1998年の夏、グラマネのアレビンカテゴリーに在籍していたトニー・カルボ少年がバルサアレビンAに移籍して来る。そして彼と同じように、この年にマタロというクラブからバルサに入団して来た少年がいる。フランセスク・ファブレガス、通称セスクと呼ばれるセントロカンピスタをポジションとする少年だ。このシーズン、ジェラール・ピケがアレビンBから、ビクトル・バスケスもやはりアレビンBから上がってきた。セスクやピケ、あるいはビクトルやトニーに加え、翌年にはバレンシアから左エストレーモのフアンホも入団して来る。そして2001−02シーズン、ソンゴージュニアやレオ・メッシーもこのメンバーに加わり、シーズンを通して無敗という“黄金のカデッテB”チームを形成することになる。ちなみに、このメンバーがある年の豊田国際ユースに参加している。
グラマネでのトニー・カルボ少年のポジションは右ラテラル、だがバルサに入団してから徐々にポジションが上がってきている。最初ピボッテをやらされた彼は次第にメディアプンタとして起用されるようになり、カデッテカテゴリーを卒業してフベニルカテゴリーでプレーする頃には右エストレーモという固定したポジションでプレーしている。左エストレーモのフアンホと共にエストレーモコンビの誕生だ。
エストレーモというポジションに固定された理由、それは一対一に強いところを買われてのものだろうと彼は語る。ロナルド、ロマリオ、特にストイチコフがアイドルと語る彼の持ち味は、スピードを生かしたエストレーモ選手としてライン際を走っての攻撃参加。そしてスペースを見つけてのゴール前への走り込み。もちろんデランテロである彼はシュート力は人並み以上のものがある。彼の夢はできる限り早くカンプノウでプレーすること。いつかカンプノウで、親友のフアンホと共に左右エストレーモとして走り続けることができたら最高だ。本格的なエストレーモ選手として成長し続けているトニー・カルボ、バルサの伝統はまだ生きている。(04年12月)
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