4月14日 木曜日

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3試合の決勝戦

ベティス戦での引き分けに続きクラシコ戦敗北という一連の否定的な出来事から、ここぞとばかりにいくつかの提案や結論を急いで出そうとする人々がいる。レアル・マドリが残り7試合を全勝するのは簡単!という感じの、お祭り気分となってはしゃいでるメレンゲメディアは別として、多くの地元メディアにもこれまでのバルサの躍進を忘れてしまったかのような“批判”として登場してきている。もっとも、少しでも良い結果が続かないと、あるいは別の言い方をすれば少しでも悪い結果が続くと、“頭の良さそうな批判”というのが出現してくるのはいつものことだ。

フラン・ライカーの監督としての才能に対して疑問を投げかける人があらわれれば、彼が好む“ボール支配”というフィロソフィーそのものに疑問を持つ人まであらわれる。オラゲールの“遅さ”や彼の守備能力そのものを疑う人もでてくる。イニエスタやベレッティやジオやジュリーにバルサ選手として相応しい能力を持っているかどうかと訴える人まで出てくる。そしてベティス、マドリ戦で7点を入れられたバルデスのポルテロとしての才能に疑問を投げかける人も出現してきた。もう、クラシコで活躍できなかった選手はみんなダメという感じだ。昨シーズンのベルナベウクラシコでどのくらいの活躍を見せたのか、あるいはシーズンを通してどのくらいの活躍を見せてきたのか、さらにバルデスが今シーズンどのくらいの失点数を記録しているのかをまったく忘れてしまっている記憶力の欠片もない人々の批判だ。昨シーズンのベルナベウクラシコではバルデスの勝利と言えるし、今回のクラシコでは大差でカシージャスの勝利と言える。だが、それだけのことだ。シーズンを通して評価するとすれば、個人成績においては少なくとも今のところバルデスが優っている。もっともそれはあくまでも個人成績に過ぎず、失点の少なさはポルテロ1人の功績であるわけがない。だが、それでもクラシコでの出来の悪さを取り上げてバルデスに疑問を投げかけるのは受けを狙った批判としかならない。

多くの疑問や批判を受けて、27歳となったカピタン・プジョーは語る。
「クラシコでの敗戦は精神的にはショックなことだし、我々には当然ながら改善すべきところはたくさんあるだろう。だが同時に我々がリーグの首位を走るチームであることも事実だ。そして残りの7試合をすべて決勝戦と考えて戦っていきたい。」
その心意気は良しとしよう。だがもうセットポイントどころではなくマッチポイントを握っているバルサにとって“とりあえず決勝戦”はヘタフェ戦、マラガ戦、そしてアルバセテ戦の3試合だ。これらの試合に勝利すれば数字的優勝は目の前となる。そして個人的に期待する地元カンプノウ・アルバセテ戦での優勝決定の可能性は、ほんの少しとはいえまだ残っている。

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