3月23日 火曜日

■1チャンネル(1.2MB)
フェリス クンプレアーニョス!

■2チャンネル(1.3MB)
「チョコレートケーキは大好物」
ジオ、サビオラ、ガブリ、オラゲール、ルイス・ガルシアが誕生日を祝福。

■3チャンネル(1.3MB)
世の中がカラーの時代になってから初の9連勝。

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「人生最高の瞬間!」

そう語る試合後のロナルディーニョ。勝利につながるゴールを決めたこと、この日が24才の誕生日であったこと、そして観客席には彼にとって「この世で最も美しい人」である母親のミゲリーナが来てくれたこと。それらのことが一つとなって「人生最高の瞬間」をカンプノウ6万人以上の人々と共有したロナルディーニョだ。

ブラジルのポート・アレグレから来たばかりのミゲリーナはパルコに陣取り、息子のプレーを中心に90分間一人のバルセロニスタとして試合を楽しんでいた。
「バルサ!バルサ!バルサ!」
そう叫ぶ彼女の目には涙さえ浮かんでいた。これほど息子が楽しそうにプレーしているのを見たことがないミゲリーナ。観客席を埋めるバルセロニスタはロナルディーニョの名前を連呼している。素晴らしい街バルセロナ、素晴らしいスタディアム・カンプノウ、そして素晴らしい応援を続けるバルセロニスタ。そのファンには一切の“暴力”はないし、家族連れや年輩の人々が目立つ。彼女がこれまで見てきたスタディアムの雰囲気とは明らかに違うカンプノウ。
「本当にバルセロナに来てよかった。本当に素晴らしいところだわ。」
そう語るミゲリーナ。

「テレビではどう見えるかわからないけれど、自分の位置からはまったくボールの軌道が見えなかった。気がついたときにはボールはすでにネットに突き刺さる瞬間さ。」
レアル・ソシエダのバスクポルテロであるアルベルトがそう振り返る。だがそのボールを蹴ったロナルディーニョには試合後もはっきりとボールの行方が脳裏に刻まれているようだ。しかも絶対的な信頼感があったと語る。
「土曜日の非公開練習であのポジションからのフリーキックを何回も繰り返して練習したんだ。だから、気分的には絶対のトッテモシンライカーがあった。」

これまでロナルディーニョは30回以上もフリーキックを担当し、このゴールを含めて2ゴールしか記録していない。決して素晴らしいパーセンテージとはお世辞にも言えないだろう。だが、それでもクラックがクラックとして登場してくるところが、やはりクラックなのだ。誰もが感じていた引き分けという嫌な雰囲気の試合で、試合終了まで残り1分という劇的な場面でのゴール。いやが上にも盛り上がる舞台設定がなされた状況でのゴール。

ブラジルの“オ・グローボ”という新聞にロナルディーニョのインタビューが掲載されている。先週の水曜日におこなわれたインタビュー記事だ。そこで彼は次のように語っている。
「バルセロナという街で、そしてバルサというクラブで、これまで経験したことがないような幸せな生活を過ごしている。フットボール選手として、そして一人の人間として、ここでは何も不足しているものがない。毎日の練習で新たな何かを学んでいるし、テクニック的にもだいぶ上達したと思っている。頭でも、肩でも、そして背中でもボールを操作できるようになったしね。そして人間的な意味で言えば、この街でアイドルとなるということがどれほど素晴らしいことか、それはバルサの選手にならない限り誰も理解できないだろうと思う。同僚達も素晴らしい選手ばかり。毎日のように同僚の誰かと夕食を食べに外にでることが日常となっている。これまでになく幸せな毎日さ。」
この記事が“オ・グローボ”の日曜版に掲載されたその日の夜、つまり試合が終了してからのインタビューを締めくくるにあたり、次のように語ってミゲリーナと一緒に家路に向かっている。
「フットボール選手として、そして一人の人間として最高の瞬間の一つを迎えているんだと思う。これ以上のことを望むのは不可能なことだ。そしてこのゴールをすべてのバルセロニスタに、試合には出場できなかった選手も含めたすべての同僚に、そして母親のミゲリーナに捧げたい。」