|
|
|
5月20日 木曜日
|
|
■1チャンネル(1.7MB) 今シーズンのカンプノウの試合で記憶に残ることになる試合はゼロ、ゼロ、ゼロ、一試合もない。カンプノウクラシコは記憶から強制的に消されるものとなったし、ガッツのサヨナラ試合は彼に関するセレモニーだけで、試合そのものはひどいものだった。テレビで見たこの試合が唯一記憶に残るものというのは寂しい話。この試合に敗北したマドリはそれまで抱えていた傷口に塩をギュウギュウと塗られたように、さらにさらに痛みを覚えながら地獄の底に落ちていった。 ■2チャンネル(0.9MB) ■3チャンネル(1.2MB) (映像を見るにはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから) |
|
方向転回を迫られるマドリ 二つの意味で方向転回が迫られているレアル・マドリ。一つは純粋にスポーツ的な意味で、もう一つはクラブ財政、つまり経済的な意味での方向転回。フロレンティーノ・ペレスが会長に就任して以来、“ジダーン野郎たちとパボ〜ン坊ちゃんたち”路線、つまり超メディアクラック選手を毎シーズン一人獲得し、チームの基盤となる労働者選手はカンテラから補充、それが“ジダーン野郎たちとパボ〜ン坊ちゃんたち”というキャッチフレーズが意味するものだった。そしてその超メディアクラック選手たちを引き連れて、まだフットボールビジネスが未開拓な地域におもむいてのマーケティング・ツアーによりクラブ財政を豊かにしていく、この二つがフロレンティーノ・ペレスの発想だった。だが、ここに来て、その方向性に危機という素晴らしい状況が押し寄せてきている。 “ジダーン野郎たちとパボ〜ン坊ちゃんたち”路線の破産、それはアンチマドリというエグイ心意気を持っていない人々にも明らかなことだ。パボ〜ン坊ちゃんはベンチに追いやれ、名前さえよくわからないパボ〜ン坊ちゃん第2号や第3号や第4号たちも意味もなくベンチに座り込み、あるいは監督の思いつきでたまに試合に出場すれば期待にそぐわない活躍を見せてきた。バルサのカンテラ選手オラゲールがチームにとって非常に難しい時期に登場し、まるでベテランのような働きをしているのとは大違いのマドリカンテラ。したがって彼らパボ〜ン坊ちゃんたちが計算できないのであれば、やはり外から連れてこなければならない。これがフロレンティーノ・ペレスに迫られている一つの方向転回だ。 今シーズン開始前にフロレンティーノ・ペレスが打ち上げたアドバルーンは3大タイトルの獲得だ。つまり国王杯、リーグ、そしてチャンピオンズ、これらのタイトルを総なめにしていこうという大々的に広げられた風呂敷。一方我がバルサと言えば、幸運というか惨めというか、その風呂敷さえ持っていなかったゆえリーグ戦4位以内という、クラブ歴史上初と言って良い非常に控えめな目標を上げていた。 3大タイトルを獲得することが目的である以上、まさかリーグ順位3位とか4位になることなどはコレッポッチも考えていなかったフロレンティーノ・ペレス。したがって来シーズンが始まる前のオフシーズンにおこなうアジア・アメリカツアーには、もちろんチャンピオンズ予備選のスケジュールなんか無視されていた。このツアーから得られる莫大な資金が来シーズンの年間予算の重要な位置を占めるはず・・・だった。だが、もし2位以内に入れずシーズンが終了することになれば、大幅なスケジュールの組み替えを強制されることになる。 いずれにしても、アドバルーンを上げ続けなければ延命しないフロレンティーノ・ペレス内閣、来週の月曜日には早くも何らかのメッセージがメレンゲ族たちに対して送られることになるだろう。決定的に決定的なこと、それはカルロス・ケイロスの更迭が発表されること、そしてその後釜にはアントニオ・カマッチョが収まる可能性が大だ。超メディアクラックの獲得発表までにはまだ時間がかかるだろうが、ローマのサムエルあたりの獲得は発表されるかも知れない。一つもタイトルが獲れなかっただけではなく、シーズン終了間際の惨めな試合展開に対して業を煮やしているメレンゲ族に明るいニュースを、それがフロレンティーノ・ペレスのとりあえずの仕事。さてさて、今度はどんな色でどんな大きさの風呂敷が見られるか、あるいは最初から白いハンカチが振られるか、すべて来週以降のお楽しみだ。 |
|