5月25日 水曜日

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エストレーモ

例えば、ルドビック・ジュリー。彼がモナコでどのようなポジションでどのようなプレーをしていたかはまったく知らなかったものの、バルサに入団が決まったときには“エストレーモ”の選手として紹介されていた。したがってジュリーはエストレーモの選手である、そう思っていたが、今シーズンの彼のプレーを見る限りいわゆる典型的なエストレーモの選手ではない。バルサのプレースタイルと関係あるものの、いったい彼が今シーズンいくつのアシストを成功させたか、まったく記憶にないし、ラインに沿って走りひたすらコーナーフラッグ付近に進入しセンターリングをあげる本格的なエストレーモ、というよりはゴールに向かって左斜めに切り込むタイプの選手であり、持ち味の一つであるスピードを活かしてのメディアプンタとしてのポジションが彼の本来の位置のような気がする。もっとも、左右ラテラルが上がってくるフラン・ライカーのシステムでは、もともとエストレーモというポジションは存在しないのだから当然といえば当然の話。シーズン開始前に宣言した10ゴール以上を決めているジュリーはバルサに入団してきたフランス人選手で初のリーガタイトルを獲得した選手となった。

そして、例えば、ハビート。今シーズンからバルサBに上がってきた若手選手だが、彼もまたジュリーと同じように“エストレーモ”の選手として紹介され起用されてきた。身長に恵まれていないながらスピードを活かしたプレースタイルはジュリーのそれとよく似ている。だが、彼もまたエストレーモではなかった、と気が付いたのはシーズンの後半あたり。バルサBにもエストレーモスタイルは存在しない。一部チームへの招集などという思わぬ出来事があり、精神的に少々ガタガタきてしまった彼だが、自分の場所はバルサBだということに気が付いたのか、ここのところ調子を戻してきている。先週末のオサスナB戦ではハットトリックを決めている。

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