5月19日 水曜日

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これほどラッキーな見送り方をされた選手も少ない。

■2チャンネル(0.9MB)
ルイス・エンリケのお母さん、奥さん、子供たち、そして何人かの友人たち、彼らにとってもこの試合は特別な試合。

■3チャンネル(1.3MB)
パッチョとシーラという名前の可愛い子供たちもインタビューに参加させ、ここ2、3年はどうなるかわからないものの、将来はバルセロナに住むことになるだろうと語る。

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選手たちとの交渉は表向き中断中

今週日曜日21時におこなわれるリーガ最終節サラゴサ戦、バルサにとってとてつもなく大事なものとなってきた。引き分けという結果でもマドリがソシエダ相手に4点以上のゴール数で勝利しなければリーグ2位が確保できるバルサであるものの、あくまでも勝利を目指すと語るフラン・ライカー監督。今シーズン、これまでここ一番の試合に2回の決定的な敗北を喫したバルサ、つまり国王杯戦で対戦したサラゴサとの試合、そしてUEFAカップでのセルティック相手の敗北、この敗戦の教訓をいかして今度ばかりは失敗が許されないバルサだ。したがって選手たちの集中力をすべてこの試合に向けるために、今週中に予定されていた何人かの選手たちとの来シーズン以降の契約問題をシーズン終了後におこなうことに決定したと語るクラブ首脳陣。

とは言っても今年はユーロ2004の大会もあり、代表に呼ばれる選手たちはスケジュール的に忙しい時期を迎えることになる。もちろんそのために各選手代理人という交渉役がいるものの、大事な大会を前に来シーズンのことを決定しておきたいと考える選手たち。したがってクラブ首脳陣が表向きは交渉中断と語りながらも、水面下ではもちろん何らかの交渉が進められるはずだ。クラブにとって最も交渉を急がなければならない選手たち、それはダビッツ、コクーの二人だろう。

左ラテラルのジオとの交渉はほぼ終了している。彼個人とは3年間の契約がすでに口頭でなされている。レイジゲルに関してはベレッティ獲得が実現したこともあり、クラブとしては彼の新契約にはあまり興味を持っていないというところだろう。これまで手取り300万ユーロという年俸をとっていた彼に、新たに示したオファーが100万ユーロ、だがこの数字は税込みなのか手取りなのか、そこが明らかにされいない。いずれにしてもクラブにとって急ぐ交渉ではない。まだ契約が残っているものの、パトリック、オーベルマルス、そしてジェラールという来シーズン構想に入っていない選手たちとの交渉はかなり長引くことが予想されるし、しかも彼らの場合は移籍先クラブの問題もあるため、急ごうにも急げない理由がある。したがって、ダビッツ、コクーの二人のみが交渉を早急に煮詰めていかなければならない選手たちだ。

コクーの残留交渉は当初考えられていたものより長引いたものとなっている。フラン・ライカー体制のもとで、最も優先的に起用された選手であるにもかかわらずクラブ側が示してきたオファーにコクーの代理人は少しも満足していないようだ。今シーズンの初めの交渉で年俸引き下げ案に妥協することになったコクーだが、来シーズンの年俸は少なくても今シーズンのそれを上まわるものを出してくるだろうと思っていたという。だがクラブが示してきたオファーは、今シーズンのそれよりも低いものだった。コクーがバルサに残ることになるか、あるいは新天地を求めて旅立つことになるか、今の段階では非常に微妙なところだろう。

コクーよりさらに微妙なのはダビッツとの交渉だ。クラブ側が提示したオファーによれば契約期間が2年+1年のオプション、ダビッツ側が要求しているのは3年+1年のオプション、そして契約期間以外にも相違が見られるのは年俸の問題だ。

ダビッツはこれまで何回もバルサに残りたいという発言を繰り返してきている。実際のところ、彼がレンタルでバルサに入団してきた時の契約条項にもすべての交渉はバルサが優先するというものがある。だが、それはあくまでもオファー年俸が同じ金額の場合であり、もし他のクラブがバルサ以上のオファーを出してきたらバルサに彼を留める権利はない。もちろん30歳になるダビッツにとって最後の契約となる以上、多くの年俸を示すクラブを優先したとしても不思議なことではないだろう。だがバルサ首脳陣はそのことを理解した上で、現在のオファーに上乗せしてまで彼を獲得する意志はなさそうだ。新政権となってから作り上げてきた年俸体制を執拗に守り続けようとするクラブ首脳陣。非常識な年俸をダビッツに支払う気はない。

コクー、あるいはダビッツ、彼らがバルサに残留することになるかどうか、それはシーズン終了後、それもサラゴサ戦が終わり次第早急に決まることが考えられる。“往く人来る人”に多大な興味を示すファンのみなさん、それまではおあずけ。