9月1日 水曜日

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サビオラ

ガスパー政権時代におこなわれた悪しき入団交渉の象徴の選手の一人であるからか、ラポルタ“変革“政権が進める契約見直し交渉に応じない何人かの選手の一人であるからか、昨シーズンにマリオ、クアレスマ、マルケス、ルイス・ガルシア、ルストゥなどを獲得したスタッフテクニコ親分チキ・ベギリスタインのお気に入り選手ではないからか、あるいはフラン・ライカーが望む理想的なデランテロではないからか、いずれの理由が正しかろうと、サビオラのモナコへのレンタルが、もう遙か前から予想されていたように現実となった。

ロナルディーニョの次にユニフォーム販売実績を誇ったサビオラは多くのバルセロニスタに支持されていた選手。ヨチヨチ歩きの赤ん坊からヨボヨボ歩きのおばあちゃんまで幅広いファン層を抱えていた彼だが、クラブそのものとはしっくりいっていなかったということだろう。プジョーやジェラールがいまだに契約見直し交渉に入っていないにも関わらず、いつもその話題になるとサビオラの名前が出てきていた。アンティックをのぞいた過去の監督、つまりレシャック、バンバン、ライカーにとっても常にクルービーの影となるデランテロであり、絶対の選手ではなかった。そして毎シーズン20ゴールを決めるサビオラでありながら、監督たちの評価は変わらなかった。

「バルサを離れる今、スキャンダルになるようなことをしゃべるのはクラブのためにも自分のためにもならない、ただ自分を応援してくれたファンの人々には非常に感謝している。もちろん3年間いたバルサというクラブやバルセロナという街にもとても愛着があるし、来シーズンにはどうしても戻ってきたい。そして今の自分が望むもの、それはグランドの中で走り回り結果をだすことだ。」
スペイン国籍取得の手続きを済ませたあと、役所出入り口に待ち受ける多くのジャーナリストの質問を受け、そして彼らにサヨナラの挨拶をするサビオラ。彼が入団した際にサインした契約書の見直しに応じないのが彼の権利であるとすれば、その契約書にうたわれている“クラブ側はいつでも自由にサビオラをレンタルさせる権利を持つ”という項目を実行に移したクラブ側も間違ったことをしたわけではない。しかもサビオラは8割をモナコ側が、2割をバルサ側が負担してこれまで通りの年俸を受け取ることができるのだ。したがって、レンタル理由がどうであれ、それ自体スキャンダルとはならない・・・少なくても今のところは。

サビオラレンタルという事実がスキャンダルとなるのは、バルサが得点不足により連勝街道を走ることができず、そしてモナコがサビオラのゴールで勝ち続ける時にやって来る。これまでレンタルされていった選手を見る限り“1年間限定レンタル”というのも怪しいし、今シーズンは必要ないが来シーズンは必要というのも何とかしっくりとこない話。個人的には試合を見ていてそれほどワクワクさせてくれる選手ではなかったし、どちらかというと空気が伝わって来ない選手だったけれど、カンプノウでの多くのゴールをグラシアス! そして新天地ではもっと良いことがありますよう!

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