11月4日 木曜日

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ブラボー・ライカー監督

バルサのクラブカラーはアスールグラーナ、そしてチームのカラーはもちろん攻撃的なフットボール。かつてのオランダ代表チームの“見栄えの良い攻撃的”なフットボールを構成する多くのオランダ人選手がバルサというクラブに入団してきたのも決して偶然ではない。かつてのオランダ代表フットボールとバルサのフットボール、それらに対抗するのが良い意味でも悪い意味でも“結果主義”となるカルッチオフットボールだ。

バルサ戦の試合後の記者会見でアンチェロッティは次のように語っている。
「ボール支配をなぜバルサに譲ったかって?ボールを持つことは試合に勝利することを何も保証してくれないばかりか、下手な感じでボールをまわしていれば相手のカウンタアタックを許すことになるからさ。」
まさにこれがカルッチオフットボール哲学。ミランという名のチームであろうとユベントスという名のチームであろうとこの哲学に変わりはない。そしてこの哲学のおかげでイタリア代表はオランダ代表を破って結果をだしてきているし、残念ながらバルサもそのような目に遭ってきている。スペクタクルなフットボールは勝利を得るための最も近道でありながら、それでも勝利は約束してくれない。サンシロでの試合がまさにそうであったし、カンプノウでの試合もロナルディーニョのゴラッソが決まるまでまさにそのような風景を映し出していた。だが、今回はスペクタクルフットボールの勝利に終わる。正しくもバルサの勝利に終わる。1989−90シーズンでのヨーロッパ・スーペルコパのタイトルをかけて戦われたバルサ・ミラン戦、初めて見たそのミラン戦以来彼らに勝利した試合を経験していない私にとって二重の喜び、とってもうれっしいのだ。

カルッチオ育ちでアリゴ・サッキの弟子でもあるブラボー・ライカー監督が1−1という状況の中で、マルケスに代えてラルソンを投入してきたのは象徴的な出来事だろう。セルティックが勝利しているという情報が入っていることから、バルサは最低引き分けでも次のステージに進める可能性大という状況をブラボー・ライカー監督はすでに知っている。それでも彼は勝利を勝ち取るためにラルソンを走らせる。カンプノウの騒然たる雰囲気がそうさせたのかも知れない、だが詰まるところ彼はオランダ人の監督だからだ。
「常に勝利するために我々は戦う」
そう語るブラボー・ライカー監督。ラルソン投入のメッセージはグランドにいるバルサ選手一人一人に確実に伝わっていっただけではなく、選手と空気を共有しているカンプノウ観客にも伝わってきた。ロナルディーニョのゴラッソもさることながら、ブラボー・ライカー監督のゴラッソでもあった。

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