11月13日 土曜日

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12番アンドレス・イニエスタ

つい最近、イニエスタの両親を含め彼の関係者にレアル・マドリが接触したというニュースがあったが、それはたぶん噂に過ぎないだろう。噂というよりは作られたニュースといった方が正しいかも知れない。いずれにしても“新契約交渉前夜”にはゴロゴロと転がることがあるニュースだ。いつもあることだから、あまり信憑性がないニュース。

それでも、レアル・マドリがイニエスタに接触してきたことがないかと言えばそんなことはない。今から3年前、まだバルダーノがスポーツ・ディレクターをしていた時期の2001年の夏、彼は直接イニエスタ家に連絡をとっていることを最近認めている。
「バルサが支払っている年俸の数倍だすからマドリに来ないか?」
バルダーノがバレンシアの監督をしている時代にバルサBでプレーしていたジェラールに対する誘いと同じようなものだ。だがイニエスタはジェラールではなかった。
「イニエスタには一言で私の誘いを断られた。」
そうバルダーノは語っている。

バルダーノが声をかけてきたこの時期、イニエスタはバルサとプロ契約を結ぶ交渉の最中だった。まだ彼はバルサBでプレーしており、一度たりとも一部チームには出場したことのない選手だった。それでもガスパー当時会長はイニエスタのプロ契約に乗り出す。ガスパーは会長としては失格だったが22年間務めた副会長としてはクラブにとって重要な役割を果たした人物。会長としても少しぐらいはまともな仕事もしている。彼の過ちは、ほんの少々のまともな仕事の何十倍ものどうしようもない仕事をしてしまったところにある。でも昔のことをチクチク言うのはやめておこう。

2006年までのプロ契約を結んだイニエスタはこのシーズンからセラ・フェレール監督に呼ばれて一部チームの練習に参加するようになっている。だが彼が一部デビューをかざるのはバンバンの第二次政権誕生まで待たないとならない。そしてブラボー・ライカー監督の手によって今シーズンから12番目の選手として大事に大事に起用されるようになってきた。スタメン出場はそのうち訪れることは間違いない選手だからして急ぐことはない。バルデスと同じように今後10年にわたってバルサの重要な選手の一人となるであろうイニエスタ。スタメン出場も急ぐことはないし、新契約を結ぶことにも急がないイニエスタ。クラブが出しているオファーは2010年までの契約だが、年俸や契約期間にはそれほどの問題はないようだ。そしてイニエスタとクラブ側両方が望むもの、それは契約違約金を設定しないこと。プジョーがそう望んだように彼もまた違約金を設定しないことを望む。なぜならそのことが、いつまでもバルサの選手としてプレーしていくことの意思表示となると考えているからだ。

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