バルサが画策する7人の放出選手
(2001/6/6)

つい先日、ジェネラル・スポーツ・ディレクターのアントン・パレイラが来シーズンに向けた「6人の仮契約済み選手」を発表した。各選手の移籍料は未だに推測の域をでないが、その総額160億と言われている。そしてクラブの財布の紐を握っている副会長ジョアン・カステールスは、アントン・パレイラの発言の何日か前「我々が来シーズンに向けて使える資金は60億」と言う公式発表をおこなっている。
今月中におこなわれる理事会総会において、これらの選手の獲得が承認されることになると、100億ペセタの新たな資金が必要になってくる。この資金の獲得作戦として考えられるのは、一つは銀行からのクレジット(バルサは10年以上にわたって、ある銀行からのクレジットの利用を緊急事態のために確保している)を利用すること、もう一つは現在所有の選手を売りにだし、その資金をあてること。

さてクラブとして第一に手をつけなければならないのはクレジットではなく、選手の売買であろう。資金的なこともさることながら、選手の人数自体オーバーブッキングになってしまうからだ。ここに「バルサが狙う32人のエリートたち」と同じように、放出予定選手のリストができることとなる。当たり前のことだが「バルサが・・・」が公式リストとして発表されなかったように、このリストも決して公式発表されることはない。したがって、このリストを「非公式・ブラックリスト」と名付けた。それは以下の通りである(選手の違約金、契約期間等は『エスポーツ紙』を参考にした)。

・アルフォンソ(15億ぐらい!?)
今シーズン、セラ・フェレールの希望によりベティスの会長ロペラとの複雑にして困難な交渉の後、28億でバルサに来た。しかし、セラ・フェレールはもとより多くのファンの期待に応えることができず、後半のシーズンにはほとんど出番がなくなった。スタメンで登場にしたのがわずか3試合しかなかったということが、彼の厳しい状況を示している。違約金は150億、契約は2004年までだが、15億程度の移籍料を払うクラブがでてくれば放出も可能。
公式に彼に興味を示したクラブはまだ存在しない。しかしもしベティスが1部に上がってくれば、買い戻す可能性もある。

・シマオ(20億でどうだ!)
サビオラ、ジェオバンニ(個人的な雰囲気で言わせてもらうと、この2人が同時に入って来る可能性は少ないのではないだろうか。どちらか1人のような気がする)が来る可能性がある以上、右のポジションはオーバーブッキングになる。年齢的には非常に近い3人だが、将来性という面で考えるとシマオは放出対象になる可能性大。違約金は100億とされているが、20億ぐらいが適当なところ。
ユベントスが以前、彼に興味を示したように買い手は結構あるだろう。

・ダニ(20億でどうだ!)
カタルーニャ出身の選手だけに、バルサで一丁前になりたいという希望が強く、当人を納得させるのは結構難しいだろうと思われる。今シーズンほとんど出番がなかった割に、外国クラブから意外と人気のある選手。チャーリーも余り彼に期待していないようだから、今シーズンの出場試合数を考えると売れるうちに売れば良い商売かも知れない。違約金80億、契約年数2005年までだが、20億でどうだ。
イギリスの幾つかのクラブが彼に興味を示していたが、今でもミデルスブルグあたりは関心があるらしい。

・ドゥトゥエル(8億でもいい!)
トルド、あるいは他のキーパーが来るかどうかはひとえにチャーリーのアイデア次第。もし誰か来るようであれば、それは間違いなく正キーパーとして獲得されるわけだから、彼の出番は当然なくなる。しかもその場合、第2キーパーはレイナとなる可能性が大であろうから、彼は当然第3キーパーとしては残らないだろう。違約金は100億とされながら、年齢を考えれば8億ぐらいでどうでしょう。
モナコが早くも正式オファーを提出してきている。もしこの話しがまとまれば、クリスタンバールとの交渉もうまくいくかも知れない。

・アルナウ(5億でじゅうぶんです!)
もしドゥトゥエルが放出されるような状況になったら、彼ももちろん放出対象となる。今シーズン、正キーパーの故障という非常事態で待ちに待ったチャンスを掴んだものの、当人もケガをしてしまうという冗談にもならない状況を迎え、故障から戻ってきた時には既に彼の場所はなくなっていたという不幸運児。ツキを変えるために場所を変えるのも良いかも知れない。したがって、5億で良し。
去年、バジェカーノとバジャドリからオファーがあったものの、今回はどこも正式に興味を示していない。

・ゼンデン(20億ぐらいかな!)
シーズン開始当初、ほぼラッチオへの移籍が決まっていたにも関わらず、フィーゴが抜けたことによりセラ・フェレールの決断で、急きょバルサ残留となった。しかし、ケガによる不運があったもののセラ・フェレールはほとんど彼を起用することなく(じゃあ、一体なぜ残したのでありましょうか?)チャーリーが来シーズン監督となっても、移籍の可能性が大。違約金は50億、契約は2003年まで。まあ、50億払うクラブを見つけるのは宝くじに当たるより難しいながら、若さと貴重な左足選手ということで20億ぐらいでどうだろう。
まだ、ラッチオは彼に興味をもっているだろうか?

・ペティ(20億はするだろう!)
今までの選手の中で、何の問題もなく放出対象となるのは彼だろう。すでにチェルシーとの内定が噂されているようだし、彼もこのままなら残る気もないのではないだろうか。個人的には素晴らしい選手とは思うが、監督の彼の使い方や試合出場数の少なさを考えると、よほどの事がない限り放出対象となるのではないか。もうちょっと見てみたかった選手。そしてほんのわずかな期間の選手ではあったけれど、ファンの間に「足跡」を残していってくれた。感謝。
チェルシー、トッテンハムあたりが可能性の強いところ。


ご存じの通り、グアルディオーラは自らの意思で外国チームへ、デラペーニャは一銭も残さずラッチオへ戻る。その他、ガッツ・エンリケアルテッタなどの移籍も考えられるが、ここら辺は考えたくもないのでふれない。内緒。