2月3日 木曜日

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深夜の密会

こんな出来事を書くこと自体バカバカしいことながら、あまりにも良くできているシチュエーションだからして、やはり無視しないで触れておこう。ジョアン・ラポルタとサンドロ・ルセーという、幼なじみの二人が仲直りするために集まった秘密の場所(不思議なことにすべてのメディアの知るところとなる秘密の場所)は“スピーク・イージー”というバーというかレストランいうか、要するに飲ませて喰わせるところ。仲直りするための話し合いをする場所の名前からしてまず笑わせてくれる。そしてこの“スピーク・イージー”という店は、アメリカの禁酒法時代にシカゴで流行った店の名前をちょうだいしているという。禁酒法時代に酒を飲ませた店だからして、道路側からは営業していないようなカムフラージュがされ、早い話ネオンもなければ何にもないので夜中にはレストランであることさえわからないような作りまで似せてある。この店の客となるには、まず目立たない入り口の脇にあるインターフォンを押すことから始まる。しばらくすると店の人がソ〜と入り口の向こうに顔をのぞかせる。
「合い言葉」
そう、合い言葉が必要だ。
「ドライ・マルティーニ」
常連なら誰もが知っている合い言葉、それはドライ・マルティーニ。そしてようやく入店できることになる。この、格式高いというか、マンガじみているというか、ここでの“深夜の密会”はすべてのメディアが知っていたことだからして、店の外には多くのカメラマンとジャーナリストが彼ら二人を待っている風景がテレビで流される、まったくもって滑稽な風景であります。個人的な問題をそれぞれ解決したのか、あるいはクラブ運営に関するアイデアの違いを一つの方向に向けることができたのか、そんなことはどうでもよくなるような茶番と言っても良い年間予算200億を超えるクラブ指導陣の密会でした。

さて、そんなどうでもいい密会のことよりマクシ・ロペスについて触れよう。日曜日、月曜日と完全休養が与えられた選手の中にあって彼だけは一人ランニングの練習。だが正確に言うと一人の練習ではなかった。完全休養とされようが走り込みに必ずやって来る選手、つまりプジョーやシルビーニョ、ナバーロ、ラルソンなどと一緒に走り込み、彼らとはすでに自己紹介もすんでいる。マクシ・ロペスのライバルとなるエトーは独自の方法で彼に近づいている。火曜日におこなわれる合同練習の前にホテル住まいとなっている彼のところに車で迎えに行っているサムエル・エトー。だから、マクシが練習後に次のように語っているのはお世辞ではなく本心からのものだろう。
「すべての選手たちが暖かく迎えてくれたことが嬉しい。外から見ていると近寄りがたい感じのクラック選手たちがごく普通に、いや普通以上に対応してくれた。スタートは想像していた以上に快調な感じだ。彼らから多くのことを学べればいい。」
いつまでもその謙虚さを忘れないように。

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