5月4日 水曜日

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怒りん坊サムエル・エトー

交代を命じられたとき、サムエル・エトーはムチャクチャ怒っている。後半40分を過ぎた時点での交代なのにムチャクチャ怒っている。ファンからの大きな拍手を受けられるようにとフラン・ライカーからの粋なはからいをしてもらったのに、それでもムチャクチャ怒っている。怒り狂っている彼はベンチに戻らず走り込むように更衣室に行きシャワーをムチャクチャ浴びている最中に大きな歓声を耳にしている。シャワー室からはグランドは見わたせないからメッシーのゴールだと知るのは翌日のことだ。そう、怒り狂っている彼は試合が終わるのも待たず自宅に戻ってしまっている。本来ならあの歓声は自分のゴールに対して与えられていただろうに、と考えながら怒り狂って家路を急いでいる。

エトーのスペインリーグ総ゴール数は各メディアによって若干異なる。101とするところあれば102としているところもある。だが彼の頭の中でははっきりしている。アルバセテを迎えるまでに彼が決めたゴール数は98。エトーの計算ではそうなっている。だから、彼はこの試合を前にして、100という数字をプリントしたアンダーシャツを用意している。ユニフォームの下にこのシャツを着込んで望んだアルバセテ戦ではどうしても二つのゴールが欲しかった。だが、1ゴールは決めたものの2つ目が決まらない前に交代を命じられてしまった。だから、彼は怒り狂って更衣室に走り込んだ。これじゃあ、しまりがつかん。ムチャクチャしまらない話だ。

もっとも彼が怒り狂ったのは“記念ゴール”だけが理由ではないようだ。これまで口には出さないが得点王獲得に対する意欲は熱いものがある。とてつもなく熱いものがあるようだ。
「リーグ優勝と得点王のどっちをとるかって?決まってるじゃん、両方ともさ。可能ならボタ・デ・オロも狙ってみたい。」
まあ、チャビを代表とするような常識家が多いバルサ選手だからして、こういうウリストタイプの選手も必要だろう。必要だろうどころかムチャクチャ必要かも知れない。バルサの選手たちが作り出している良い雰囲気を壊さない限り、好きなだけ怒り狂ってみよう。

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