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5月31日 月曜日

■1チャンネル(1.3MB)
相変わらず不細工な“インディー”サモラーノ、相手チームの監督をしてくれたサー・ロブソン、相変わらずいい男だのうマンチーニ、バルサ・カンテラ係アモール、お久しぶりセルジにナダール、記念品授与係のラポルタ、同じく記念品授与係のブルガリア首相、そして10年ぶりに1m以内に近づいたレシャックとクライフ。カンプノウにはこの手の試合には珍しく3万人強の人が集まり、ブルガリアからも3千人の人が押し寄せ、驚くことにブルガリア首相まで来てしまうほどの影響力を持つウリスト・ストイチコフ。

■2チャンネル(1.0MB)
三大テノール歌手の一人であり強烈なバルセロニスタでもあるジョセップ・カレーラス。彼は今から20年前ぐらいに白血病で倒れ長いこと入院していた経験を持つ。そして退院してきて以来“白血病患者を助ける基金”を作っている。この試合の売り上げの一部はその基金に贈られる。二人の娘を両脇に抱えて目尻が下がるウリスト親父。

■3チャンネル(1.8MB)
お祭り男がお祭り男と呼ばれるのはお祭り試合でもお祭りする能力を持っているお祭り野郎だからだ。

■5チャンネル(1.3MB)
後半20分過ぎにピッツイと交代するウリスト。このウエンブリーの時に着ていたユニフォーム、懐かしいっす。

■6チャンネル(1.2MB)
“リバ〜ルド、リバ〜ルド、リバ〜ルド”
“リバ〜ルド、リバ〜ルド、リバ〜ルド”
“リバ〜ルド、リバ〜ルド、リバ〜ルド”
彼が登場したとたんに起きたリバルドコール。ボールを持つたびにリバルドコールが起きる。他のスタディアムのことは知らないけれど、これがカンプノウの良さの一つ。そして彼がバルサ選手中にブーイングをした野郎たちもきっとリバルドコールをしているのだろう。そこら辺が変なクラブ。

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明日のために、最終回

■チキ・ベギリスタインの考えるバルサ
バルサフットボール部門の“ディレクター”という、かつてバルサには存在しなかった役職を務めるチキ・ベギリスタイン。メノッティ時代にも、テリー・ベナブレス時代にも、そしてクライフ時代にも存在しなかったディレクター職。確かにバンガール時代にはロブソンが、セラ・フェレール時代にはカルラス・レシャックが、そしてレシャック時代には立場が逆となったセラ・フェレールがそれぞれ“ディレクター”と呼ばれていたことがあった。だが現在のチキ・ベギリスタインが持つ権力と彼らが持っていたそれとは比較にならないものだ。レシャックやセラ・フェレールのそれは単にクラブとの契約期間が残っていたから外見上そう呼ばれていたに過ぎない。したがって彼らには“放出選手・加入選手”を決める実権や、チームとしてどのような戦い方をしていくのかというクラブ戦術に口を挟む権利はなかった。だが、チキ・ベギリスタインは違う。彼には“新星バルサ”創設に関するすべての権利と同時に責任が与えられている。

もちろん来シーズン・バルサ構想を練るに当たって“デザイナー”となるのは彼だけではない。彼と同じように責任を持つ立場となる監督のセニョール・ライカー、そしてこの二人の絶対権力所有者に協力するサンドロ・ルセー、そう、外部御意見番としてのヨハン・クライフによるメディアを使っての影響力も決して忘れてはいけないことだろう。最後に、この絶対的な権力を持つチキとライカーの示した書類に、最終的に“ハンコ”を押すのがクラブ会長のジョアン・ラポルタとクラブ金庫番のソリアーノという存在があることも忘れてはならない。

今シーズン終了と共に契約が切れることになっていたレイジゲルとコクー。ベレッティを獲得できたことでチキにしてもライカーにしてもレイジゲルはどうしても新契約を結ぶ必要のある選手とはならなかった。だが、コクーの場合はレイジゲルとは少々事情が違っていた。可能であるならば、つまりクラブ側と選手側の経済的な問題が解決すれば、新たに1年間の契約を結んでもらいたい選手として認識されていた。それでも、どんなことをしても獲得する“絶対的必要”な選手でもない、それがライカーとチキの基本的アイデアだった。年齢的な問題もさることから将来的なものはもちろん望めない選手、だが即戦力であること、これまで影ながらリーダーシップをとってきた選手であること、だが、それでも“絶対的必要”な選手とはならないコクー。今シーズンの彼の活躍を無視するほど彼らは盲目ではない、が、それでも、コクーの務めてきたポジションに入る選手には彼以上の得点能力が欲しいと考える二人だ。贅沢な要求と言われればそれまでだが、今シーズンには欠けていた中盤の選手の得点能力が絶対に必要と考える二人の責任者。

チキの考える“新星バルサ”の基本的イメージは、国王杯でのサラゴサ戦、UEFAカップでのセルティック戦終了時点までさかのばらないと理解できない。
「今シーズン、最も不本意に思ったことは決定的な試合での弱さ、ここで勝たなければならないという試合での弱さ、それが如実に示されたのがこの二つの試合だった。相手が守りを極端に固めディフェンスだけでなく中盤の選手まで下げたスタイルとなる試合に我々は得点する能力がないことを明らかにした試合だった。」
リーグ戦前半のカンプノウでの試合でもその風景はよく見られた。監督に就任したばかりのセニョール・ライカーに迷いがあったことも確かだ。だがいずれにしてもカンプノウには人がやって来なくなったという現実的問題を解決しなければならない。少なくとも地元カンプノウではひたすら攻撃的なバルサを見にソシオはやって来る。リーグ折り返しに入って不敗記録を続けたバルサだが、それでもカンプノウにはソシオが戻ってこなかった。単なる不敗記録を確かめるにはテレビで充分だったからだ。そのことをディレクターのチキは心配している。彼がバルサの現役選手であった頃には、例え負けている試合でもブーイングを受けることは希だった。攻撃的なバルサの試合はシーズンを通じてほんの数えるぐらいのものだった。しかもパトリックに、そしてオーベルにブーイングが飛ぶカンプノウ。

レイジゲルが抜け、コクーが抜け、そしてパトリックとオーベルとルストゥが抜けることになるだろう来シーズン。これまでバルサが獲得した選手は左ラテラルのジオと右ラテラルのベレッティ。そしてジュリーとトレセゲはサイン儀式は終了していないものの、もう手の中に入っている。この4人を別として、これから本格的に獲得を狙っていくのがバティスタ、デランテロとしてのバティスタではなく4つのポジション(ピボッテ、インテリオール、メディア・プンタ、そしてデランテロ)をこなしていくバティスタを狙っている。ファビアーノはもちろん将来的な選手としてツバを付けておきたい選手。買い時を決して誤ってはいけないと考えるチキは、値段が急上昇するであろう来シーズン終了まで待たずに今のうちに手に入れておこうと考えている。もちろんバラックやチャビ・アロンソ、バラッハにも興味を持つ彼らだが、すべての選手を獲得するのは当然ながら無理なこと。一つ一つの交渉を検討し、これらの中から可能な選手を獲得していくことになる。まだシーズンは終了したばかり、時間は山のようにある。来シーズンのバルサのスタイル、それは攻撃的なバルサ、バランスを保った上ので攻撃的なバルサ、それがチキの考える“新星バルサ”のあるべきスタイルだ。