4月15日 金曜日

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巨大ビジネス目玉商品クラシコ

先々週のカンプノウ・ベティ戦はバルサとしては今シーズン初めての日曜日17時試合開始、そしてこの時間に試合がおこなわれるのはこれが今シーズン最初で最後のものとなるらしい。放映権料として莫大なユーロをクラブに支払い続けているテレビ局が、二度とこんな時間におこなわれるバルサの試合を許してくれるわけがないからだ。

日曜日17時試合開始というのは二昔前には常識的な試合開始時間だった。テレビ中継などほとんどない時代だったから、試合観戦というのはスタジアムで試合を観戦するということのみを意味していた。そして試合が始まるのは日曜日の17時。多くの家族連れが子供の手を引いてカンプノウに集まってこれる時間帯だ。試合が終わるのは7時近くだから当然ながら外はまだ明るい。夕食をとるには少し早い時間だからカンプノウから自宅に向けてゆったりと散歩を楽しむことができる。だが最近の試合開始時間ではそんなノンビリとしたことは不可能だ。試合後にノンビリと散歩なんぞしようものなら、とてつもなく運が悪ければ目つきの悪いお兄ちゃんたちに囲まれてしまうだろうし、少々運が悪ければ暗さの余り帰り道で迷ってしまうだろうし、あるいはどんなに運が良くても自宅に到着するのは翌日となる。したがって急いで地下鉄やバスを探しに走らなければならない。

ここ4、5年、ぺー・パー・ビューという便利なものが誕生したことにより、試合開始時間に関してはテレビ局の主張が大きく幅をきかせることになる。スタディアムでの観戦ではなく、テレビ中継での観戦を“生観戦”とまで言う新人類がでてくる時代、多くの人々がこのシステムで、あるいは違ったシステムを利用してテレビ画面を通しての“生観戦”をする時代となった。したがってそれを可能としてくれているテレビ局が、できる限り効率の良いビジネスとするために試合開始時間の決定権を持つことになる。夜の8時、あるいは9時、10時、ここら辺が“売れやすい”時間帯ということになっているから当然ながらそういう時間に試合がおこなわれることになる。

4月10日19時開始となったクラシコをスペイン国内でテレビ観戦するには宇宙波テレビ局と契約していることが最低条件であり、その上ぺー・パー・ビュー放映だから12ユーロ支払わないと見ることができない。90分のスペクタクルに12ユーロ、これをスペイン国内だけで約60万以上の人々が買ったと予想されている。この数字が正しいとすると、12ユーロ×60万人=720万ユーロ、つまりスペイン国内で“生観戦”した人々から受ける収入だけで約10億円ということになる。これだけ見てもクラシコは超ビジネスクラック商品だ。

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