Andres Iniesta
イニエスタ


1984年5月11日生まれ
2002−03シーズン、18歳でデビュー

ミニエスタディでの試合観戦が常連となっている人々の間で、これほど話題となった選手も珍しい。イニエスタがバルサBの選手の1人としてミニエスタディでプレーするようになる数年前に、やはりバルサBの選手としてプレーしていたイバン・デ・ラ・ペーニャ以来と言える。ポジション的にもほぼ同じであり、イバンが坊主頭で目立ったとすれば、イニエスタはその色の白さで目立つ選手だった。だが、それらのこと以上に目立つものは、優雅なテクニックと共に、他の選手との“違い”をはっきりと見せるプレー内容だった。22人の選手たちが走り回るグランドの中で、1人だけスポットライトを浴びながらプレーし続けるような、そんな表現が似合うイバンとイニエスタ。

1996年、まだ12歳という若さで、イニエスタはバルサに入団してきている。アルバセテに住む両親は地元に残ることに決めたため、当然ながらラ・マシアに入寮することになる。インファンティルカテゴリーからスタートし、シーズンごとに確実にカテゴリーを登り詰める彼は、カデッテAチーム所属となった1999年、シーズンの途中でフベニルB、そしてフベニルAチームへと登り詰め、翌年のカテゴリーはバルサBとなった。まだ16歳の誕生日を迎えたばかりの夏、彼はバルサBの選手の1人となる。クラブ史上、それまで例を見ない異常なまでのカテゴリー昇格だった。そして余談だが、この“異常な”出来事から何年か後、ボージャンもまた同じ軌跡をたどることになる。

そして18歳となった彼に、バルサAチームでのデビューが訪れたのが2002年10月29日、チャンピオンズでのブルッハス戦で何とスタメン出場してしまう。それから約2か月後の12月21日、第15節マジョルカ戦でリーグ戦でのスタメンデビューし、その後も5試合続けてスタメン出場することになる。だが、本格的にチームの重要な要として名が知られるようになるのは、ライカーバルサの2年目、つまり2004−05シーズンまで待たなければならない。このシーズン、スタメン出場回数こそ12回と少ないが、途中出場回数が25回もあり、後半に入ってからのリズムを変えるための重要な駒と変貌していった。

10代前半のインファンティルカテゴリー時代から注目され、そして10代半ばのフベニルカテゴリー時代に至るまで大いに将来を期待された選手が、その期待通りにカンプノウでも脚光を浴びることを実現させた選手は数少ない。アンドレス・イニエスタは数少ないそういう幸運のもとに生まれた選手と言える。