3月18日 金曜日

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このクラブは居心地が良いのだ

ヘタッフェ戦での敗北後、それまでマドリの危機に関しては沈黙を守っていた中央メディアも重い腰をあげて“真実”を伝え始めている。マドリッド地方局のTM、全国局のT5やA3、そして国営テレビであるTVE、それぞれ危機状態を苦々しく報道している。

「クラブと契約が残っている選手は誰一人として売りに出す気はない。どんな大金を積まれようが移籍させる気は毛頭ない。そんなことより、我々は残りの10試合をすべて勝利すればリーグ制覇の可能性はじゅうぶんあると思っている。レアル・マドリに危機など存在するわけがない。」
フロレンティーノ・ペレスは記者会見を招集してまで“バーゲンセール”作戦の展開を否定しなければならなかった。例え商品を販売するとしても“いりません”という商品を高い金で買うお人好しはいないだろうからだ。バーゲンを開催しようがしまいが、とにかく選手はクラブが抱える“貴重品”としなけれなならないことはビジネス界の親分である彼は誰よりも知っている。それでもまだ契約期間の残っている“貴重品“選手が契約をまっとうしたいと言えば、彼にもどうしようもない結果となる。来シーズン終了次第契約が切れるルイス・フィーゴ、そして再来年まで契約が残っているものの来シーズン限りで現役引退をするかも知れないと語っているジダーンは別として、その他のロベルト・カルロス、ラウル、ロナルド、そしてベッカムはクラブを去る意志はないようだし同額の年俸を支払うクラブを見つけることも難しい。

フィーゴが要求していることは更なる延長契約を結ぶ意志がないのなら、今シーズン限りで自由契約選手としてクラブを去ることができる身分として欲しいということだ。移籍料なしなら今の年俸に近いものを支払うイングランドのクラブが出てきてもおかしくないという読みだろう。そして2年契約が残っているジダーンにしても来シーズン一杯マドリに残り、シーズンが終了次第クラブとの話し合いでマドリから去っていこうと考えているらしい。

2010年までの契約期間があるラウルはもちろんマドリを去る意志はない。彼に手取り600万ユーロもの年俸を支払うクラブは見つからないだろうし、生まれ育ったマドリッドは居心地のいいところだ。
「自分がマドリを去るのはほぼ不可能と言っていいと思う。2010年までの契約を結んであるし、自分もその契約を破棄するつもりは毛頭ない。」
ラウルがこう語れば噂の多いロナルドもマドリを去る意志はないと語っている。
「インテルに戻るというようなニュースがイタリアで流されたようだが、自分にはそんな意志はまったくない。もう28歳だし3年残っている契約をまっとうし、この世界最優秀のクラブで現役を引退できれば幸せだ。」

去年の夏、カマッチョの希望により延長契約を結んだばかりのロベルト・カルロス。来シーズンを含めた2年間+1年のオプション付きという契約だから彼には3年間の保証がされていると言える。手取り年俸400万ユーロを保証されている上にこの4月で32歳となる彼にとってこんな居心地の良いクラブはない。したがって誰が何と言おうが出て行かない。

ベッカムのケースは特別と言える。イングランドに戻りたいというビクトリア・アダムスの願いをどうにかこうにかなだめつつマドリッドに残っているベッカムだが、例え彼自身がもしクラブを去りたいと言ってもフロレンティーノが許すことはあり得ない。右サイドからの正確なセンターリングを可能とする選手だからではなく、とてつもなく貴重な商品だからだ。彼のおかげで2回のアジア遠征パッケージがそれぞれ1800万ユーロという美味しい金額で売れたのだし、今年もアジアを初めアメリカにもベッカム・マドリの名の下に遠征することが決まっている。しかもクラブのボティガでのユニフォーム販売成績ではベッカムのユニが80%を占めており、ベッカム残留を条件にアディダスも年間スポンサー料の値上げを申し出てきている事情もある。したがって来シーズンの監督が誰になろうと、これまでどおりベッカム起用は最初の条件となるに違いない。

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