30歳にしてついに自立・フランクデブー
(2001/2
/1)

バルサ選手生活3年目にして、1998年のフランスワールドカップのフランクデブーが帰ってきた。ファンハールに呼ばれた1999年、第二のロナルド・クーマンと期待されながらも彼本来の持ち味を出し切れずにいた2年間。ファンハールが去り、双子の弟ロナールが海を隔てたところでプレーしている今、彼は自立を余儀なくされた。今年の5月に31歳になるデブー、30にしてたつ。

ロサレーダで行われたマラガ戦は残念でしたね。

ア〜〜〜、そうですね。首位との差を縮める絶好のチャンスでしたからね。わたし自身も試合の最後のほうで、フリーキックでおしいところがあったし・・・。1ポイントは期待したものではなかったですね。

しかしチームとしては15試合負け知らずという、シーズン開始当初では考えられない躍進をみせています。何が変わったのでしょうか?

ア〜〜〜、多分11月のブルッハ戦が、キーポイントではないでしょうか。あの試合はそれまでの3人ディフェンスから、4人に切り替えた最初の試合でした。あれから、キーパーとディフェンスの間のスペースが狭くなって、安全性がでてきました。ア〜、それと、コクーが素晴らしい仕事をしていることも重要なことでしょう。

一つ象徴的だと思われるのは、ファンハールが3人ディフェンスでバレンシアと戦い敗れましたが、セラフェレールはディフェンスを4人にして勝ちましたね。

ア〜〜〜、そうですね。バレンシア戦に勝ててよかった〜。あれは嬉しかったですね。でもよく考えてみれば、過去において確かに負けてはいますが、試合内容そのものは良かったですよね。

クライフ時代のバルサや95年のアヤックスでは3人ディフェンスシステムでしたが・・・・

ア〜〜〜、そうですね。アタシもあの頃は若かったです。3人ディフェンスは確かに魅力的なシステムですが、時代やチームそしてリーグが違いますからね。特にスペインリーグはオランダのそれと比べものにならないぐらい厳しいですから。アヤックスシステムをそのままバルサに当てはめるのは、無理だと思いますね。それと、今のバルサにはブラインのようなキャラクターを持った選手がいません。彼はすごかったです。
ア〜〜、それに2人のピボッテと4人のディフェンスというシステムが、決して保守的なものだとは思わないですね。バルサは常に攻撃的なチームです。ひょっとしたら去年までのチームより、ア〜、攻撃的ではないでしょうか。

どういうことですか?

ア〜〜〜、エストレーモのスペシャリスト、オーフェルマルスの加入によってリバルドが自由に動けるようになりましたね。彼は元々エストレーモタイプの選手ではなかったので、常にコクーとポジション替えしてましたが、コクーもエストレーモタイプの選手ではありませんからね。
ア〜〜、今では、左にあのポジションではナンバーワンのオーフェルマルス、右にフィーゴの抜けた穴を十分に埋めているシマオ、自由に動けるリバルドの前にクライハート、非常に自然なフォーメンションになっているでしょう。

2人のピボッテについてはどうですか?
このシステムはロブソン監督以来のものですが、例えばバジャドリ戦を例にとってみると、アベラルドが退場した後グアルディオラが1人でピボッテをつとめていました。勝つのには苦労した試合ですが、彼が1人でやっていた方が、何かスムーズに試合展開がされたような印象を受けたんですが。

ア〜〜〜、わたしもあなたと同じ意見です。彼は試合展開を読む能力を誰よりも持っている選手ですし、場合によっては彼1人の方がスムーズにボールが流れることもあるでしょう。でも今の2人ピボッテシステムも、うまく作用していることも確かですよ。

さてファンハールですが、彼がオランダに戻ったときあなたもバルサをでようとは思いませんでしたか?

ア〜〜〜、契約期間が残っていたということ以上に、わたしはバルサでずっとプレーを続けたいと思っていましたから。確かに昨年は自分でも納得いかない内容でしたが、1年目は難しいながらも、まあまあの年でしたからね。あのロナルドクーマンでさえ1年目はさんざんだったと聞いていますが、最終的にはバルサのヒーローになりましたから。わたしもそうなりたいです。

クライハート、オーフェルマルス、コクー、そしてあなたがスタメンにでていますが、今では誰でも「オランダ人の彼ら」としてではなく、バルサの選手としてみていますよね。

ア〜〜〜、ファンの人々がもっとスペイン人、できればカタラン人のチーム参加を望むのはもちろん理解できることです。アヤックスでも同じでしたからね。でも今では「オランダ人の一人」というよりは、単純に「選手の一人」と認識されてきているようです。

多分、問題はファンハールだったのではないでしょうか?

ア〜〜〜、イ〜〜、ウ〜、そう、結果が出ないときはチーム全体の雰囲気がおかしくなり、批判が監督に集まるのはしょうがないことです。エ〜、困った。いずれにしても個人的には彼に非常に感謝しています。彼のおかげでバルサにこれたんですから。

コクーはついこの間、2シーズンの契約延長をしましたし、クライハートも今契約期間の延長について交渉中らしいですが、あなたは?

ア〜〜〜、わたしの契約は2002年に終了しますが、34歳を迎える2004年までバルサに残り、ここで現役引退したいですね。わたしの妻や娘たちも非常にバルサロナを気に入っていますし、友達もたくさんできました。結果的にはファンハールがわたしを呼んでくれたわけですが、でも自分としては昔から好きだったチームにいける、という意識でバルサに入団しました。その気持ちは今でも変わっていません。弟やファンハールの移籍問題は、わたしのバルサに対する愛情には何の影響も与えませんでした。ア〜〜、今は自分の選手生活を通じて、最高の時だと思っています。バルサで選手生活を終えることができたら、こんな幸せなことはないと思っています。

カピタン「この人は2年以上もスペインにいる割にはなかなかスペイン語がうまくならない。そのせいで言葉がすぐ出てこないのかと思っていたら、オランダでのインタビューでも同じ、ア〜〜〜でした」