Alberto Ferrer
チャッピー


1970年6月6日生まれ
1990−91シーズン、20歳でデビュー

レンタル移籍されて期待通りの成長を見せてバルサに戻ってきた数少ない選手、というよりはここ20年で唯一の選手かも知れない。毎シーズンのようにバルサBカテゴリーなどの選手が経験を積むためにレンタル移籍していっているが、期待通りの成長を見せてバルサに戻ってくる選手はほとんど皆無と言っていいだろう。カンテラ育ちのジェラールはレンタルではなく完全移籍したあとバルサに戻ってきたし、しかも出戻りバルサで活躍したとはとても言えない5年間だった。ルイス・ガルシアの場合は期待を持ってレンタル先から戻したと言うよりは、他の選手の移籍交渉の際の“材料”としてバルサに戻ってきたに過ぎない。

チャッピーのレンタル期間はわずか半年。バルサBでプレーしていた彼を欲しがったのはテネリフェだった。そして翌年の1990年の夏、彼はバルサAチームのプレステージに参加しそのまま一部に残っている。そしてクライフ、ロブソン時代を常にスタメンでプレーしてきた彼に、あのバンガールが襲いかかってきたのは1998年のこと。“自分のカンテラ”政策を進行中だったバンガールは“他人(クライフ)のカンテラ”だった彼を切り裂いた。20年近く在籍したバルサを離れチェルシーに移籍したチャッピーは“最優秀外国人選手賞”を獲得する働きをしている。ちなみにバンガールが用意した“自分のカンテラ”選手はオクノボという選手だった。今ではフットボール世界のどこを見渡しても見つからない。

オクノボの後にレイジゲル、プジョー、ベレッティなどを代表とするも右ラテラル選手が登場してくることになるが、今のところチャッピーを超える選手は存在しない。チャッピーに関する細かいことは“La Masia物語 フェレール編”を参照。