11月30日 火曜日

■1チャンネル(2.4MB)

何ともはや

元バルサ選手でありヘタッフェ出身でもあるアルフォンソ選手にちなんで彼の名が付けられているアルフォンソ・ペレス・スタディアムでおこなわれた試合ヘタッフェ戦。その試合でエトーに対し例の“ウッウッウッウッウッ”という趣味の悪い嬌声が飛んでいた。その翌日、ほとんどのカタルーニャメディアが人種差別問題として批判していたのはメディアとして当然のことだし、非常に良いことだ。そう、良いことだが現実をちゃんと見て批判する能力に欠けていることは悪いことだ。

カタルーニャの各種スポーツ新聞や一般紙が同じような論調でこの趣味の悪い現象を批判している。
「スペインの首都マドリッドにおける人種差別」
それがカタルーニャメディアの基本的な論調だ。だが、待てよ、カンプノウはカタルーニャにあるスタディアムではないのか?クチカルがレアル・マドリに入団してきてから毎年おこなわれている“ウッウッウッウッウッ”という同じ現象はどうなんだ?もう7年も8年も続いていることじゃないかい?

冗談でも言って良いことと悪いことの判断がつかないスペイン代表監督からして問題だけれど、多くのメディアの基本的論調はまずベルナベウでおこなわれたスペイン対イングランド親善試合での“ウッウッウッウッウッ”現象からスタートする。カラーのイングランド選手に対して送られる品のない“ウッウッウッウッウッ”現象をまず批判し、同じくベルナベウで戦われたレバクーゼン戦での同じような現象批判に移り、そして最終的にヘタッフェでの批判に行き着く。つまりマドリッドでのみ起こりうる現象かのように批判する。
「人種差別行為はやめよう」
そう、それが人種差別であろうと単に品のない人々の無節操な行為であろうと、とにかくカンプノウでもやめた方が良い。クラシコ後にカタルーニャメディアがどのようにあの現象を処理していたか。ほんの一部のジャーナリストが人種差別的行為だと批判し、選手やコーチ陣を含めたフットボール関係者や多くのジャーナリストにとっては「スペインには人種差別は存在しない。あの行為は一部の下品な人々による行為に過ぎない。」となってしまう。

こういう行為の恐ろしさは人種差別行為という認識がない人間によっておこなわれているところにある。さらに気分が悪くなるのは、普通の子供たちもマネし始めていること。そして滑稽だと思ったのは近くに座っていた日本人と思われる東洋人もマネしていたことだ。これが“本場”バルセロニスタの応援の仕方だとでも思ったのだろう。バルサがアジア遠征に行った際の親善試合でバルサ旗ではなくカタルーニャ旗を振っていた人をテレビで見たが、それ以上に滑稽な風景だ。

(映像を見るにはQuickTimeが必要です。ダウンロードはこちらから)