3月2日 水曜日

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象徴的な風景

バルサバスケ部門はスペインリーグ戦では現在4位につけているし、ユーロリーガではトップ16のグループ戦にも参加している。だが、リーグ戦での試合内容の悪さやユーロリーガ・グループ戦初戦に敗北したことをきっかけとして、監督のジョアン・モンテスが更迭され新たにマヌエル・フローレスが新監督に就任することになった。これはバスケ部門の危機状態と言っていい。そしてその危機状態が如実にあらわれたのが、月曜日におこなわれた新監督発表記者会見だった。バスケ最高責任者ジョセップ・マリア・バルトメウとジョアン・ラポルタ会長が同席しておこなわれたこの記者会見、両者の意見に明らかな違いが見られることになった、前代未聞の記者会見と言える。

バスケ部門の不振は、シーズン開始当初からの多くのマイナス要素がからみ合って生まれたものだ。前監督のペシックが作り上げた今シーズンに向けたプランニングに誤りがあっただろうし、バレーロ・リベーラというスポーツ・ディレクターを置いたことにより、前シーズンまでうまく機能していたバスケ部門内によけいな波がたったこともあげられるだろう。そして何よりもバスケ部門の年間予算の切り下げを決めたクラブ理事会にその責任がある。そしてそれはバスケ部門最高責任者のバルトメウとラポルタ間に亀裂を生むことになったし、バルトメウと親友のサンドロ・ルセーとラポルタとの間にも大きな亀裂を生むことにもなった。

「バスケ部門の危機は辞任した監督や選手にあるのではなく、今シーズンのプランニングをしたクラブ理事会にあることは明らかだ。」
そうバルトメウが語ればラポルタはそういう意見を認めないかのように次のように語る。
「シーズンの総括はあくまでもシーズンが終了する6月30日におこなうべきものだ。ただ一つ言えることは、今シーズンのバルサバスケは過渡期にあるということであり、すべての関係者がそれを認めるべきだ。」
だが、バルトメウには会長ラポルタの語る“過渡期”という言葉はお門違いだと思っているようだ。
「昨シーズンまで順調だったバスケ部門である。我々に過渡期など存在しない。常にタイトル獲得を求められるのがバルサではないか。」

いずれにしても、クラブ理事会の二人の人間が集まっておこなわれた記者会見でこのような“違い”が見られることは非常に珍しいことだ。突然開かれた記者会見ではなく、もう何日も前から予定されていたものであるにもかかわらず、これほど二人の意見に食い違いが見られるということは、これまで彼らの間で会話がなかったことを示す。そしてそれは、フットボール部門の副会長でであるサンドロ・ルセーとラポルタの間でも言えることとなる。すでに有名となった“深夜の夕食会”でラポルタとルセーが接近したという話題があったが、現実的には何にも変わっていないようだ。あの日以来、サンドロ・ルセーの公式な場における発言は一回もないし、シーズンが終了するまでルセーはメディアには一言も語らないだろうと思われる。そして彼がシーズン終了後初めて口を開いたとき、それはベルトメウと一緒にクラブ理事会からの辞職発言となりそうだ。

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