ボナノ Bonano

チラベルにゴールを決めたキーパー、それがボナノだ。

それはコパ・メルコスール2000のベレス戦の出来事。ベレスのキーパーであるチラベルは、試合数日前からリーベルを挑発する発言を繰り返し、試合を熱く熱くしていた。
試合当日、リーベルのキーパーボナノはキャプテンのトロッタに「もしペナルティーがあるようだったら、絶対俺に蹴らしてくれ。チラベルの鼻をあかしてやる。」と頼んでいた。
奇しくもリーベルはペナルティーを得る。猛スピードで走り寄ってきたボナノ、誰よりも先にボールを手に取りPK点に向かっていった。0−0と均衡が崩れなかったこの試合、ボナノの見事なペナルティーゴールにより、リーベル1点を先取。さらに2点目はサビオラが決めた。

1978年アルゼンチン大会での大活躍で知られるパト・フィロールは、現在ナショナルチームのキーパーコーチをしている。その彼がボナノに関して次のように語っている。
「去年(2000年)の8月15日でのパラグアイ戦を見ればわかるように、ボナノは世界の中でも最も優秀なキーパーの一人だ」

ロベルト・ボナノ、31歳。リーベル所属の彼は、契約延長問題のゴタゴタにより、半年前から「ホサレ」ていた。モナコへの移籍問題もクラブの事情で実現することなく、結局シーズン終了と共にフリーの身柄となった。

アルゼンチンからは多くのキーパーがスペインに来ている。それもスペクタクルなキーパーが多かった。ロックシンガーのヘルマン・ブルゴス(現At.マドリ)、派手派手モノ・モンターヤに代表されるタイプだ。しかしマジョルカに来たカルロス・ロアに始まり、エスパニョールのパブロ・カバジェーロあたりから少しずつ様子が変わってきている。いわゆる、正統的キーパー、あるいはクラシックなキーパーというイメージだ。ボナノは彼らのスタイルに属する。

第二の青春に心を膨らますボナノの契約は3年。今日(2001年7月20日)バルサ入団のプレゼンテーションがおこなわれる。