ワシはまだ監督なんじゃ! わかる?
(2001/4/3)

やれクーペルだ、ベンゲルだと次期監督候補のウワサが途切れないバルサだが、「いまだに監督」のセラ・フェレールが、次期も監督を務めるという可能性だってあることはある。UEFAカップ、国王杯に優勝し、来季のチャンピンズリーグ出場権を得るポジションでリーグを終了すれば、彼は当然バルサに残ることになるだろう。すべては、これからの試合に彼の進退はかかっている。

会長選挙が終わって間もなく、全ての人々の合意で選ばれて監督に就任したわけですが、シーズン途中から疑問視する意見もでてきましたが。

ワシはのう、自分の仕事で精一杯で外部の雑音はよう聞こえんのじゃ。人の評価をするのはいつも第三者と決まっておるが、それが全て的を得ているかというとそうでもない。まず、20何年振りに会長が代わった後、以前とは違う形でクラブも新たなスタートを切らなければならなかった。ある者にとっては、今年は過渡期として位置づけ、またある者にとってはもし何のタイトルを獲れなければ失敗のシーズンとして理解すると言う。そして会長は会長で、5つのタイトルを獲ると言う。まあ、ややっこしいシーズンであることは間違いないじゃろう。

チャンピオンズリーグでは早くに敗退し、リーグ戦においても決して良いポジションに位置しているとは言えないですが。

ワシはのう、チャンピオンズリーグはもちろんレベルの高いトーナメントだとは思うが、UEFAカップだって決して捨てたモンじゃないと思っとる。例えば、ブルッハス戦を覚えておるか?あの当時、レアル・マドリのライバルだったアンデルレヒトを抜いてベルギーリーグでは1位に付けていたチームじゃ。我々は彼らに文句なく勝った。そして我々は今UEFAカップの準決勝にいる。バルサはチャンピオンズリーグで、早すぎる敗退をしてしまった事は確かじゃが、それでも我々は最多ゴール数を誇っていたチームだということも忘れてはいかん。まあ、ツキがなかったという言い訳はしたくないがのう。うーん、くやしい。

それにしても、チームとしては非常に波がありましたよね。

シーズンスタート当初は確かにそうじゃった。でも今は違う。チームには結束心、創造心、強いキャラクターが試合ごとに増していったし、バルサ本来のエストレーモタイプを使った攻撃もできるようになったしな。そう、今は違うんじゃ。わかる? 例えば、カップ戦を見てみるといい。我々は決しておごらん。謙虚心をもってカップ戦にのぞんだ。カテゴリーが明らかに低いチームに対して、あるチームは慢心さからかあるいは余裕というやつか、とにかくカップ戦開始当初から消えていったチームもあった。だが我々は準決勝に残っておる。素晴らしいことじゃないか。確かにリーグ戦では、良かったり悪かったりという波があったことはあったが、それプラス運とか、何かの偶然性という不可抗力なものも認めないわけにはいかんじゃろ。ヌマンシア戦、我々は12回の明らかなゴールチャンスがあり、マジョルカ、マドリ戦でも我々が勝っても何の不思議でもない試合だと思うがな。じゃが、ボールが嫌だという時はゴール枠に入らんもんじゃな。
そして不運といえば、グアルディオーラ、クライハート、オーベルマルス、ガッツ・エンリケなどのケガもあった。それでも、ワシは今の状況にまったく不満足というわけでもない。

監督として今の選手達を冷静に見た場合、選手の年齢的な問題、選手の個性がシステムに適合してるかしてないか、を感じますか?

バルサのフットボールに対するフィロソフィーは、あくまで永遠のものなんじゃ。どんな監督が来たとしても変えてはならぬものがバルサにはある。それがバルサファンの誇りでもあることを理解せんといかん。4番を付けたゲームリーダー、左右に広がりを見せるエストレーモ、常に攻撃の開始地点となるディフェンス。まあ、簡単に言うとこういうことじゃな。わかる?

リバルドに関し「もし彼がいなかったら、我々は今のポジションにいなかっただろう」とあなたは言ってますが・・・

もしバルサがリバルドを放出したら、それは取り返しのつかないミスじゃろうな。どこの世界を探しても、彼のような才能を持った選手はいない。だがな、彼は「クラック」としてはちょっと地味な性格なんじゃ。他の「クラック」と呼ばれる選手がミラン戦で3点も入れたら、それこそ試合後のインタビューで自慢げにしゃべりまくるだろうが、彼はそういう事ができないし、嫌いな性格だからな。そういうところが、ファンの間で爆発的な人気がでない理由だろうが、いずれにしても、もしバルサが彼を売るような事があったら、それはまずい商売というものじゃ。

確かに攻撃という意味で言えば、バルサはリバルド、クライハートと全然問題はないようですが、ディフェンスを含めたチーム全体のバランスを考えるとどうなんでしょうか。

我々は、いつも勝つために戦っている。もちろん負けるために戦っているチームなんかないだろうが、「引き分けてもいい」という戦法でプレーしているチームはいっぱいある。バルサは、攻撃に75%の比重をおいて戦っているにといっても大げさではないだろう。そしてディフェンスに90分にわたる集中力さえ備われば、全体のバランスは非常に良くとれてくると思うのじゃ。だがな、それを1シーズンで勝ち取ることはとても難しい。試合を重ねるごとに、少しずつ、少しずつ勝ち取っていくもんじゃからな。試合を重ねるごとにバランスはとれてくるものじゃ。わかる?ちょっと難しいかな?

もう来シーズンのプランニングを始めてるのですか?

もちろんじゃ。しかし、ワシのプランニングを受け入れてくれるかどうか、それはこれからの試合にかかっているということじゃろう。ああ、厳しいなあ。

カピタン「私はあなたの味方です」