間が長い選手であるにも関わらず、何らかの理由をつけてはカンプノウでの観戦を欠席するのが多いことだ。選手同士でおこなわれる食事会にも欠席することが多々あるオーベルマルス。語学が堪能なオランダ人選手が多いの中、片言のカステジャーノをしゃべり始めたのが入団してきてから3年目という事実が何よりも彼の生活環境を物語っている。

骨董品を始め多くのものを蒐集することが趣味の彼は、残念ながらグランドの中での好プレーの蒐集家となならない。グランドを少しでも離れれば彼の頭の中はもう別世界のところに行っているようだ。練習開始時間、移動の際の集合時間、次の対戦相手、上位チームとのポイント差、スピードのあるオーベルだがそれらのことを知る最後の人物となるのが常に彼となるのがこれまでの慣習と言っていい。素晴らしい素材を持ちながら、誰しもが憧れるスピードを持ちながら、そしてとてつもなく豊かな経験を持ちながら、それをいかすことをしないオーベル、もったいない選手です。