リケルメの将来はいかに
(2001/11/23)

リケルメの移籍問題について、はっきりこうだと言いきるのは難しい。
一つは彼の所属しているクラブが経済的危機を迎えているボカであるということ。
二つめはそのクラブの会長が、よくわからん人物であるマウリシオであること。
三つめは、彼の契約が2003年で切れるため、それまでにどこかに売らなければならないので本命以外のクラブとの「突然の契約」の可能性もあること。
そして最後に、いつものことながら現れる強欲代理人問題があること。

というわけで、チキートHPではリケルメのウワサに関しては一切触れないできました。それでも、今月の27日におこなわれるトヨタカップ終了後にはきっと何らかの動きがありそうなことも確かなことなので、ここまでのウワサを一挙公開しておきます。まず今までの事情経過を整理すると次のようなものです。

●3月29日 ボカの会長マウリシオがバルサとのリケルメ移籍に関する最初の「基本的な合意」に達したとメディアに発表。移籍料に関しては交渉中ながらも4年間に分けて支払われることが確認。

●5月31日 スポーツ・ディレクターのパレイラと、副会長のクロスがブエノス・アイレスへ到着。2回目の「基本的合意」にサイン。

●7月18日 レシャックが記者会見で「もう我々には外国人が4人となっているので、リケルメの今すぐの加入はない」と発言。

多分、このへんまでがニュースになったことです。これからが最近のリケルメ移籍ウワサです。色々な資料を基にしているので、一々どこのメディアだかは触れません。

●10月18日(スペインメディア)
10月15日に「リケルメ獲得のバルサ優先権」の期限が切れたとはいえ、バルサにリケルメ獲得の可能性がまったくなくなったわけではない。この期限切れが意味する唯一のことは、ボカ側がバルサ側に何の相談もなく他のクラブと自由に移籍交渉に入れるということだ。これが15日を境に変わった唯一の事実である。だが一つだけ変わっていないこと、それはどこのクラブがリケルメ獲得に走ろうと、その複雑さと困難さは依然として同じということだ。
リケルメのボカとの契約は2003年をもって終了する。したがってボカ会長のマウリシオとしては、できるだけ早く移籍先を確保しておきたい。そして彼の移籍交渉には二人の代理人が絡んでくる。ダニエル・コンバとマルコ・フランキ。彼らの要求するコミッションは莫大な金額となっている。複雑なことは、この二人が受け取るコミッションのパーセンテージが両者の間で揉めていることだ。
リケルメがバルサに来たいというのは本当のことだろう。多くのメディアは、すでにバルサ・リケルメ間では仮契約が終わっているという見方をしている。ユベントスがリケルメを狙っているという最近のウワサが、どこまでユベントスにとって本気なものなのか、誰も知るよしがない。そしてこのウワサを契機にバルサがどのように動くのか。

●10月20日(スペインメディア)
一昨日木曜日(18日)、ボカのオフィスは朝方までこうこうと灯りがついていたようだ。オフィスに集まっていたのは会長のマウリシオ、副会長のロベルトとペドロの二人。机の上にはユベントスからのオファーファックスがのっている。このファックスをめぐって、3人で朝方まで会議していたということだ。ユベントスから送られてきたオファーは43億ペセタ。ボカが決めた移籍料よりは遙かに低いものの、クラブ事情を考えるとのどから手が出るほど必要な金額ではある。だが貴重な睡眠時間を犠牲にしたこの会議は、翌日のリケルメのつれない回答で無駄に終わる。
翌日、電話でこのオファーを告げられたリケルメは、あっさりと「オレは行かない!」と言ったきり電話を切ってしまったからだ。
リケルメを知る友人たちは、彼の希望はトヨタカップ終了後にバルサに行くこと。それが可能かどうかわからないものの、いずれにしてもトヨタカップまではどこのオファーにも耳を貸さないということのようだ。

●10月28日(アルゼンチンメディア)
9か月間にわたって進められてきたリケルメ獲得作戦に、ついに終止符が打たれようとしている。ボカとバルサで秘密裏におこなわれてきた最近の交渉で、ほぼリケルメの移籍が煮つまってきたようだ。リケルメのバルサへの加入は来シーズンからとなる。ボカはこの移籍により50億ペセタを受け取ることになるが、いまだに交渉で難航しているのはコミッション問題。移籍料の15%をリケルメに、2%をフットボール協会に、そして1%をフットボール選手組合に支払わなければならない。これらをどちらが払うかという問題だ。バルサ側としては、60億以上は1ペセタも支払わない構え。
そしてもう一つ解決しなければならない重要な問題がある。ボカ側の代理人であるダニエル・コンバとリケルメの代理人であるマルコ・フランキ間にある「コミッション戦争」だ。この二人の間におこっているコミッション問題を解決しないことには、バルサ・ボカ間の交渉も結論を見ないことになる。

●11月13日(スペインメディア)
バルサは最終的にリケルメ獲得を諦めざる終えないようだ。現在ボカ側が要求しているリケルメの移籍料は、一説によれば125億ペセタと言われている。支払い条件は、年に25億ずつの5年払い。しかもこれがすべてではない。リケルメの代理人が要求しているコミッションが8億ペセタ。そして彼のソシオとして働いているコミッショニスタに4億というもの。合計12億のコミッションが必要となってくる。そして更に、これだけでは終わらない。最初の年の移籍料である25億ペセタの25%を、2年目の25億の50%をリケルメ個人が要求していると言われている。
したがってバルサの経済状態を考えるならば、これらの支払いは不可能に等しい。もしこれらの数字が真実であるとするならば、バルサはリケルメの契約が切れる2003年まで待つしかない。

●11月21日(イタリアメディア)
リケルメの代理人であるマルコ・フランキが、昨日イタリアに到着した。彼の目的はもちろんリケルメの受け入れクラブとの交渉をおこなうため。具体的にはラッチオ、パルマ、そしてユベントスの名があがっている。
イタリアの冬のマーケットは1月に解禁となるため、トヨタカップ終了後しばらくしてからカルッチオでのプレーができることになる。バルサに関してはすでに余りにも高額となっている移籍料問題と、現在すでに4人の外国人登録選手を抱えているため、少なくても冬のマーケットにおける加入の可能性はゼロと見て良いだろう。

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というところですが、これらのニュースを一つ一つ信じるほどバカではないし、HPでニュースとして知らせるほどお節介でもないので、まとめて出してみました。いずれにしても、ボカとリケルメ、そして彼らの代理人たちやコミッショニスタたちの間での、質の低いチェスゲームみたいなものをやっているわけで、それにつき合うこともないでしょう。個人的にはバルサのユニ姿のリケルメを見てみたいと願う一人ですが、さてどうなりますやら。