ストイチコフ、アメーリカでの独り言 3
(2002/10/13)

俺の体はアメーリカにあるけれど、心はいつも地中海。ルルーン♪ルルーン♪ルルーン♪。そして考えることはいつもバルサのこと、ルルーン♪ルルーン♪ルルーン♪。

ジャ〜ン、ジャ〜ン、ひっさしぶりのウリスト様の登場さ。何しに来たかって?決まってるじゃんか、もうバンガールには我慢できないからだぜ。な〜んなんだあ〜、このバルサは!「私はバンガール、わかる?」だって?わかんねええ、ぜんぜんわかんねえ。あんたがいらないって言ったロナルドを見た?ほんのチョットのあいだに2ゴールだよ、2ゴール。

こんなことは最初っからわかっていたんだ、少なくてもこのウリスト様にはね。この前のデビュー戦でもあのぐらいの活躍は予想していた俺なんだから。そしてこれからも、いやっというほどのゴールを入れるぜヤツは。バルセロニスタには頭が痛くなるようなゴールを決めるって、いや、ホント。そしてゴールを決めるごとにバンガールがいかに小さい人間かってことが証明されていくんだ。いや、俺は決してバンガールが嫌いだから言っているんじゃないよ、と言っても本当に嫌いだけれど。事実ってえゆうやつに基づいてしゃべっているんだ。カンプノウでまだ3試合しかやっていないっていうのに、もう2試合も引き分けちゃったのはヤバイことだぜ。ベティス戦の試合を見た?これじゃあ、いったいマドリだとかセルタとかバレンシアあたりと当たったらどうなっちまうんだろうか。考えるだけでちびっちゃいそうだ。

オレ様の考えていることを言おうか。バンガールの問題はローテーションを組んで選手を使いこなすことを知らないことだな。これがいっぱいある問題の中で最大の問題。なぜヤツはローテーションを組まないのか、それは簡単なことさ。お気に入りのスタメン選手以外をぜんぜん信用していないからだ。だがな、ガッツやコクー、そしてマラソンランナーみたいに走り回っているメンディエタが50試合も60試合も戦えると思う?彼らが使えなくなったらヤツはどうするんだろうか。クルービーやサビオラにゴール運がなくなったとき、ヤツはどうするんだろうか。どうしようもなくなるだろうから、今のうちにローテンションを組んで準備しとかなければいけいなっちゅうのに。

しかし、俺はバンガールのことはじゅうぶん知っているつもりだったけれど、あの発言にはさすがの俺もビックリこえたね。
「リケルメは良い選手だと思う。でも彼を欲しいとは思わなかった」
信じられないぜ。監督が自分のところの選手に関してこういうことを言う神経を信じられる?あ〜、俺には信じられない、ぜったい信じられない。ヤツには神経なんかないんじゃねえか?、ロマンがこんなことを言われて何を思っているか想像するのもおぞましいってもんだ。こんなことを俺が言われたら、もうとっくのとうにクラブを出て行ってるな、間違いなく。もっとも俺にも同じことが起きたからそう言えるんだけれど。

あれはバンガールの第一次独裁暗黒政治政権の時だ。あの時もA定食メニューてのがあって、俺は長いあいだB定食組に入れられちゃったんだ。今のガブリやジェラール、ロッケンバックやジェオバンニみたいにな。彼らのことを思うと胸がキューンとしちゃうね。特に若い選手は大事に使ってあげないといけないというのに、ヤツの使い方はなっちゃいないね。練習で一生懸命やっても状況がなんら変わらないと気がついたときに何が起きるか、それを考えると本当に頭が痛くなる。

バンガールは一流選手としての青春をおくっていないし、もちろんプロとしても一流選手じゃなかったそうだ。そのことから、あの「個性豊かな」性格からして、変な方向にいっちゃてるんだな。「彼の」戦術が、「彼の」経歴が、「彼の」獲得したタイトルが「命」になっちゃってるんだ。だから「彼」にとって一番大事なのは選手じゃなくて、「彼の」仕事なんだ、「彼」の成果なんだ。でももうやめよう、こんなことばかり言っていると、この性格のいいウリスト様がなんか性格悪く思われるかも知れねえからな。

そういえばオサスナ戦じゃあフランクがずいぶんと野次られていたなあ。あれは可哀想だ。可哀想だけれど、起こるべくして起きちゃうことなんだなあフランクの場合は。仲間の選手を批判するなんてことはバルセロニスタには許されないし、オレも許さない。だがそれはもう過ぎたことだ。そんなことを忘れてヤツがバルサの選手でいる限りやはり応援してやらなくちゃ。応援したくないヤツは応援しなくてもいいけど、責めちゃあいかん、少なくても試合中はな。もっとも彼の場合はどうしてもバンガール親分のイチの子分と見られちゃうからなあ、そこが難しいところだ。フランクは前のシーズンが終わる頃には、延長契約でもめていたそうだ。ヤツが要求するのが2年でクラブが提供してたのが1年。それがバンガールが来るって決まってからアッという間に延長契約が決まっちゃったようだからな。それじゃあイチの子分と見られてもしょうがないところがある。ついてないっちゃあ、ついてないなフランクは。

ところでどうでもいいことだけど、オレはいま暇なんだ。オレの所属するシカゴ・ファイアーはプレーオフで負けてしまって仕事はなし。だから最近よく昔の連中と連絡をとっていろいろくっちゃべっている。ミハエル(ラウドゥルップ)はブロンビーというところの監督をしているんだが、つい先日UEFAカップで負けてしまったな。まああの試合は相手がブルガリアのクラブだったから心が痛んだ。どっちが勝っても半分は心が痛む試合だった。

つい最近話をしたのはロナルド(クーマン)さ。いいねえ、ヤツは。アヤックスで頑張ってるってのが嬉しい。オレは昔からヤツは監督として成功すると睨んでいたんだ。だからこの夏にもヤツを監督としてとれ、ってガスパーに忠告したのに無視されちまった。ガスパーも何やってんだか、しかも人を見る目がないってきているからな。だが遅かれ早かれガスパーにもクーマンが監督として必要だとわかる時が来るだろうと思うよ。それはそんなに遠い日でもないな。バンガールがいつまでバルサに居座るか知らんけれど、そんなに長いわけがない。そしてそのあとに、そうクーマンが監督としてやって来る。コーチはもちろんウリスト・ストイチコフさ。これでバルサの将来は安泰。決まりだね!